バージャー病と歯周病の関係が東京医科歯科大の研究で明らかに

手足の血管が詰まり悪化すると切断にいたる原因不明の難病「バージャー病」が歯周病と関連することが、東京医科歯科大学(鈴木章夫学長)の研究で明らかになった。6月27日、都内の会見で明かしたもので、米・血管外科専門誌「Journal of Vascular Surgery」7月号に発表した。バージャー病(ビュルガー病)は閉塞性血栓血管炎(TAO)とも呼ばれ、国の特定疾患にも指定された難病。病状は手足の指などのしびれや疼痛に始まり、重度化すると患部が潰瘍・壊死し、大規模な切除に至る場合もある。

広島県歯が「こども110番の歯科医院制度」立ち上げ

広島県歯科医師会(本山栄荘会長)は犯罪などの緊急時に子どもを歯科医院で保護し、警察への通報などを行う「こども110番の歯科医院制度」を立ち上げた。全会員が対象で、各医院に目印となるステッカーを配布。目立つところに張り出してもらう。ステッカーは子どもに親しみやすいようにパトカーに乗った「犬のお巡りさん」が描かれている。

日歯会員数増加は過去10年で最低

日本歯科医師会の平成16年度末(17年3月末)現在の会員数は6万4,938人で前年同月に比べ150人増えた。増加数は過去10年間で最低。会員の平均年齢は54歳1カ月で、前年同月比よりも0.6カ月伸びて過去最高となった。

厚労省が歯科技工士国家試験で統一試験時期明言せず

歯科技工士国家試験の統一試験の実施時期について厚労省は、「具体的に期限がいつまでかの考えを示すことはできない」とした。民主党の尾立源幸参院議員が6月20日に扇千景参院議長に提出した質問に答えたもの。尾立議員は歯科技工士国家試験の役割について、歯科医療を支える歯科技工士の適正確保と資質向上のためには「大きなものがある」と訴えた。その上で、「歯科技工士の養成の在り方に関する検討会」が、平成13年に取りまとめた「意見書」で同国試の統一試験の実施時期を「当分の間」としている問題について、その具体的な期限を示すよう求めた。

相模原歯が厚労省検討会にHIV対策で歯科診療の課題報告

歯科医師の約3割がHIV感染者の歯科治療を「原則断る」としていることが厚労省研究班の調査で明らかになるなど、HIV感染者に対する歯科医師の姿勢が問われている。全国で唯一エイズ患者に対する歯科診療推進事業を実施した神奈川県相模原歯科医師会(河原武彦会長)は5月、厚労省が開いた「第6回後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針見直し検討会」で、HIV感染者の歯科診療推進の課題を提示した。

歯科の高いニーズ浮き彫り‐岩手県歯などが県民調査

歯の痛みや歯肉の腫れ、出血などがこの1年間にあった人は46%。また回答者の約半数が歯科医院での受診経験を持つ。岩手県歯科医師会(箱崎守男会長)が県及び県国民健康保険団体連合会とともに実施した「お口の健康に関するアンケート」で、義歯も含め良く噛めることが豊かな食生活を送ることにつながる、口腔の健康に関する情報を得る手段としてテレビ、新聞などのほかに、歯科医院で直接話を聞きたいなど県民の歯科治療に対するニーズの高さを浮き彫りにする結果が発表された。

05年度職業信頼度調査で歯科医師の低下傾向続く

職業信頼度調査の05年度結果が日本リテイル研究所から発表された。歯科医師は12位と、昨年度13位から順位を上げたものの、信頼度のポイント(「非常に高い」と「高い」と答えた人の構成比)は6ポイント減り、減少傾向が続いている。

歯科で行う骨粗鬆症スクリーニング、広大で世界基準目指し国際協同研究始動

歯科で広く使われるパノラマX線写真を利用した骨粗鬆症スクリーニングを、より国際的に確立されたものにするため、広島大学を中心に17カ国が参加する国際共同研究が始まった。プロジェクトは「OSPD(Osteoporosis Screening Project In Dentistry)」。17カ国43施設、61人の研究者が参加し、パノラマX線写真による骨粗鬆症スクリーニング能力の各国の現状を明らかにし、その能力に影響する因子などを探る。参加国は欧米始め、アジアや中東など広範にわたる。

認知症進行で口腔状態悪化‐日衛調べ

認知症高齢者は認知機能の低下とともに口腔清掃状態が悪化し、発熱などの全身症状を発現しやすいことが、日本歯科衛生士会(金澤紀子会長)の実態調査で明らかになった。また、2回の調査で、認知機能の低下した高齢者は口腔清掃状態も悪化しており、ある程度の介護が必要になった時点で、継続的な口腔ケアの介入が必要となることも示された。

第153回日歯臨時代議員会で「役員選挙規則改正」が可決

代議員、選挙人併せて約650人で会長選挙するなどを柱とした「日本歯科医師会選挙規則の一部改正」について日歯(井堂孝純会長)は6月30日、第153回臨時代議員会を開き、出席代議員140人のうち賛成114人で、執行部の議案提出通り可決した。新たな選挙方式は平成18年3月の選挙から実施する。議案は、今年3月の代議員会で設置が了承された「選挙規則改正特別委員会」がまとめた報告書を基に上程した。

日歯が平成18年度予算・制度・税制要望書で診療報酬引き上げ明記

日本歯科医師会は6月23日、平成18年度の「予算及び制度等に関する要望書」「税制改正に関する要望書」を発表した。予算・制度関係で歯科診療報酬について、平成15年医療経済実態調査による個人診療所収支差額3.8%の落ち込みを強調し、「歯科医業経営の現状は医業の継続を困難にしかねない」と診療報酬の引き上げを要望した。また、18年度から実施される卒後臨床研修必修化については、受け入れ施設の充実と指導歯科医の適正な処遇が必要とし、協力型臨床研修施設への補助金などを含めた予算の増額を求めた。

医療技術分科会が制限回数を超える医療行為で混合診療28項目が適当と報告

制限回数を超える医療行為の保険給付との併用について検討してきた「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」(吉田英機会長)は、6月29日に開かれた中医協基本問題小委員会に腫瘍マーカー、摂食機能療法など28項目について保険給付との併用を認めることが適当とする報告書を提出した。

保団連が診療報酬7%引き上げ要求

制限回数を超える医療行為の保険給付との併用について検討してきた「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」(吉田英機会長)は、6月29日に開かれた中医協基本問題小委員会に腫瘍マーカー、摂食機能療法など28項目について保険給付との併用を認めることが適当とする報告書を提出した。

日歯事件‐譽田氏が起訴事実を否認

中医協贈収賄事件で起訴された前中医協委員で前福島県歯科医師会会長の譽田雄一郎氏の公判が6月29日、東京地裁(岡田雄一裁判長)で開かれた。被告人質問で譽田氏は事件の争点になっている支払側委員だった前健保連副会長の下村健氏や連合副会長への贈賄について「御車代」が渡っていた事実は認めたが、「金額は常識の範囲内だと思っていた」「具体的な金額は知らされていなかった」とこれまで通り贈賄事実を否認した。