日本歯科新聞 | 2020年4月21日付
高校生が3Dプリンター使い、フェイスシールドを寄付
新型コロナウイルスが蔓延する中、高校生の立崎乃衣さんは、自宅にある3Dプリンターを使ってフェイスシールドを製作し、医療機関等に無料で寄付する活動「Face Shield Japan」を行っている。6日から19日までで110個を発送、中には歯科医療機関も含まれている。生産が追い付かないこともあり—時受付を中断していたが、休校が明ける5月6日まで追加で90個限定の受付を予定しているという。
問い合わせは立崎さんメール(faceshieldjapan@gmail.com)
まで。
電話等での初診報酬などを承認—中医協
中医協は10日、第454回総会で、新型コロナウイルス感染症への時限的&•特例的な対応として、電話や情報通信機器を用いて初診を行った場合に214点を算定できるなどの診療報酬上の取り扱いについて承認した。総会は会議形式では行わず、厚労省が委員らと資料の提示や意見交換、決議などをデータで行う「持ち回り開催」形式で実施。資料で承認の旨が公開された。
「受診に関するお願い」延期等への協力求める—日歯
日本歯科医師会(堀 憲郎会長)は13日、「受診に関するお願い」をホームページ上で公開した。同「お願い」では、歯科治療を通じての患者への感染の報告はないとする—方で、自覚症状のない人が来院する可能性が増していく中、延期しても問題が少ない治療や定期健診、訪問診療等の延期の検討もお願いしていると協力を求めている。
レセプト記載事項実施延期など要望—保団連
全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は19日、緊急決議「2020年度診療報酬改定で定められた不要不急の『レセプト記載事項』の実施延期などを強く求める」を厚労大臣宛に送付した。
決議では、新型コロナウイルス感染が拡大する中、防止対策や患者の不安軽減のために窓口や電話での対応が混乱していると言及。患者の受診抑制によって医療機関の経営に大きく影響しているとして、診療報酬請求への不安が募っている現状を訴えている
スカルドビア菌 フッ化物に耐性あり—東北大がう蝕誘発機序を解明
早期小児う蝕患者から多く検出されるスカルドビア菌のう蝕誘発メカニズムが解明された。東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の高橋信博教授、安彦友希助教、同研究科顎口腔矯正学分野の亀田真衣氏らによるもので、高い耐酸性能やフッ化物耐性を持ち、特異的な糖代謝機構「ビフィドシャント」がう蝕誘発に関与していることが分かった。
同研究成果は、国際学術誌『Frontiers in Microbiology』オンライン版(3月25日)に掲載された。
骨造成、生体材料単独で可能に—東北大グループが開発に成功
これまで難しかった生体材料単独での骨造成を可能とする技術を、東北大学大学院医工学研究科のグループが開発した。義歯の安定性向上や歯周病改善につながる技術として期待がかかる。
同研究は、文部科学省科学研究費補助金と東洋紡の支援を受けており、成果は国際科学誌『Journal of Biomedical Materials Research Part B:Applied Biomaterials』電子版(4月2日)に掲載された。
Pg菌の病原因子 5型線毛の構造と形成機構解明
ポルフィロモナス&•ジンジバリス(Pg菌)などのバクテロイデア綱細菌の、宿主への定着等に重要な働きがある5型線毛の構造と形成機構が解明された。長崎大学医歯薬学総合研究科の庄子幹郎准教授と中山浩次客員研究員のグループと、沖縄科学技術大学院大学や大阪大学大学院理学研究科との共同研究によるもので、歯周病予防や治療のための抗菌薬開発につながる研究として期待がかかる。
同研究成果は『Nature Microbiology』(4月14日)に掲載された。
新型コロナ感染のリスク低減に向け、声明で禁煙呼びかけ—禁煙21団体
日本禁煙学会をはじめ、禁煙推進活動を続ける国内の21団体は、国際結核肺疾患連合(The Union)が4月3日に発表した『COVID—19(新型コロナウイルス感染症)と喫煙に関する声明』を強く支持するとの「声明文」を出した。
同連合は、呼吸器系疾患の専門家や医療関係者からなる国際的な組織で、声明では、新型コロナウイルス感染のリスク低減に向けて、喫煙者に禁煙を求めるとともに、タバコ会社に製品の製造と販売の停止を呼び掛けている。
歯科医療がコロナ感染予防に—東歯大の奥田名誉教授が情報提供
新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が出され、その終息は見えてこず、歯科医療機関においても診療を中止、縮小するところが増えている。この過酷な現状において東京歯科大学名誉教授の奥田克爾氏は3月初めから「歯科医療機関での新型コロナウイルス感染予防」と題した情報を、いくつかのホームページで掲載している。4月13日に更新した「新型コロナウイルスパンデミックでのオーラルヘルスを考える」の概要を紹介する。