日歯は個人情報保護法に対応し院内掲示ポスターを3月中に配布

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は2月23日、都道府県歯医療管理担当理事連絡協議会を開いた。日歯の高津茂樹担当常務理事は、個人情報保護法対応での院内掲示ポスターについて「作成中、3月中には会員に配布する」と話した。また、厚労省医政局の濱田幸夫氏と大阪歯科大学の稲葉一人氏は、個人情報保護法の概要や留意点で講演し、厚労省がまとめたガイドラインについて「個人情報数が5千件を超えなくともガイドラインを遵守すべきだ」と強調した。講演で、濱田氏はガイドライン5千件の解釈について「1人の患者が複数のカルテや検査記録を持っていても1人とカウントする。その個人の人数が過去5年間で5千人を超える人がガイドラインの対象になる」としながらも「5千件にかかわらずガイドラインを遵守してほしい」とした。

ヒヤリ・ハット事例「誤飲・誤嚥」がトップ‐日歯医療安全対策委調べ

日本歯科医師会の歯科医療安全対策委員会(助村大作委員長)が取りまとめた「インシデント(ヒヤリ・ハット)調査結果」の中間報告で、歯科治療などで最も多く発生するトラブルは「誤飲・誤嚥」、次いで多いのは「機器の誤操作・操作ミス」だった。誤飲・誤嚥は、総回答数2,935件の約半数の1,407件を占めた。内容は「歯冠修復物」が870件(62%)でトップ、次いで「リーマー・ファイル」300件(21%)、「バー」154件(11%)。原因としては「手技ミス」834件(51%)、「注意確認不足(不注意)」705件(43%)、「観察不足」26件(2%)となっている。

厚労省は検討会に「行政処分の医師に再教育を義務化」素案を提示

厚労省は2月22日、「行政処分を受けた医師に対する再教育に関する検討会」に、医師法を改正し行政処分を受けた医師に再教育を義務付けるべきだとする報告書素案を提示した。同省では報告書を年度内にまとめたい考えで、来年の通常国会への改正案提出を目指すとともに、来年度から試験的に再教育を実施したい方針。素案では、再教育を義務付ける理由について「医師の職業倫理意識を高め、併せて医療技術を再確認し、能力と適正に応じた医療を提供するよう促すことが主たる目的」とした。

日歯の医療管理委は需要拡大策で「広告、クチコミ、定期健診」中間意見書提出

日本歯科医師会の医療管理委員会は2月23日、東京・市谷の新歯科医師会館で開かれた都道府県歯科医師会医療管理担当理事連絡協議会で、「歯科診療所が独自に行う需要拡大策」の中間意見書を提出した。意見書では需要拡大での取り組みとして三つの行動目標が発表されている。一つは新規利用者への歯科医院認知で、歯科医院を選択してもらい、新規の患者さんになってもらうための広告宣伝活動で、医療法第69、70条の広告規制の範囲内であり、かつ医の倫理にのっとった広告媒体とその料金を説明している。二つめは利用者へのクチコミ広告活動で、話題や評判(うわさ)となって広がるクチコミのシステム化と効果を紹介。三つめは利用者の定期健診で、初めて来院した利用者に満足してもらい「かかりつけ歯科医」として継続して来院してもらうための考え方を求めている。

看護師の95%が入院患者の口腔ケア必要‐田中恵氏ら東医歯大チーム調査

看護師は入院患者の口腔ケアについてどう感じているのか、田中恵氏ら東京医科歯科大学の研究チームが実施、まとめたアンケートで、看護師のほとんどが必要及び重要だと考えている実態が明らかになった。調査は神奈川県下、五つの老人病院に勤務する看護師235人にアンケートを郵送した。回収率は92.3%(217人)だった。入院患者への口腔ケアの必要性を聞くと61.8%が「とても大きい」と回答、「大きい」と答えた34.1%と合わせると、95.9%に上った。重要度でも94.0%が大きいと答え、意欲では65.5%が意欲的で、意欲が小さいとしたのはわずか2.7%だった。

東海地区歯科医学大会で養老孟司氏「バカの壁」の著者が講演

第57回東海地区歯科医学大会が2月20日、名古屋市の中小企業振興会館(吹上ホール)で開かれた。大会のテーマは「歴史を紡ぎ、未来を拓く歯科医療?伝承より科学へ」。特別講演には、大ベストセラー「バカの壁」の著者で知られる東京大学名誉教授の養老孟司氏が「生甲斐はどこにあるのか」と題して、目の前にある現実と脳の中の意識の違いから人間の生き方について語った。養老氏は、「個性の尊重」と称し、若者の教育に深く干渉しない現代社会の傾向が、自殺者を増やすと指摘。「人のことが分からなければ人は生きていけない。教養とは人の心が分かる心だ」と述べた。

中部日本デンタルショーを名古屋市の中小企業振興会館で開く

第28回中部日本デンタルショー(東海歯科用品商協同組合主催)が2月19日から2日間、愛知県の名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)で開かれた。来場者数は両日で8,550人と、前回の1万1,200人から約24%の減となった。

中医協「一刻も早い正常化を」‐井堂日歯会長

日本歯科医師会の井堂孝純会長は2月24日、理事会後の会見で、日歯事件に伴う組織改革の取り組みについてまとめた文書を厚労省に提出したことを明らかにした。その上で欠員となっている中医協委員復帰について「事件の当事者ではあるが、中医協で論議される問題と事件のことは次元が違う問題であり、国民歯科医療確立のために一刻も早く中医協を正常化してもらいたい」との考えを強調した。また、日本歯科技工士会が発表した混合診療に対する考え方について、「同じ歯科界にあってまったく相談されずに意見を出されたことは非常に残念」とした。さらに4月施行の改正薬事法の影響について修理コストが高くなるなどの見方を示した。

日歯会長選など協議‐都道府県会長会議

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は2月25日、第99回都道府県会長会議を東京・市谷の新歯科医師会館で開き、日歯会長選挙の在り方で執行部が現在検討している選挙人を500人程度とする案などについて、協議した。選挙人を各都道府県歯で選出する執行部案に対し、「都道府県で選挙人を選ぶのは難しい」などの問題点を指摘する意見が複数あった。日歯会長選挙の在り方について井堂会長は冒頭あいさつで、代議員アンケートで7割が間接選挙を望んでいたことを説明し、「間接選挙であっても会員感情を考えると改革しなければならないと考え、選挙人を500人程度に増やすことで執行部の考えは一致した」と述べた。

尾辻厚労相は「国民の納得が肝心」‐中医協有識者会議の初会合

厚労省の「中医協の在り方に関する有識者会議」の初会合が2月22日、開かれた。同会議は日歯の中医協贈収賄や汚職事件を契機に、診療報酬決定過程の不透明さなどが指摘され、中医協で改革案をまとめたが政府が納得せず、昨年末、尾辻秀久厚労相と村上誠一郎規制改革担当相の間で第三者機関を設置し、改革を検討することで合意していたもの。会議では、診療報酬改定に関する企画、立案の在り方との関係を含めた中医協の機能・役割の在り方、公益機能の強化、診療報酬の決定手続きの透明化及び事後評価の在り方などが検討される。

内田氏に懲役3年を求刑

中医協贈収賄、業務上横領、公職選挙法違反、政治資金規正法違反で起訴されている前日本歯科医師会常務理事の内田裕丈氏の論告公判が2月24日、東京地裁(岡田雄一裁判長)で開かれ、検察側は懲役3年を求刑した。検察側は「犯行は、いずれも目的のため手段を選ばないという被告の反規範的態度を示す。前日本歯科医師会会長の臼田貞夫氏らの指示に従ったものだが、刑事責任は重い」と指摘。