1医療機関当たり月平均16万5千点‐医療保険業務研究協会調べ

医療保険業務研究協会が平成16年度診療分(16年3月~17年2月)として、支払基金に請求の医療機関を対象にまとめた「経営主体別診療状況」で、歯科の1医療機関当たり診療点数は月平均16万5千点と前年度に比べ4千点、7年前の平成9年5月との比較では5万7千点の減となっている。診療報酬の請求のあった月平均の歯科診療所数は6万7,170軒で、内訳は病院1,563軒、診療所6万5,607軒。診療所のうち個人は5万5,806軒で83.1%を占める。全体の歯科医療機関数は平成4年5月の5万5,246軒が12年間で約1万2千軒、率にして21.6%増えた。

高度でない先進医療技術で歯科の届出1件

高度でない先進医療技術の9月受付分について、厚労省は10月7日の先進医療専門家会議(座長・猿田亨男慶應義塾大学医学部名誉教授)に報告した。歯科からは難治性の慢性根尖性歯周炎で行う「歯科用小照射X線CT及び歯科用実態顕微鏡を用いた根尖周囲外科手術のための検査」の届出があった。

医療構造改革特別推進本部が医療費適正化で初会合

国民のQOLを確保し、医療の効率化、医療費適正化などの推進を目的に厚労省が設置した「医療構造改革特別推進本部」の初会合が10月19日、開かれた。推進本部は、尾辻厚労相を本部長とし、医政局長、健康局長、老健局長、保険局長などの他、全国の厚生局長から構成されている。尾辻厚労相は冒頭のあいさつで「国民の生活や意識の変化など大きな環境変化に直面しており、今後の経済の動向に留意しつつ、国民皆保険制度を堅持する」とした。

医療事故調査会が10年間のデータを検証「医学的過誤が7割」

医療事故調査会(事務局=大阪府八尾市)は発足から10年間(95年4月~05年3月末)の依頼件数の鑑定内容について、鑑定ケースの約74%は医学的な過誤によるもので、過誤判定例の62%が「死亡ケース」との分析結果をまとめた。

21世紀COEプログラムの中間評価で東医歯大「A」阪大歯「B」

「21世紀COEプログラム」の15年度採択分中間評価結果が発表された。歯科関係では東京医科歯科大学と大阪大学が採択されているが、その評価が分かれている。同プログラムは世界最高水準の研究教育拠点を作り、日本の研究レベルを向上させようと、文部科学省が大学等の研究機関に巨額の助成を行うもの。

医療機関広報の在り方でフォーラム「都のガイドライン等説明」

「広報力が患者や地域との信頼を築く経営力に」をテーマに、第4回医療機関広報フォーラム(主催・日本広報協会)が10月13日、日本看護協会JANホール(東京都渋谷区)で開かれた。病院関係者70人余りが全国から参加した。後援は厚生労働省。都福祉保健局医療政策部副参事の村田由佳氏が「医療機関による医療情報の『広報』に関するガイドライン」で話し、広告規制の対象外で「広報」に該当するホームページの取り扱いなども含め、都が3月に定めたガイドラインの内容を詳しく説明した。

日歯が厚労省の医療構造改革試案で見解「国民に大きな不安」

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は10月19日付で、厚労省の医療構造改革試案について、患者に負担増を強いる医療費抑制の施策に過ぎず、国民に大きな不安を抱かせるとする見解を文書で発表した。また井堂会長は10月22日、愛媛県松山市内で開かれた四国地区役員連絡協議会で試案について、「患者負担増を図ることで、老人医療費を抑制しようとしているのが見え隠れしている」と不満の意を示した。日歯は見解で「国民の生命と健康を支え、安心できる生活を保障するという社会保障の理念が欠落している」と批判した。その上で「最優先されるべきことは患者の利益享受」とするとともに「自然治癒のない歯科疾患においては、患者に負担増を強いることは受診機会を抑制し、疾病の重篤化に繋がる」と反対の姿勢を示した。

厚労省が医療構造改革で試案公表

厚労省は10月19日、都道府県別医療費適正化計画の導入、75歳以上の高齢者医療制度の創設、診療報酬体系の見直しなど柱とした「医療制度構造改革試案」を発表した。試案は厚労省が医療費抑制策を検討してきた総まとめ的なもので、現行制度での平成37年の医療費56兆円が49兆円(診療報酬改定はゼロベースで計算)と、7兆円の医療費抑制を見込んでいる。また、中医協改革では、平成18年10月までに診療側、支払側、公益側の委員数を同数程度にする文言も明記された。同省は12月までに成案を得て、来年度の通常国会に関連する改正法案を提出したい考えだ。

厚労省試案に対する各団体の反応

厚労省の医療構造改革試案が発表された10月19日、日本医師会(植松治雄会長)と健康保険組合連合会(福岡道生会長)は、厚労省内の記者クラブで相次いで会見を開いた。日医は「医療制度抑制策ばかりで不満」、健保連は「一部評価できるものもある」としながらも「問題点も多く容認できない」とするとともに平成18年度診療報酬改定についても触れ、「マイナス3%程度の改定が必要」と主張した。

日歯連事件で橋本元首相が証言「1億円は事実と思う」

日本歯科医師連盟から自民党橋本派「平成研究会」への1億円献金事件で政治資金規正法違反(不記載)として起訴されている村岡兼造元官房長官の公判が10月11日、東京地裁(川口政明裁判長)で開かれ、橋本龍太郎元首相が弁護側証人として出廷した。橋本氏は01年7月の日歯連盟からの1億円献金の授受について「記憶がない」としながらも「日程票など確認すると受け取ったことは事実だと思う」とした。