日本歯科新聞 | 2014年1月28日付
歯科医師臨床研修 プログラムで症例数を明記
厚労省は、平成28年度から実施予定の新たな大学卒直後歯科医師臨床研修制度について、各研修施設の研修管理委員会で「基本習熟コース」、「基本習得コース」の研修内容、症例数などをプログラムごとに明記する案を「歯科専門職の資質向上検討会の歯科医師ワーキンググループ(WG)」に提示した。同省は3月をめどに意見集約を目指す。
障害者の権利に関する条約批准
あらゆる障害者の尊厳と権利を保障するための「障害者の権利に関する条約」が昨年12月4日に参議院本会議で批准され、1月20日付で国際連合事務局に承認された。諸外国に対して遅れが見られた日本の障害者施策は大きく前進する。社会資源や産業のバリアフリー化、アクセシブルデザインの推進に当たる公益財団法人共用品推進機構の星川安之専務理事は、「歯科医院の多くに、まだ障害者への配慮が足りない部分があり、諸法令によって対応が求められることになるのではないか」と指摘する。
スプリンクラー 有床診療所の95%未設置
有床診療所(歯科も含む)の94.6%が消防用のスプリンクラーを設置していないことが総務省消防庁の調べで明らかになった。同庁は、有床診療所に対し、スプリンクラーや火災通報装置および自動火災通報装置の設備を病院や有床診療所に義務付ける方向で検討を進めている。
協会けんぽ 赤字で準備金の枯渇も
全国健康保険協会(通称・協会けんぽ)は、平成26年度政府予算案を踏まえて、今後の収支見通しを1月14日に発表した。26年度は600億円の赤字だが5,200億円の準備金で対応する。しかし、現行制度を維持した場合、平成30年度には収支差額は4,300億円の赤字で準備金も8,900億円不足する事態に陥る。
「医療崩壊」打開で決議-保団連
全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は1月25、26の両日、東京・麹町の都市センターホテルで第46回定期大会を開いた。医療や国政をめぐる情勢を踏まえた2年間の活動を総括するとともに、「医療崩壊」を打開するための活動方針を決定、「大会決議」を採択した。
子供の幸福度 日本は総合6位
日本の子供の幸福度は先進国31カ国中で6位だが、低体重児出生率の低さは最下位-。国立社会保障・人口問題研究所は、ユニセフのイノチェンティ研究所との共著で「イノチェンティレポートカード11 先進国における子どもの幸福度─日本との比較 特別編集版」をまとめた。
日歯代議員会3月13、14日に
日本歯科医師会は第175回臨時代議員会を3月13、14の両日に、それに先立つ2月21日には第117回都道府県会長会議を東京・市谷の歯科医師会館で開く。
オゾンの水・ジェル 止血効果も確認
院内感染予防や歯科治療時に応用されているオゾン水、オゾンジェルには、殺菌作用だけでなくエピネフリンと同等の止血効果もある―。大阪歯科大学の王宝禮教授らの研究グループが動物実験で明らかにした。
26年度診療報酬改定 訪問「20分ルール」改善求める
中医協(会長・森田朗東京大学大学院教授)は1月24日、仙台市の東京エレクトロンホール宮城で平成26年度診療報酬改定における公聴会を開催した。医療関係者や保険者、患者代表など10人が意見陳述し、歯科では宮城県歯科医師会常務理事の佐藤勝氏が歯科訪問診療における20分ルールの改善などを求めた。中医協は、公聴会で挙がった意見やパブリックコメントなどを基に2月中旬までに個別の診療報酬点数の配分作業を終え、厚労相に答申する。
中医協分科会と先進医療会議案 新規等の保険導入で歯科13件
中医協の調査専門組織・医療技術評価分科会は、平成26年度診療報酬改定で歯科分野における新規保険収載等の評価の優先度が高いものとして、顎関節症指導管理料など11件を挙げた。さらに先進医療会議は先進医療として位置付けられている2件「X線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術」、「歯科用CAD・CAMシステムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴」を優先的に保険導入すべきとした。両会議の意見は1月22日の中医協総会で報告されたもの。中医協は分科会らの提案を受け、改定財源など踏まえて保険導入を慎重に検討する。