アポロニア21
編集長コラム2019

1月号

日本歯科医師会が8020運動30周年記念事業の一環として制作した映画『笑顔の向こうに』が、第16回モナコ国際映画祭でグランプリを受賞しました。

事業に関わった先生によれば、「ノミネートされることが当面の目的だったのに、その後、どんどん事態が進行していった。予想外の展開に驚いた」とのことです。本当に、おめでとうございます。

私はこの映画をまだ見ていませんが、歯科技工士、歯科衛生士の仕事の大切さが見る人に伝わるよう工夫が凝らされた作品だと聞いています。歯科医療現場の魅力を多くの人に知ってもらうきっかけになればと期待しています。

現在、深刻な求人難が続く歯科界ですが、求人に成功している歯科医院、法人に共通して、サイトなどを通じて「職場の楽しさ」「仕事内容の格好良さ」を訴求していることが分かります。歯科界全体で見れば、歯科技工士、歯科衛生士という仕事の魅力が、今回の映画を通して発信できれば、さらに優秀で野心的な若手が、歯科医療現場に集まってくることでしょう。

考えてみれば、映画に登場する歯科医師の印象はあまり良いものがないように感じます。

「タービンを握ると人格が豹変する」「麻酔なしに歯を抜こうとする」といったホラー的な描写か、「ミスター・ビーン」に出てくるように「主人公にからかわれてドタバタに巻き込まれる」といった、ちょっと間抜けな存在として笑いの対象となることが多かったように思います。

まして、歯科衛生士・歯科技工士を全面に押し出して仕事の素晴らしさを演出するという今回の映画のような企画は、あまり前例がないのではないでしょうか。

『笑顔の向こうに』をきっかけに、歯科医療が「魅力的」で「格好良い」ものだと認知されることを願っています。

今回は新年に当たって、砂盃清先生、荒井昌海先生、島村泰行先生による医院経営の座談会を掲載しました。約6年前と同じメンバーで、定点観測的に変化を追うことができました。ご一読いただければ幸いです。

(水谷)