インプラント問題で対策組織の設置学会らが検討

国民生活センターの報告書やNHKでの放送などで、インプラント治療で被害を受けたという患者が増加していることが取りざたされている。番組を見た国民からは「『インプラントは歯科医の救世主』、『経営に必要』という歯科医師の言葉にぞっとした」との声も聞かれ、臨床現場や各団体への問い合わせが殺到することも考えられる。歯科界では、日本歯科医師会や日本歯科医学会ら6団体に提出された国民生活センターからの要望書を受けて、昨年12月27日に会合が開かれ、日本歯科医学会を中心とする共同対策組織の立ち上げや相談窓口センター設置の検討が進められている。治療ガイドラインの提示などトラブルを未然に防ぐ方策とともに患者を救済するシステムの構築が急務といえる。

診療報酬 改定骨子を了承-中医協

小宮山厚労相は18日の中医協総会に平成24年度診療報酬改定を諮問した。中医協は、昨年末に政府が決定した改定率プラス0.004%の中で、点数の配分作業を行い、2月中旬をめどに答申する。また、会合では、これまでの議論などを踏まえた診療報酬改定の(現時点の)骨子をまとめた。

世代ごとの目標などを意見交換-口腔保健推進WG

厚労省の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会「歯科口腔保健の推進に関する専門委員会」は第2回ワーキンググループ(WG)を16日に開き、ライフステージ別の方針や目標、計画などについて意見交換し、考え方をまとめた。

乳児期の方針では、授乳・離乳を通じて口腔機能の発達を促し、口腔の健康の維持のための口腔ケアの導入等、目標は口腔機能の発達を理解している保護者の増加等、計画は乳児期後半の歯科健診実施自治体の増加等などを明記すべきとした。

再診料の引き上げ要望-中医協総会で診療側委員

中医協は平成24年度診療報酬改定率プラス0.004%の決定後、初となる総会を13日に開き、点数の貼り付け作業に向けての「現時点の骨子案」について審議した。診療側は骨子案には明記されていない再診料や入院基本料など基本診療料の引き上げを求めた。支払側は、医療機関全体の底上げにつながる点数の引き上げには難色を示した。

骨子案は、社会保障審議会医療保険部会・医療部会がまとめた改定基本方針や中医協の議論などに基づいてまとめたもので医科、歯科ともに初・再診料といった基本診療料にかかわる事項の記載はない。

新規保険収載等優先度高い項目 歯科は14技術

平成24年度診療報酬改定に向け、日本医学会や日本歯科医学会の下部組織などから提案があった医療技術の評価を行う中医協診療報酬調査専門組織の医療技術評価分科会は、新規保険収載などの評価を行う優先度が高いとされた技術が278件(新規技術128件、既に保険収載されている技術だが見直すべきとされた技術150件)あるとする報告書を13日にまとめた。歯科関係では日本口腔外科学会から提案があった下顎骨延長術など14技術。分科会の意見は、1月下旬に開催する中医協に報告され、24年度診療報酬改定に盛り込むか否か慎重に詰める。

医療機関の消費税負担 検証の場を設置へ

政府・与党社会保障改革本部は、消費税を2014年4月から8%、2015年10月から10%の引き上げや医療介護サービス保障の強化などを盛り込んだ「社会保障・税一体改革素案」を6日に決定した。消費税引き上げに伴う医療機関の器材等の仕入れにかかわる税金問題は、診療報酬など医療保険制度で手当てするとし、厚労省内で定期的に検証するとの文言が明記された。現在のところ中医協の下に検討の場を設ける案が有力視されている。政府は今年度中に関係法案を提出したい意向。

う蝕の進行 HAの水素イオンが関与-山口大、東工大ら研究グループが解明

う蝕や骨粗鬆症の進行に、ハイドロキシアパタイト内の水素イオンの動きが大きく影響している可能性を山口大学准教授の藤森宏高氏、東京工業大学教授の八島正知氏らの研究グループが明らかにした。

 藤森氏らは、中性子回折法と粉末エックス線回折法を用いて、歯や骨の形成物質であるハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)の構造を解析。水酸基内(-OH=)で酸素イオンを軸として水素イオンが動き、別の水酸基の酸素イオンへと移動していくことが分かった。

インテリア評価でJID大賞-モリタ福岡支店

モリタの福岡支店ショールーム「デンタルプラザ福岡」が日本インテリアデザイナー協会(JID)の「2012年JIDビエンナーレ」の大賞を受賞した。

JID賞とは、デザイナーや企業の優れた活動成果を表彰して日本のインテリアデザインの質的向上を図り、豊かな社会と文化の発展に寄与することを目的に設けられたデザインコンペで、2年に1回開催されている。