日歯会長選挙で井堂執行部が方針「選挙人を650人程度に」

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は5月26日の理事会後に会見を開き、会長選挙の見直しについて、「選挙規則改正特別委員会」の取りまとめた案を基に、選挙人を日歯代議員140人を含め約650人に増やして選挙する方針を発表した。選挙人の選出方法は各都道府県歯に委ねる方針で、執行部は6月30日に臨時代議員会を開き、選挙規約一部改正の議案を上程する。選挙人は、会員100人当たり1人とする。ただし、日歯代議員も選挙権を有しているため事実上、日歯代議員140人、選挙人510人程度で行うというもの。投票は、郵送方式で有効投票総数の25%を獲得した候補者が当選となる。ただ、25%に達しない場合は選挙人で再度、上位2人の決選投票する。決選投票の可能性も考慮し、選挙の実施は3月より前倒しで行う方針。そのため、執行部では各都道府県歯で10月くらいまでに選挙人を選出してもらいたい意向を示した。

日歯連盟事件‐臼田前会長に懲役3年 執行猶予5年

中医協贈賄、業務上横領、政治資金規正法違反で起訴されていた前日本歯科医師会会長の臼田貞夫氏の判決公判が5月31日午前10時から東京地裁で開かれ、岡田雄一裁判長は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。判決理由で岡田裁判長は中医協支払側委員への贈賄について「審議の公平さを欠くだけでなく、国民の信頼を失墜させたものだ。国民の医療に対する関心が高まる中で思惑通りに改定が実現したわけで非難は免れない」と述べた。また、日歯会長選挙に日歯連盟資金3千万円を横領したことについては「公益用途とはかけ離れた目的で横領し、犯行の手口は計画的かつ巧妙で、同窓会単位で買収行為が行われていた背景を考慮しても非難は免れない」とした。井堂孝純日歯会長コメント 「極めて厳しい判決となりました。深く受け止め、今後二度と不祥事を起さないことを誓い、公正、清廉を旨とし、より一層公益法人・日本歯科医師会の社会的役割を果たして参ります」と発表した。

日歯が5月31日に「禁煙宣言」

日本歯科医師会は5月26日の会見で、WHOが定める5月31日の世界禁煙デーに「禁煙宣言」を行うと発表した。代議員会などではこれまで度々禁煙宣言を行うよう要望が出されてきた。宣言では、たばこの使用の中止及びたばこへの依存の適切な治療をすすめることは保健医療専門職として基本的な役割とした上で、口腔領域は喫煙の悪影響と禁煙の効果を直接確認することが容易であり、「歯科保健医療専門職による喫煙対策の推進は国民の健康に大きく貢献できる」とした。

全国で歯科大・歯学部の禁煙化進む

全国歯科大学・歯学部の禁煙化が進んでいる。歯科禁煙問題研究会(SKMK)がまとめた「全国29歯科大学・歯学部における禁煙・分煙状況」の第2回アンケート調査によると、前回(04年3月)調査に比べ学内での完全禁煙の割合がキャンパス(屋外)で3%から7%、食堂ではその他を除くと79%が96%など全体的にアップしている。第2回調査は今年4月に実施、前回同様にアンケート用紙を郵送、FAXでの回答を依頼した。全29歯科大学・歯学部から回答があった。

日歯が個人情報保護法で方針まとめる

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は、4月1日の個人情報保護法の全面的施行に伴う「会の方針」を5月26日の第2回理事会で決定した。方針は法令等の遵守、収集、利用目的、第三者提供、管理など8項目からなっている。また、同法に基づく会員の個人情報の利用目的については次の五つに限るとした。?各種連絡、会誌・広報等の発送等?会の目的達成のために各種事業を行う場合?会員の福利厚生のための日歯福祉共済、日歯年金、公的年金等への提供?会の業務を委託する場合の委託先への提供?会の監査等の管理運営上必要な外部機関等への提供。

診療記録開示取り違え問題で阪大歯附属病院が事実認め謝罪

大阪大学歯学部附属病院(大阪府吹田市、恵比寿繁之病院長)は5月24日、診療記録開示を取り違えた問題で会見を開き、事実を認めるとともに謝罪した。また、再発防止の策を講じ、個人情報の適正な管理について全職員への周知、徹底を図るとした。同問題は元患者の男性からの請求を受けて、病院が5月18日に開示した診療情報857枚について、5月23日に診療情報請求者から文書で、本人以外の診療情報が紛れ込んでいるとの連絡があった。交付したカルテなどのコピーの確認をしたところ、他の患者の診療情報335枚(330人分)が含まれていた。

日医がリピーター医師ら対象に研修会

療事故を繰り返す「リピーター医師」に対して日本医師会(植松治雄会長)は5月24日の会見で、リピーター医師や病院管理者などを対象に医療事故防止研修会の実施を発表した。研修会は年1回程度を予定しており、今年度は7月末に予定している。会見で寺岡暉副会長は研修会の趣旨について「医療安全セミナーなど実施してきたが、改善されているとは言いがたい」とした上で「医療事故を繰り返す構造を自ら正す必要があり、目標は安全システムの改善と質の向上」と説明した。

日歯が倫理綱領を作成

日本歯科医師会は5月26日、既存の「日本歯科医師会倫理規範」を基に「歯科医師の倫理綱領」を作成し、発表した。倫理綱領は、日歯事件を契機に会員の自覚を促す意味も含め作成されたもので?専門職として歯科医学と歯科医療の発展のために尽くし、医療倫理の実践に努める?専門職であることを念頭に、法を遵守し適切な説明を行い、常に愛情を持って患者のために社会的使命を果たすように努める?自己の知識、技術、経験を社会のために提供し、社会福祉及び国民の健康向上のために努めるとの3本柱から成り立っている。具体的にはかかりつけ歯科医、社会人としての法の遵守などについて明記されている。

患者の容態変化で診療中「ヒヤッとした」7割‐神奈川県歯が調査

神奈川県歯科医師会(大森一昌会長)が、昨年11月の「救急医療講習会(救急蘇生法)」で実施した受講者アンケートで受講者の多くが、診療中に患者の様態変化にヒヤッとした経験があることが分かった。診療中に患者の様態が変わりヒヤッとした経験については「ある」が7割近くを占めた。様態が変わった時では、約5割が「局所麻酔時」と答え、「待合室で」との回答も1割を超えた。

2025年度の国民医療費が2倍以上の70兆円に‐厚労省が試算

2025年度の国民医療費は69兆円で現在の32.1兆円の2倍以上になることが厚労省の試算で分かった。これは5月25日の社会保障審議会医療保険部会に提示したもので、過去の医療費の伸びや将来人口推計などを基に算出。試算によると10年度の国民医療費は41兆円、25年度には69兆円に達するとし、うち老人医療費は10年度が15兆円、25年度が34兆円になると計算した。