厚労省最終報告で「アスベスト」暴露の恐れ324病院

肺がん、悪性中皮腫など健康への影響が問題となっているアスベストの病院、社会福祉施設などの公共施設の使用実態についての最終調査報告書を厚労省が11月29日、公表した。平成8年度以前に建てられた大学病院を除く全病院について調べた。対象となった病院数7,805のうちアスベスト使用状況の有無が判明したのは6,976病院で、吹付けアスベストなどがあるのは2,051病院で、措置済1,202病院、石綿などの粉じんの飛散により暴露の恐れのないのは928病院、暴露の恐れのある場所を有するのは324病院だった。

日歯改革検討委員会が広報活動充実求める最終答申

国民にとって望ましい歯科医療とその実現に向けた取り組みを検討していた日歯改革検討委員会(水野肇委員長)は11月28日、歯科医師や日歯が取り組むべき課題、さらに日歯に対して広報活動の充実を求める最終答申をまとめ井堂孝純会長に提出した。同委員会は日歯の一連の不祥事を契機に設立され、第一次答申では「日歯再生」での改革すべき点として外部監査の導入や会長選挙の変更、日歯連盟との峻別の実現を求めた。

全国歯科大学同窓会・校友会懇話会で組織離れの対応協議

第52回全国歯科大学同窓・校友会懇話会が11月19日、福島県郡山市のホテルハマツで開催された。当番校を代表してあいさつした奥羽大学歯学部同窓会の岡伸二会長は、来年4月に施行される歯科臨床研修医制度について「各研修施設は準備を行っている。今まで学生の間は大学で、卒業後は同窓会・校友会で面倒見ていたごく自然な関係も、これからは臨床研修医制度を機に、在学中から同窓会・校友会が積極的に関与していくという状況になる」と述べた。

医療の質・安全学会が設立記念シンポ

医療事故などを減らし、医療の質と安全の確保を目指す「医療の質・安全学会」(理事長・高久史麿自治医科大学学長)の設立記念シンポジウムが11月26日、東京都千代田区の経団連ホールで開かれた。同学会は医学の枠組みを超え、様々な視座と幅広い英知を集めた複合的な研究を進め、実際の医療に役立つ取り組みを推進するのが目的。

支払基金7月分で件数2.1%増

社会保険診療報酬支払基金がまとめた平成17年7月診療分の総計確定件数は6,803万1千件、金額8,538億4,900万円となり対前年同月比、件数で2.1%、金額で0.7%伸びた。歯科は件数890万件、金額845億7千万円で、件数、金額ともにそれぞれ0.8%、3.2%の減少。

国保7月分介護費で件数費用ともに増加傾向

国保中央会の「介護費等の動向」による平成17年7月サービス提供分は、件数813万件、介護費5,573億円、保険給付額4,958億円となり前年同月比で件数7.3%、介護費と保険給付額はそれぞれ6.3%増加した。件数は5月以来800万件を超えている。

再生歯科フォーラム‐再生治療早期実現で2組織

再生歯科医療の実現に向け臨床家を中心に技術研鑽と知識習得に取り組む「再生歯科フォーラム」の上田実会長は、11月20日の第4回再生歯科シンポジウムで、近くフォーラム内に2組織を立ち上げ、再生歯科医療について歯科医師の具体的な技術習得に取り組む考えのあることを明らかにした。

メインテナンスで国際シンポジウム

国際水準のメインテナンス機能を持つ歯科医院を全国に広げ、さらに世界に向けて発信できるような歯科医療環境を構築することを目的とした国際シンポジウム「メインテナンス・ルネッサンス」(主催オーラルケア、共催医歯薬出版)が11月12、13日の両日、東京都内で開催され、多数の参加者が出席した。

東京・玉川歯が診療所単位で口腔がん検診

市民対象の口腔がん検診が各地で行われる中、東京都世田谷区の玉川歯科医師会(浅野紀元会長)は会員の診療所単位で検診を実施する「口腔ガン検診キャンペーン」を行っている。口腔がん検診の多くが一定期間、指定の場所のみで行う中、会員を教育し、通年地域住民を受け入れる取り組みは珍しい。より身近な歯科医院で行うことで、検診を通じ、地域住民の口腔や歯科に対する意識を高める狙い。

診療報酬改定で「か初診」抜本的な見直しへ

厚労省は11月30日、中医協診療報酬基本問題小委員会にかかりつけ歯科医初再診料の抜本的な見直し、診療報酬上で評価されている治療計画・指導管理料などを統廃合した上で、総合的な治療管理体系に再構築するなどを柱とした平成18年度歯科診療報酬改定検討項目を提示した。また、歯科臨床研修必修化や小児歯科診療における休日夜間救急などについても評価する考えを示した。

医療制度改革大綱で診療報酬引き下げ

政府・与党の「医療改革協議会」は12月1日、平成18年度診療報酬改定を「引き下げの方向で検討、措置する」、中医協の診療側・支払側委員をそれぞれ1人削減、委員の団体推薦の廃止などを盛り込んだ「医療制度改革大綱」をまとめた。政府と与党が診療報酬の引き下げを決定したことで、今後は引き下げ幅が焦点となる。年末の政府の予算編成までぎりぎりの調整するが、大幅な引き下げは避けられない状況。中医協の診療側委員のこれまでの議論を踏まえると歯科代表委員が1人削減される可能性が高い。

中医協が診療報酬改定での審議経過了承

中医協は11月30日の総会で、平成18年度診療報酬改定の審議経過報告をまとめ、川崎二郎厚労相に提出した。審議経過報告で18年度改定の在り方について、国民皆保険制度の堅持は不可欠という基本認識は診療側、支払側ともに共通認識としながらも、診療側は、良質かつ適切な医療を安定的に提供する体制を維持するには、医業経営基盤の安定が不可欠で診療報酬財源として少なくとも3%以上の引き上げが必要とした。

日歯が診療報酬改定で要望書

日本歯科医師会(井堂孝純会長)は、平成18年度診療報酬改定についての要望書を11月29日、川崎二郎厚生労働大臣に提出した。歯科診療報酬改定の状況について、前々回(14年度)がマイナス、前回(16年度)はゼロ改定だったと指摘、「歯科医業経営は危機的状況に陥っている」とし、歯科医療サービスの質的低下は避けられないと訴えている。

社保審医療保険部会で診療報酬改定の基本方針まとまる

厚労省の社会保障審議会医療保険部会(星野進保会長)は11月25日、平成18年度診療報酬改定について「保険財政の状況、物価・賃金のマクロ経済指標の動向、全国の医療機関の収支状況を踏まえて行うべき」との基本方針を取りまとめた。