日本歯科新聞 | 2006年6月6日付
「8020達成者」初の2割超え(厚労省・17年歯科疾患実態調査)
6月4日からの「歯の衛生週間」に合わせ厚労省が発表した平成17年歯科疾患実態調査結果(概要)で、80歳で20本以上自分の歯を保有する割合が6年前の前回調査に比べ8.1%伸びて、同調査開始以来、初めて20%を超えていることが分かった。歯科医師会や厚労省が提唱する「8020運動」が国民に確実に定着しつつあることをうかがわせる。ただし、歯周病については65歳以上に4ミリ以上の歯周ポケットを持つ者が増加している。詳細は夏以降に発表予定。
18年度改定通知で大久保会長が「日歯に相談ないもの認めない」と発言
日歯の大久保満男会長は、18年度歯科診療報酬改定に伴う厚労省の通知、通達について、「歯科医療の現場を預かる我々に相談がないものは認めない」との考えを改めて示した。5月30日の会見の記者の質問に答えたもので、中国地区歯役員連絡協議会で林伸伍鳥取県歯会長が「通知、通達には拘束力がない」と発言したことに対し、大久保会長が「その通り」とのニュアンスの発言があったというもの。
「新しい歯科医療技術の予測に関するアンケート調査」の結果報告される
新たな歯科医療需要として伸びが期待されるのは予防、インプラントで、小児、保存修復、補綴が減少する―との調査結果が発表された。平成17年度厚生労働科学研究・新たな歯科医療需要等の予測に関する総合的研究(主任研究者=宮武光吉・口腔保健協会理事)の分担研究「新しい歯科医療技術の予測に関するアンケート調査」(担当=渡邊達夫・岡山大学大学院教授)としてまとめたもの。
都歯が義援金送付を決定(ジャワ島中部地震)
東京都歯科医師会(田中秀夫会長)は6月1日の理事会で、ジャワ島中部地震に伴う義援金募金を決定し、地区歯科医師会会長宛に文書を送付した。義援金は、各地区ごとに取りまとめ、6月15日までに、指定の口座に振り込む。
日医がジャワ島中部地震で全国医師会に義援金呼びかける
インドネシア・ジャワ島で5月27日に起きたマグニチュード6.3の地震で、日本医師会(唐澤祥人会長)は5月30日、都道府県医師会、郡市区医師会に緊急の義援金を呼びかけた。受付期間は6月14日まで。
「8020」達成者と非達成者で医療費に差
80歳で20本の自分の歯を保有する「8020」達成者と非達成者で医科医療費に差があり、疾病分類ごとの平均医科医療費の比較では2倍以上の差がある疾患も見られた。東北大学大学院歯学研究科の渡邊誠教授らの「『8020運動』に基づく歯と健康に関する実態調査事業」によるもので、「精神及び行動の障害」では達成者640円に対し非達成者1,659円と、一千円以上の差である。
日本歯科大学創立100周年記念式典で中原学長が特別講演
日本歯科大学は6月1日、創立100周年記念式典で中原泉学長の特別講演を東京都千代田区の同大富士見ホールで行った。中原学長は、同大の歴史を振り返りながら、特色ある大学づくりが求められていることを述べた。その上で同大の特色について、「世界最大の歯科大学」と「生命歯学部」を挙げた。世界最大の歯科大学の理由については「私立の歯科大学があるのは、アメリカ、韓国、フィリピンだけだ。その他は国立大学で総合大学だ。講座も五つ程度しかない」と話した。
少子化傾向に歯止めかからず-厚労省・平成17年人口動態統計月報年計
平成17年のわが国の出生数は106万2,604人で前年より4万8,117人少なく、5年連続で減少した。厚労省が6月1日に発表した「平成17年人口動態統計月報年計」によるもので、合計特殊出生率(15~49歳の女子の年齢別出生率合計)も前年の1.29を下回り1.25となった死亡数は108万4,012人で、前年より5万5,410人増え、人口千人対の死亡率も8.6と前年の8.2を上回った。死因別の数では、「悪性新生物」32万5,885人、「心疾患」17万3,026人、「脳血管疾患」13万2,799人がトップ3。「自殺」は3万539人で6位、前年よりも197人増えている。
東京・三鷹市歯が市と共催で「食育と健康」テーマにフォーラム
「食育と健康」をテーマに東京都三鷹市と同市歯科医師会(笹川樹会長)は6月3日、市内の三鷹産業プラザで市民フォーラムを開いた。講演では、服部栄養専門学校理事長の服部幸應氏とNPO法人健康情報推進機構理事長の斉藤滋氏(元神奈川歯科大学教授)が食育、食に不可欠な噛むことの大切さを訴えた。
「販売業修理業継続的研修会」開く-日本歯科商工協会東京ブロック
日本歯科商工協会(中尾眞会長)は6月1日、東京ブロックの「販売業修理業継続的研修会」を東京都千代田区の九段会館で開いた。同研修会は、今年から医療機器の販売業、修理業の販売管理者や責任技術者に受講が義務付けられたもの。
18年度改定に早期是正求める声相次ぐ-日歯連盟臨時評議員会
日本歯科医師連盟(永山一行会長)は6月2日、東京・市谷の新歯科医師会館で第98回臨時評議員会を開いた。会務報告後の質疑で、平成18年度歯科診療報酬改定に悲観した会員が自殺したとの報告や厳しさなどを訴える意見が評議員から相次ぎ、執行部に早期是正を求めた。また、協議では次期参院選の対応についても意見交換が行われた。なお、評議員会の新議長には東京の近藤俊文氏、副議長は福岡の永田正典氏に決まった。
大久保日歯会長、18年度改定への連盟の対応について発言
日本歯科医師会の大久保満男会長は6月2日、日歯連盟第98回臨時評議員会の来賓あいさつで平成18年度改定での対応で日歯連盟に対して政治的な交渉を控えるよう申し伝えていたことを明らかにした。その理由について、「厚労省が自主的に対応している間は、政治家が間に入るのではなく、厚労省に出来るだけ早く規制を緩めてもらうことに狙いがあった」と事情を説明した。
日医実施の緊急レセプト調査で「4月分はマイナス5.93%」
平成18年度診療報酬改定の影響を把握するために日本医師会(唐澤祥人会長)が行った緊急レセプト調査(プレ調査)で、4月分の診療所総点数が対前年比でマイナス5.93%になることが分かった。5月30日の定例会見で発表したもので、今後、全国調査を実施した上で、状況次第では再改定を求めていく考えを明らかにした。