厚労省が来年度予算の概算要求「総額21兆2,673億円、前年比5.3%増」を発表

厚労省は8月27日、総額21兆2,673億円、前年度比1兆762億円、5.3%増の2005年度予算概算要求を発表した。概算要求基準(シーリング)で合理化を求められた2,200億円分については「年末までに検討する」として最初から除外した。しかし、国・地方財政の三位一体改革の議論で、全国知事会などが政府に国庫補助負担金3兆2,000億円(うち社会保障関係は9,444億円)の削減案を提示しており、改革の成り行きでは来年度予算も大きく変わる可能性が出ている。

歯科関係予算は19億9,400万円で前年比5.2%増

厚労省医政局が8月27日に発表した2005年度歯科保健医療対策関係予算の概算要求額は19億9,400万円で、前年度予算額より9,900万円、5.2%増えた。新規事業として06年度から実施される歯科医師卒後臨床研修必修化に向けた、臨床研修施設と研修歯科医との組み合わせ決定方式(マッチング)を行うための事業には6,873万3千円を計上。

歯科鋳造用金パラは10月から434円

中医協は8月25日の総会で、歯科鋳造用金銀パラジウム合金と歯科非鋳造用金銀パラジウム合金バー状リンガルバー用の2品目の価格を10月から改定することを承認した。歯科鋳造用金銀パラジウム合金は4月の告示価格394円が10月の試算価格が434円で変動率10.2%だった。

日歯の医療管理委員会が歯科医療需要拡大策で中間意見書発表

日本歯科医師会の医療管理委員会(木下正道委員長)は8月26日、歯科医療需要拡大策での中間意見書「歯科医院が独自に行う需要拡大策~患者さんの受診を促進し、定着してもらおう」を発表した。歯科医療の需要拡大と歯科医師供給削減については、日歯が当面の課題として取り組んでいる問題で、同委員会では?スタッフのコミュニケーション能力の向上策?需要拡大策?患者の定着率を上げる方策?魅力ある職場への改善策?歯科医院におけるITの活用―の5項目を今期の検討課題として掲げている。今回の中間意見は「需要拡大策」と「患者の定着率」の2項目についてまとめたものだ。

03年度社保の歯科金額は10.6%減の9,953億円

社会保険診療報酬支払基金の2003年度確定件数は7億8,666万4,849件、金額10兆871億2,193万4,000円で、前年度に比べ0.8%、5.1%減少した。歯科は9,931万2,676件、金額9,953億3,144万2,000円で、2.0%、10.6%減少した。

SCP日本代表選抜大会で東医歯大6年生の佐藤智子さんが優勝

全国19の歯科大・歯学部の学生代表が、自身の研究や英語によるプレゼン力を競う、2004年度スチューデント・クリニシャン・プログラム(SCP)日本代表選抜大会(日本歯科医師会主催、デンツプライ三金後援)が8月25日、東京・市谷の新歯科医師会館で開かれ、東京医科歯科大学歯学部6年生の佐藤智子さんが優勝した。発表研究は「音声音響分析による開咬を有する小児の構音評価」。9月4日から米国オーランド市で開かれる第145回ADA年次大会に日本代表として参加し、他国のクリニシャンとともに発表する機会が与えられる。

中医協事件の加藤勝敏と下村健の両氏が初公判で起訴事実認める

日本歯科医師会を巡る中医協贈収賄事件で収賄罪に問われている加藤勝敏連合前副会長の初公判が8月26日、下村健健保連前副会長の初公判が8月27日、東京地裁(大熊一之裁判長)で開かれた。罪状認否で加藤氏は「間違いありません」、下村氏は「相違ありません」と起訴事実を全面的に認めると同時に、事件に対する反省の意を述べた。時間的な制約もあり、被告人への検察側の質問は次回となった。次回公判日程は9月27日午後3時半から。

東京地検は日歯連盟の1億円献金で平成研究会の会計責任者を逮捕

日本歯科医師連盟からの献金1億円を政治資金収支報告書に故意に記載しなかったとして、東京地検特捜部は8月29日、自民党政治団体「平成研究会」の会計責任者の滝川俊行氏を政治資金規正法違反(不記載)の容疑で逮捕するとともに平成研事務所を家宅捜索した。1億円の小切手を受領した橋本龍太郎元首相からも任意で事情を聞く方針。また、特捜部は日歯連盟も平成研への1億円の支出を収支報告書に記載していないため、日歯連盟の臼田貞夫前会長と内田裕丈前常任理事についても政治資金規正法違反容疑で8月30日に再逮捕した。