日本歯科新聞 | 2006年7月19日付
欠損象牙質を修復材で再生-米国企業が第84回IADRで報告
欠損した象牙質に直接投与することで新たな象牙質が再生できるう蝕修復材「AC-100」が開発され、このほど臨床試験で一定の成果が上ったことが分かった。米国のバイオ医薬企業Acologix(カリフォルニア)が開発に成功したもので、6月28日~7月1日まで、オーストラリアのブリスベンで開かれた第84回国際歯科学(IADR=International Association for Dental Research)で、同社のM.Lazarov氏が臨床第二相試験結果として報告した。また、同大会では第1回IADRアジア太平洋地域会議が併催された。
「金属床総義歯」など選定療養変更なし
厚労省は7月12日、特定療養費制度の廃止に伴って創設された「評価療養」「選定療養」の具体的項目案を中医協診療報酬基本問題小委員会に提示した。歯科関係では「前歯部の材料差額」「金属床総義歯」「小児う蝕治療後の継続管理」が従来どおりの選定療養に組み込まれ、また、インプラント義歯などの高度先進医療は評価療養になる予定。
医科側委員が歯科医含む麻酔業務の見直し提言-厚労省・医療施設体系に関する検討会
厚労省の「医療施設体系に関する検討会」(医政局長の私的検討会)の初会合が7月12日に開かれ、供給過剰傾向にある歯科医師需給問題で、医科側の委員から歯科医師も含めた麻酔業務の在り方の見直しを提言する発言があった。
全国で6万7,379施設-18年4月末・厚労省施設動態調査
厚労省の施設動態調査による平成18年4月末現在の歯科診療所数は全国で6万7,379施設となり、前月より111増えた。開設者別歯科診療所数の個人は前月より34増えて5万7,701施設、医療法人は80増えて9,009施設となっている。
日歯に要望書提出-近北地区歯・連盟合同協
近畿北陸地区歯科医師会、連盟の役員合同連絡協議会が7月8日、富山市の名鉄トヤマホテルで開かれた。協議では国民に良質な歯科医療提供と歯科医療環境改善への最大限の努力を日歯に求める要望書提出の緊急動議を決めた。開催県を代表しあいさつした栗山豊実富山県歯及び連盟会長は、診療報酬改定、医療制度改革関連法案可決など大変な時局と前置きした上で、「歯科医師会任せにしないで会員一人ひとりが危機感を持って対処しなければ乗り越えることができない」と指摘、実りある協議を期待した。
文書提供に対する患者満足度など調査-中医協・診療報酬改定結果検証部会
中医協の診療報酬改定結果検証部会は7月12日、平成18年度改定についての検証方針を了承した。歯科関係では、特別調査で文書提供に対する患者の満足度や事務負担など調べる。また、既存の社会医療診療行為別調査などを基に歯科疾患総合指導料、地域歯科支援病院歯科初診料・再診料、歯科疾患継続管理診断料、機械的歯面清掃の算定状況を把握する。
日医「医療のグランドデザイン」策定へ
日本医師会の中川俊男常任理事は7月4日の定例会見で、10年後の医療、介護などの中期ビジョンを示す「医療のグランドデザイン」を策定する考えを明らかにした。グランドデザインは、医療、介護における需要と供給の将来予測を行いながら、良質で安全な医療と介護のための制度や財源確保の在り方を示すもので、今後、様々な制度改革の議論の際に日医の独自案として活用する。
薬価改定頻度にかかわる議論始まる-中医協
中医協薬価専門部会は7月12日、今後の薬価改定頻度にかかわる議論を始めた。薬価改定は、これまで診療報酬改定と同じく2年に1度実施してきた。しかし、平成18年度薬価制度改革で、改定頻度は検討課題とされ、改定を毎年実施する案が浮上してきた。同省は、早ければ07年度から実施したい考えで、そのためにも論点を整理する意味で医薬品産業界からの意見聴取を提案した。
18年度改定「悪い」96.9%-大阪府歯保険医協調べ
大阪府歯科保険医協会が実施した平成18年度歯科診療報酬改定の影響調査で、改定評価について、「大変悪かった」(80.4%)と「悪かった」(16.5%)を合わせると96.9%が「悪い」と答え、残り3.1%は「どちらとも言えない」で「良かった」との回答がなかったことが分かった。
歯科、件数金額とも増-社会保険診療報酬支払基金18年3月診療分
社会保険診療報酬支払基金による平成18年3月診療分の総計確定件数は7,396万2,000件、金額9,219億9,400万円で前年同月に比べ、件数7.4%、金額3.5%減少した。歯科は928万2,000件、889億1,100万円で、前年同月に比べ件数では4.7%、金額でも2.2%増加し、医療費全体に占める構成割合も前月より件数、金額とも0.2%上がって、件数12.5%、金額は9.6%となった。
児童虐待相談件数が増加-厚労省まとめ
児童相談所での児童虐待相談件数が増加している。厚労省がまとめた平成17年度の相談件数は3万4,451件で、前年度に比べ1,043件、割合で3%伸びている。同件数は平成11年度に初めて1万件を超え、1万1,631件となり、その後も毎年度増加を続け、この7年間で3倍以上に増えている。
2006年中国デンタルショー開催
2006年中国デンタルショー(中国歯科用品商協同組合主催)が7月8、9の両日、広島市の広島県立産業会館で開かれた。100の出展社が最新の歯科医療器材などを展示し、歯科医療関係者ら1,928人が来場した。
「後発医薬品等の薬価基準収載」歯科1品目
厚労省は7月7日、後発医薬品等の薬価基準収載を発表した。歯科は協和新薬のベンゼトニウム塩化物うがい液0.2%(KYS)の1品目。後発医薬品等収載後の歯科用薬剤は37品目となった。
茨城県の「民主党歯科医師会支部」問題で永山日歯連盟会長が見解
茨城県で「民主党歯科医師会支部」が設立された問題で日本歯科医師連盟(永山一行会長)は7月11日、緊急会見を開き、永山会長は「茨城県歯連盟内に職域支部ができたとは認識していない」との考えを述べると同時に「反組織的な活動だ」と茨城県歯連盟の対応を批判。その上で日歯連盟としては政権与党の自民党を支持することを改めて強調した。