日本歯科新聞 | 2005年5月17日付
混合診療問題で先進医療会議が初会合
混合診療にかかわる問題で厚労省は5月9日、初の先進医療専門家会議(座長・猿田亨男慶應義塾常任理事)を開いた。同会議は、高度先進医療とは別に保険外で高度でない先進医療の混合診療の導入を検討することを目的に設置されたもの。初会合では、今後の会合の運営方法などについて意見交換し、混合診療の対象となる先進医療技術の受付を7月から開始することを確認した。
厚労省が歯科医師臨床研修必修化で意見募集
厚労省医政局歯科保健課は5月9日、平成18年4月から実施する歯科医師臨床研修必修化に伴う研修施設の指定基準や指定手続きなどの省令を定め通知するためのパブリックコメントの募集を始めた。コメントの募集は5月23日までで、同省では、寄せられた意見も踏まえて6月上旬には省令を定め通知したいとしている。募集内容としては、医道審議会歯科医師分科会歯科医師臨床研修部会の意見を踏まえて厚労省が作成した「歯科医師臨床研修施設の指定基準等案」「歯科医師臨床研修施設の指定手続き等案」についての意見。
保団連が厚労省に混合診療で撤回要請
全国保険医団体連合会の診療報酬改善対策委員会(医科委員長=入宇田能順氏、歯科委員長=池潤氏)は5月12日、厚労省が提案、発言した混合診療の導入を前提とした「制限回数を超える医療行為の論点整理」の検討について尾辻秀久厚労相や同省幹部に対し、撤回を求める要請を提出した。
桑田氏の「ラッド賞」受賞祝う会
愛歯技工専門学校校長でボストン大学歯学部客員教授の桑田正博氏の「ラッド賞」受賞を祝う会が5月8日、東京・九段下のホテルグランドパレスで開かれた。世界的な賞の記念すべき第1回目の受賞者に日本人として選ばれたということで300人以上の歯科関係者が出席、同氏の受賞を祝った。「ラッド賞」は昨年、アメリカ補綴学会と国際的な学会誌「JPD」が創設した。桑田氏の受賞理由は多年にわたる歯科医師と歯科技工士および歯科衛生士によるチーム医療の世界的推進活動と人類のための歯科医療となり得る歯学教育への貢献が評価された。
支払基金17年1月分‐歯科金額で1.9%減
社会保険診療報酬支払基金がまとめた平成17年1月の診療報酬確定状況は、件数が6,559万5千件、金額8,190億2,100万円となり、対前年同月比は総計で0.8%、1.4%それぞれ減少した。歯科は件数810万3千件、金額742億4,300万円で、対前年同月比は件数で1.8%増加したが、金額は1.9%減少した。
中医協在り方有識者会議で歯科委員枠の見直しを提言
日歯の贈賄事件をきっかけに設置された「中医協の在り方に関する有識者会議」(座長・大森政輔元内閣法制局長官)の会合が5月10日夜に開かれ、委員構成について「医療費ベースで決めるべきではないか」との意見が出され、歯科代表委員枠の見直しが指摘された。現在、歯科代表委員は2人で薬剤師代表は1人だが、医療費ベースでは数年前から調剤が歯科を上回っている。歯科代表委員が1人になる可能性もあり、日本歯科医師会などの反発は必至の情勢だ。
日歯事件‐譽田氏が事件関与を完全否定
中医協贈収賄事件で起訴されている前中医協委員で前福島県歯科医師会会長の譽田雄一郎氏の公判が5月12日、東京地裁(岡田雄一裁判長)で開かれ、譽田氏は前支払側委員の下村健、加藤勝敏の両氏に金品を渡した事実について「漬物程度のものだと思い、中身は知らないし、平井泰行氏らから聞かされてもいない」と事件への関与を完全否定した。弁護側は冒頭陳述で、譽田氏の人柄について「福島県歯会長時代に不正の起こりにくい会長直接選挙を導入するなど曲がったことや不正を許さない性格の持ち主」とした。また、同じ中医協委員の平井泰行氏との関係について、深い話をする間柄ではなかったことを述べ、譽田氏には相談されずに事件が進められていたことを強調した。