日本歯科新聞 | 2012年2月21日付
海外歯科技工物 輸入の雑品扱いに疑義生じる、関税表では「医療用具」
海外からの輸入歯科技工物を「雑品」と見なす考え方に重大な疑義が差し挟まれている。医療経済学者の布施泰男氏の指摘によるもので、関税の国際的な取り決めであるブラッセル関税率表によれば、「義歯」は9021・21に分類され、そのうち汎用品である人工歯(日本国内分類小番号で010)と、「その他のもの」(090)として区分され、いずれも医療用具として輸出入が管理されている。しかし一方で、厚生労働省の薬事工業生産動態統計にはこれに相当する小分類が存在していない。
口腔保健法制定 理想の歯科医療目指す-日歯連盟と日歯が式典とシンポ
「生きる力を支える歯科医療の実現に向けて」をテーマとした歯科口腔保健の推進に関する法律の成立を記念した式典(主催・日本歯科医師連盟、日本歯科医師会)と国民向けのシンポジウム(主催・日歯)が11日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開かれた。式典は与野党の国会議員や歯科医療関係者が出席して行われ、シンポジウムには800人以上が集まった。
国保組合問題など協議-千葉県歯連盟が民主、自民国会議員と会合
千葉県歯科医師連盟(砂川稔会長)は12日の午前に、千葉市内の京成ホテルミラマーレで県内選出の民主党議員、午後から三井ガーデンホテル千葉で自民党議員および支部長とのデンタルミーティングをそれぞれ開いた。
会合は、同県歯連盟執行部と両党の国会議員が歯科医療界が抱える問題についての意見交換をするのが狙いで、民主党の会合には歯科医師の水野智彦衆議院議員(南関東比例ブロック選出)と西村正美参議院議員(比例)、自民党の会合には石井みどり参議院議員(比例)も出席し、消費税の損税や歯科医師国保の補助金削減などについて議論した。また、自民党との会合には県歯科技工士連盟、県歯科衛生士連盟の幹部も同席し、それぞれが抱える問題の解決を訴えた。
日医会長選 3人が出馬表明
日本医師会の任期満了に伴う会長選挙に現職の原中勝征、現副会長の横倉義武、京都府医師会会長の森洋一の3氏がそれぞれ会見を開き、出馬を表明した。現職の会長が出馬を表明する中、副会長が立候補するのは日医では異例の出来事となる。4月1日の代議員会で投開票が行われる。
技術料引き上げを評価-保団連
全国保険医団体連合会歯科代表の宇佐美宏氏は、10日に発表された歯科診療報酬改定内容について、長期間据え置かれてきた基礎的技術料の引き上げを評価するとしながらも、「今回、取り残された基礎的技術料の引き上げをあらためて求めていく」などとする談話を改定直後に発表した。
iPS細胞 エナメル芽細胞を誘導-東北大らが世界初の成功
東北大学大学院歯学研究科の福本敏教授と同大病院の新垣真紀子氏らの研究グループは、iPS細胞からエナメル芽細胞を分化誘導することに世界で初めて成功した。米国国立衛生研究所と岩手医科大学、東京理科大学との共同研究によるもので、今まで困難だったエナメル芽細胞の役割の解明や、歯の再生の細胞ソースとして応用に期待がかかる。
水はねにくい手洗器-TOTOが看護師の声を基に開発
TOTO(本社・福岡県北九州市、張本邦雄社長)は看護師ら病院スタッフの声を反映させた「スタッフ用手洗器」=写真=を発売した。水が周囲にはねにくいなど、衛生的に使える工夫がなされている。
中部日本デンタルショー 1万1,283人来場
愛知県歯科医学大会の併催行事として第35回中部日本デンタルショーが18、19の両日、名古屋市の中小企業振興会館で開かれた。歯科医師ら1万1,283人が来場した。テーマは「生活を支える歯科医療」。来場者の内訳は歯科医師3,303人、歯科技工士1,028人、歯科衛生士1,501人など。
TPPへの対応学ぶ-日本歯科商工協会
日本歯科商工協会(山中通三会長)は、TPPなど自由貿易圏時代における歯科業界の取るべき道についての講演会を東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で10日に開いた。108人が参加した。
講師の月刊「アポロニア21」水谷惟紗久編集長は、国内外の取材で得たアメリカ、中国などの産業振興政策についての知見をもとに、6月に予定されている日本のTPP参加表明に向けて業界としてどのような対応を取ればよいのかを解説。3月1~2日にかけて東京で開催予定の日米通商サミットにはアメリカ側の要求事項がまとまり、6月までに日本側の対応を急ぎ検討しなければならない状況だとした。
ものづくり日本大賞・四国経済産業局長賞 山本貴金属地金が受賞
山本貴金属地金(本社・大阪市、山本隆彦社長)の高知工場のプロジェクトチームが、経済産業省が主催する「ものづくり日本大賞」の四国経済産業局長賞を受賞した。
「ものづくり日本大賞」は、ものづくり大国ニッポンの製造・生産現場の中核を担う中堅人材や伝統を受け継ぐ熟練人材、今後を担う若年人材、優秀なものづくりチームなどに贈られるもの。