平成16年医療施設調査・病院報告で歯科診療所6万6,557施設

歯科診療所数の増加傾向が依然続いている。厚労省が10月6日に発表した「平成16年医療施設(動態)調査・病院報告」で歯科診療所数は6万6,557施設で対前年に比べ729施設、1.1%増加となった。ここ20年で2万2,631施設、51%増加した。

モリタ名誉会長の森田福男氏が死去

歯科総合商社モリタの取締役名誉会長で、社団法人日本歯科商工協会の初代会長として歯科器材流通の発展に尽力した森田福男(もりた・ふくお)氏は10月4日、細菌性腹膜炎のため京都市内の病院で死去した。83歳。

全国国立大学法人歯学部附属病院歯科技工士協議会がアスベスト完全除去で協議

中皮腫患者の深刻な実態が明らかになり、国の最優先課題の一つになっているアスベスト(石綿)問題について、全国国立大学法人歯学部附属病院歯科技工士協議会(大澤孝会長)は、9月16、17の両日に開いた会議並びに研修会で話し合った。東京都目黒区内の同研修会には、全国11国立大学法人歯学部附属病院技工室(または部)の代表者が参加した。アスベストは歯科技工器材にも使われていたことから、健康への影響が懸念される職員も多く、今でも技工室に存在するケースも聞かれることから、協議会では技工室からの完全除去に向けて取り組むことが確認された。

歯科医院コンサDPSが「咀嚼とMFT」でセミナー

歯科医院経営コンサルタント企業、DPS(齋藤忠代表)の予防未病セミナー「咀嚼とMFT」が9月18日、羽田空港ビル内のギャラクシーホールで開かれた。歯科衛生士で、昭和大学歯科病院口腔リハビリテーション科に所属する石野由美子氏は、歯科臨床でのMFT(口腔筋機能療法)の活用や評価法、さらに正常、異常な摂食・嚥下のプロセスなどについて説明した。そして、ガムを用いた咀嚼・嚥下訓練や自身の舌を使って表情筋を動かすフェイスニングでは参加者全員がその効果を確認した。

近北地区歯役員協で岡大阪府歯会長が井堂日歯会長発言の真意質す

大阪府歯科医師会の岡恭邦会長は10月2日、福井市内で開かれた平成17年度近畿北陸地区歯科医師会役員連絡協議会で「三師会との共闘が崩れかねない」との考えを示した。これは日本歯科医師会の井堂孝純会長が次期診療報酬改定に絡み「医療費の増大がターミナルケアなどに原因があり、歯科は関係ない」と発言したことでの真意を求めたもの。

経済財政諮問会議で診療報酬本体引き下げ提言

政府が10月4日に開いた経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)で、民間議員(牛尾治朗、奥田碩、本間正明、吉川洋の4氏)は次期診療報酬改定について、厳しい経済状況、国民の負担軽減などを踏まえ、「薬価を含めた診療報酬本体の大幅な引き下げを行うべき」との考えを示した。具体的な数値は明言していないが、5%前後のマイナス改定を検討しているとみられる。また、医療費抑制策では、名目国内総生産(GDP)の成長率に高齢化などを考慮した指標を用いる案を再び提示した。尾辻厚労相は「医療の特殊な要因にも考慮する必要がある」と難色を示した。

日医代議員会で植松会長が医療費抑制策に猛反発

日本医師会の植松治雄会長は、政府が進める医療制度改革について「本来の医療改革は安全で質の高い医療を効率的に提供するのかということを検討すべきだが、財政主導で議論されている」と政府の対応を批判した。10月2日に開かれた代議員会の所信表明で発言したもので、診療報酬改定マイナス2~5%の引き下げの方針を政府が検討していることについては、「医療の安全と質の向上が重要でマイナス改定ならば医療はもたない。プラス改定に向け努力する」と述べた。さらに来年3月の任期満了となる会長職については、事実上の続投宣言を行った。