編集長コラム 2021年1月号

あけましておめでとうございます。2020年は、コロナに終始した一年でした。私自身も、なかなか取材で動くことができずにヤキモキしましたが、逆に、どんなに遠い取材先でも、Zoomなどでオンライン取材ができるというメリットが生まれました(いまだに慣れませんが……)。

第1波の時には、東京の感染者数が突出して多く、都外の飲食店で「東京から来られたお客様はご入店できません」などの張り紙を何度か目にしましたが、第3波になると感染拡大地域が広がり、結局、「どこにいても怖い」ということになっているようです。  街では喫煙スペースが激減。おそらく、喫煙者数も相当に減ったと思われます。私は咽頭がんの手術を受けて口や鼻で呼吸をしていないため喫煙できなくなりましたが、ここまでタバコ吸いに厳しい世の中になったのを見ると、「タバコが吸えない体になっていてよかった」と、胸をなで下ろしています。

私の場合、口や鼻で呼吸しない以上、マスクは感染防止の意味を持たないものの、世間への忖度もあって外出時にはマスクをするようにしていますし、手洗いの回数も各段に増えました。

そんな世の中で、「密」が生まれるのを避けられないオリンピックなど開催できるのか、と考えたりします。

また、今後もオンラインでの仕事が広がれば、都市に生活するメリットは少なくなりますから、地方への「コロナ疎開」が、さらに恒常的な人口移動へと定着するかもしれません。都市生活の魅力は、周囲の目をあまり気にせずに済むということなので、コロナ禍でそれが失われつつある今、都会に住み続ける意味は低下していくのでしょうか。

今回の特集では、心身の快適さ、健康を生み出す環境づくりを提案。心身の健康への配慮を重視した、世界一厳しいとされる「WELL認証」に取り組む歯科医院が登場。さらに、冬でもコロナ対策で空気の入れ替えが求められる中、できるだけ換気のタイミングを少なくできる費用対効果の高いアイテムも紹介しています。「今できる範囲での快適」実現の一助となれば幸いです。

(水谷)