平成24年度介護報酬改定 歯科関係5項目を評価

厚労省の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長・大森彌東大名誉教授)は、平成24年度介護報酬改定を1月25日にとりまとめた。歯科関係は5項目で、口腔機能維持管理加算は、歯科衛生士が介護職員に口腔ケアの技術的な助言等をする「口腔機能維持管理体制加算」(30単位/月)と、施設入所者に口腔ケアを行う「口腔機能維持管理加算」(110単位/月)に分離した。

施設入所者に対し歯科衛生士が直接口腔ケアすることを介護保険で評価したのは初めてで、歯科衛生士の活躍の場がさらに広がることが期待される。実施は4月1日から。

「インプラント義歯」の保険導入が濃厚-中医協で報告

平成24年度診療報酬改定で昭和60年から先進医療に位置付けられている「インプラント義歯」が保険導入される見通しとなった。27日に開かれた中医協総会で厚労省が先進医療専門家会議でインプラント義歯については保険導入すべきとの結論に至ったとする報告に対し、支払側、診療側の双方から反対意見は上がらなかった。

ただ、日本歯科大学教授で中医協専門委員の佐藤田鶴子委員はインプラント義歯について「報道で話題になっているインプラントとは異なり、先進医療としての技術で一定の要件がある。しかし、国民は誤解する可能性があるので、保険導入する場合の要件などを聞きたい」と質問した。

日衛が4月から公益法人に移行

日本歯科衛生士会(金澤紀子会長)は、4月1日付で公益法人に移行する。20日に内閣府の公益認定委員会から認定の答申を受けたもの。同会は、平成22年ごろから本格的に公益法人移行に向けた定款改正や代議員や役員の選挙改革を進めていた。

インプラント治療問題で日歯が文書作成へ

インプラント治療について国民生活センターが日歯らに十分な情報提供などを行うよう求めた問題で、日本歯科医師会の中島信也常務理事は関係団体と連携しながらできるだけ早い時期に日歯主導型の治療計画書などの文書を作成するとの考えを示した。26日の理事会後の定例会見で明らかにしたもの。作成された文書は日歯のホームページ上で公開し、ダウンロードできるようにする。

中島常務理事は「インプラント治療時には、多くの医療機関で独自の情報提供や同意書、手術の承諾書などが使われている」としながらも「すべての医療機関で実施しているわけではない。また、実際に情報提供などを行っていても患者や家族などの理解が不十分な場合もある」と話した。

24年度診療報酬改定 基本診療料や技術料引き上げ要求-中医協が愛知で公聴会

中医協は平成24年度診療報酬改定について、医療や患者団体など幅広い意見を聴くための公聴会を20日に愛知県津島市の市文化会館で開いた。一般公募から選ばれた医師、歯科医師、健康保険組合関係者11人が意見陳述し、歯科の立場からは名古屋市開業の兜森正道氏(愛知県歯科医師会常務理事)が基本診療料や長年据え置かれている技術料の引き上げ、診療報酬の簡素化などを求めた。

生前歯科情報のデータベース化「早急に具体化図るべき」-日歯検討会が意見書

大規模災害時の身元確認作業に備え、日本歯科医師会の「身元確認に資する歯科所見のデータ形式等に関する検討会」は、生前歯科情報のデータベースなどのモデル事業の必要性などを盛り込んだ「意見書」をまとめた。

東日本大震災における身元判明率が指掌紋やDNAより歯科所見の方が高かった。同検討会は、警察庁、厚労省、日本歯科医学会を交えて、大規模災害時における多数遺体の発生を想定し、歯科所見による個人識別の在り方を探っていた。

被災者医療確保で衆議員と懇談-東北6県保険医協

青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島の保険医協会で組織される東北保険医団体連合会は医療供給体制の復旧・復興と被災者医療の確保を求める懇談会を20日に東京・霞が関の衆議院第1議員会館で開き、同6県選出の衆議院議員や議員秘書らが出席した。

基本診療料の引き上げ要望-大阪府歯保険医協

大阪府歯科保険医協会の戸井逸美政策部長は、平成24年度診療報酬改定諮問についての談話を20日に発表し、「基礎的技術料、基本診療料の大幅引き上げで歯科崩壊に歯止めを」と訴えた。

スポーツ基本計画 マウスガード等で要望書

日本歯科医師会(大久保満男会長)は、文部科学省が策定中の「スポーツ基本計画」に、噛み合わせの大切さやマウスガードの装着等を求める「要望書」をまとめ、25日に平野博文文部科学大臣に提出した。

同基本計画は、昨年6月に制定されたスポーツ基本法の設定に基づき、国民スポーツのさらなる普及と支援のために設けられるもの。同基本法の「スポーツに関する科学的研究の推進等」の中に、「歯学」と歯科に関する文言が初めて明記された。

23年10月末歯科診療所数6万8,529軒

厚労省の施設動態調査による平成23年10月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,529施設で、前月より5減った。開設者別歯科診療所数の個人は前月より65施設減って5万6,805施設、医療法人は60増えて1万1,094施設となっている。

被災地の歯科受診が15%増-「しんぶん赤旗」報道

東日本大震災の被災地では、被災者への窓口負担が歯科についても免除されているが、その結果、対前年比15%もの受診増となったことが分かった。日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」1月15日号が報じたもので、歯科医師である宮城県保険医協会の井上博之副会長のコメントとして、「3割負担が重過ぎて、特に歯科では受診したくてもできなかったため」という背景を伝えている。現在、同県保険医協会を中心に、免除措置の延長継続を求める署名活動が展開されている。

社保11月電子レセ歯科は2万5,184施設

社会保険診療報酬支払基金は平成23年11月診療分の電子レセプト請求状況を発表した。歯科医療機関の電子レセ請求施設数は2万5,184軒で、総請求施設数7万1,119軒に占める割合は35.4%となり、前月に比べて0.7%増えた。うちオンライン請求施設数は前月よりも100軒増えて4,141軒、総施設数に占める割合は0.1%増の5.8%。

歯科医療機関の電子レセ請求件数は403万5,549件で、総件数939万4,300件に占める割合は43.0%で、前月よりも0.8%増えた。うちオンライン請求は75万8,591件で、総件数に占める割合は0.2%増の8.1%となった。

日本のTPP参加に期待感-在日米国商工会議所が新年会

在日米国商工会議所(ACCJ、Michael J.Alfant会長)の新年会が東京都の帝国ホテルで1月11日に開かれ、同メンバーのアメリカ企業関係者や日本の政官財界から多数が参加した。

冒頭あいさつでAlfant会長は、3月初旬に開催予定の日米経済サミットについて「環太平洋地域の経済的な中心となる日米経済協力関係がさらに加速することを期待する」と述べ、日本のTPP交渉参加意思表明に歓迎の意を表し、TPP参入後も日米2国間の経済協力関係が、環太平洋地域における中心的な存在であり続けるとの見通しを示した。

社保・9月診療分 歯科は件数、点数とも増加

社会保険診療報酬支払基金による平成23年9月診療分の歯科は895万1,000件、108億4,062万2,000点で、前年同月に比べ件数は3.0%、点数は1.2%増加した。

国保・9月診療分 歯科市町村は金額1.9%増

国保中央会がまとめた平成23年9月診療分の歯科医療費は市町村が651億円で、対前年同月比で1.9%増。組合は46億円で5.0%減。後期高齢者は339億円で7.9%増加した。

日本歯科医学会評議員会で法人化の検討可決

日本歯科医学会は、日本歯科医師会の公益法人改革に伴い、機構改革の検討を始めている。20日に東京・市谷の歯科医師会館で開かれた同学会評議員会では、法人化に向けた具体的対応を検討していくとした議案が可決。江藤一洋会長も報告で学会が別法人を取得した場合を想定した、会の機構改革について言及した。

日歯医学会の法人化取得の検討は、すでに日本薬剤師会と別組織で運営されている日本薬学会の存在や、法人格取得を目指す日本医学会の動きがあることも、背景になっていると見られる。

認定分科会に口腔腫瘍学会、4月から計19学会に

日本口腔腫瘍学会が、日本歯科医学会の認定分科会に新たに加わることが、20日に東京・市谷の歯科医師会館で開かれた日歯医学会第87回評議員会で承認された。4月1日付で登録され、認定分科会は計19学会となる。

認定分科会への登録には、日本口腔腫瘍学会のほか、日本ヘルスケア歯科学会と日本口腔リハビリテーション学会が申請を出していたが、資格審査委員会により1学会のみが登録可と判定された。

CT活用の可能性探るユーザーミーティング-ヨシダ

ヨシダ(山中一剛社長)は1月7、8の両日、第17回ユーザーミーティングを東京都のベルサール飯田橋駅前で開いた。

< 小宮山彌太郎氏(東京都開業)が座長を務め、ペリオやエンド、外科、インプラントなど、さまざまな分野での画像診断やCTの活用法について、寺西邦彦氏、中村社綱氏、林揚春氏、弘岡秀明氏、船越栄次氏ら14人の歯科医師が語った。

この中で、「歯科用CTで広がる私の日常臨床」と題して講演した根本康子氏(茨城県・東京都開業)は、自院で行った歯科用CTに対するインプラント患者の意識調査を発表。

この調査を踏まえ、根本氏は「インプラント手術は1本でも重大なリスクがある。植立する角度や長さなどをしっかり計画するためにも、被曝量などについて患者に説明しながらCTを活用する必要があるのではないか」と述べた。

名称変更・日本メディカルマテリアル

日本メディカルマテリアル(野元修社長)は4月1日より、社名を「京セラメディカル」に変更する。各事業所の住所・電話番号に変更はない。