病院歯科の口腔ケア実施率9割‐全国1,234施設に調査

全国1,234の病院歯科を対象にした口腔ケア実施に関する実態調査で、約9割が入院患者に対して何らかの口腔ケアを実施していることが分かった。岡崎市民病院歯科口腔外科の山田祐敬氏と神戸市立中央市民病院歯科口腔外科の田中義弘氏ら研究チームが実施、まとめたもの。山田氏らは「病院での口腔ケア導入は保健、医療、福祉あらゆる質の向上と医療費の抑制につながる。病院での実施率を今後より一層高める必要がある」と指摘している。調査は昨年3~4月、病院歯科1,234施設にアンケートを実施、667施設(54.1%)から回答を得たもの。口腔ケア実施に関する39項目を聞いた。口腔ケアの対象は寝たきり患者が最も多く75.9%、次いで意識障害のある患者66.9%、経口摂食のできない患者50.7%、人工呼吸器装着患者42.3%、周術期の口腔ケア28.3%だった。

早見優さん「口腔ケアは大切」

歯の健康シンポジウム「オトコの口、オンナの口―性差で考える口腔ケア」(日本歯科医師会・朝日新聞社主催)が東京都千代田区の九段会館で4月24日、開かれた。基調講演で女性ホルモンや喫煙がもたらす歯周病の関係について報告がされた後、元NHKアナウンサー松田輝雄氏のコーディネートのもと、歌手の早見優さんや産婦人科医の早乙女智子氏らがシンポジウムで口腔ケアの大切さを話し合った。

日歯が個人情報事例集臨時委を設置

日本歯科歯科医師会は4月21日の理事会で個人情報保護事例集作成臨時委員会の設置を決めた。委員長には東京都の端山智弘氏が就任した。任期は平成17年4月1日から平成18年3月31日まで。

平成15年の歯科関係訴訟は70件‐3年連続増加

歯科関係訴訟の増加に歯止めが掛からない。最高裁判所がこのほど発表した平成15年の医療関係訴訟データで、歯科関係は70件と3年連続の増加となった。

日歯がテリスロマイシンに注意喚起

歯科でも汎用されている抗生物質のテリスロマイシン(販売名・ケテック錠)の使用で意識を消失するなどの副作用がある問題で日本歯科医師会は4月21日、厚労省から4月15日付で市販後の安全対策に関する通知があったことを明らかにするとともに、使用の際には十分に注意するよう呼びかけた。通知ではテリスロマイシンの市販後安全対策について?患者に対し、本剤服用後の自動車運転中に突然、意識を消失した事例が報告されていることを説明すること?患者に対し、本剤の有効性と安全性について十分説明した上で、本剤服用中は自動車運転など危険を伴う機械操作をしないことを確認する?どうしても自動車の運転をしなければならない場合には、処方薬の変更を考慮することを求めている。

厚労省が地域型健保組合を提案

厚労省は4月20日、小規模・財政窮迫の健保組合の統合再編を促進する「地域型健保組合」の設立を柱とした改革の基本方針を社会保障審議会医療保険部会に提示した。同省は平成18年の通常国会に提出予定の医療保険制度改革関連法案に盛り込む考えだ。地域型健保組合は、原則禁止されている異業種の健保組合同士の統合を認め、小規模や財政難な健保組合の統合を促進する。

桑田氏の初代ラッド賞記念し祝賀会

昭和11年生まれの歯科技工士を中心とした集まり「11年の会」(尾崎友保会長)は4月17日の総会後、今年2月にAPS(アメリカ補綴歯科学会)から初代ラッド賞を受けた同会会員の桑田正博氏(愛歯技工専門学校校長、ボストン大歯学部客員教授)の祝賀会を渋谷東急インで開いた。尾崎会長は「会員にとって誇りであり、大きな喜びでもある」と桑田氏の受賞の喜びを力強く語った。また来賓の金田米秋東京都歯科技工士会会長代行や鈴木隆夫都技連盟会長らも歯科技工士の存在価値を示す受賞だと桑田氏の功績を称えた。

日本歯科漂白研が日本アンチエイジング歯科学会へ改組

日本歯科漂白研究会(松尾通会長)は4月16、17の両日、東京・飯田橋の日本歯科大学で開いた第6回学術大会(金子紳大会長)で、「日本アンチエイジング歯科学会」へと組織変更した。今後、寿命管理、生活管理、容姿管理の3点から歯科医学、歯科医療を通して高まるアンチエイジングの社会的要求に応えていく構え。会長は引き続き松尾氏。

日歯が「選挙規則改正特別委」設置

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は4月21日、理事会後の会見で日歯役員選挙改革を検討するための「選挙規則改正特別委員会」を設置し、4月13日の初会合で、委員長に北海道歯科医師会の永山一行会長に決めたと発表した。委員は、全国10地区の日歯代議員20人で構成する。また13日の会合では小委員会を設置することが了承された。小委員会は5月中旬までに、日歯会長選挙の在り方について、選挙人を500人程度増やすことや選挙人の選出方法などについて検討する予定。その後、全体の委員会で5月下旬までに意見集約を行う。

日歯事件‐譽田氏弁護側が反対尋問

中医協贈収賄事件で起訴されている前中医協委員で前福島県歯科医師会会長の譽田雄一郎氏の公判が4月21日、東京地裁(岡田雄一裁判長)で開かれ、前回検察側の証人として出廷した前健保連副会長の下村健氏に対する弁護側の反対尋問が行われた。次回公判は5月12日午後1時30分から行われる。

日歯裁定審が中間答申‐臼田氏らに謝意表明を希望

「会員の戒告または除名」等を審議する日本歯科医師会の裁定審議会(宇治壽康委員長)は、中医協を巡る贈賄事件などの不祥事を引き起こした前執行部の一部役員らに対する3回の審議経過での「中間答申」を井堂孝純会長に提出。「退会届」が提出されている臼田貞夫前会長と内田裕丈前常務理事の両人については、退会届の提出が社会的な責務を果たしたことにはならないと指摘、社会ならびに国民、会員に「心から深甚な謝罪の意」を表すことを強く希望している。