日本歯科新聞 | 2009年1月1日付
札幌・患者一部負担無料問題「法律上許されない」-舛添厚労相
札幌市内のNPO法人と歯科医院が提携し、アンケートに回答した対価として患者の窓口一部負担金を無料にしている問題について、舛添要一厚労相は12月16日の閣議後の会見で「調査しているが、医療機関が勝手に(治療費を)ディスカウントすることは、法律上許されない行為で、問題があると思っている」と発言した。
「ルール逸脱してはならない」-大久保日歯会長が見解
日本歯科医師会の大久保満男会長は札幌市内のNPO法人と歯科医院が提携し、アンケートへの回答の対価として患者の窓口一部負担金を無料にしている問題で「一般論から言えば社会保険のルールを逸脱するようなことがあってはならない」との見解を述べた。
返還金額55億5千万円-19年度保険医療機関等の指導・監査状況
平成19年度の保険医療機関等からの返還金額は約55億5千万円と、前年度より2億1千万円増えた。厚労省が12月19日に発表した保険医療機関等に対する「指導及び監査の実施状況(概況)」によるもので、返還金額の内訳は指導分が約23億6千万円、監査分が約31億9千万円。また、保険医療機関等の指定取り消し件数は52件、保険医等の登録取り消しは61人。このうち歯科は27件、37人。
むし歯被患率 高校生は65%-文科省・学校保健統計調査
幼児、児童及び生徒の疾病・異常の中で、むし歯の被患率が最も高いことが12月11日に発表された文部科学省の平成20年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。むし歯の被患率は幼稚園で50.3%、小学校63.8%、中学校56.0%、高等学校65.5%。
海外歯科技工訴訟 控訴審始まる-国「海外委託、違法とは言えず」
国を相手に歯科技工士80人が歯科技工の海外委託の禁止、地位保全を求める訴訟の第1回控訴審が12月17日、東京高等裁判所で開かれた。控訴審では、原告側が11月21日に東京高裁に提出した控訴理由書に対し、国が答弁を書面で行った。原告側の控訴理由書では、歯科技工士の地位について、一審判決は妥当ではないとし「歯科技工業務を独占的に行うことができる利益」と捉えるべきだと主張した。一方、国の答弁書では、歯科技工士の地位について「歯科技工士の業務独占の趣旨は公益的観点のもので、これを超えて個々の歯科技工士に対して個別具体的に業務独占を行うことができる法的地位を保障したものではない」との考えを示した。