日本歯科新聞 | 2012年2月14日付
24年度診療報酬改定 歯科訪問診療補助加算を新設
平成24年度診療報酬改定で中医協(森田朗会長)は10日に医科、歯科、調剤の4月からの新たな診療報酬点数を小宮山厚生労働大臣に答申した。歯科は、算定頻度が高い根管貼薬処置(1歯1回につき)の単根管、スケーリング(3分の1顎につき)、う蝕歯即時充填形成(充形)がそれぞれ6点、2点、6点引き上げられ、26点、66点、126点となった。歯科訪問診療料1は20点引き上げの850点とし、歯科衛生士が歯科訪問診療への補助時に算定できる「歯科訪問診療補助加算」を新設し、同一建物居住者以外(1人)は110点、同一建物居住者(2人以上)は45点とした。
医療機関のHPのガイドライン 自由診療の表現規制へ-厚労省が原案公表
美容整形や歯科医療機関が行う自由診療について、ホームページ(HP)での不適当な表現を規制するガイドラインの必要性などを盛り込んだ報告書原案を、1日の「医療情報の提供の在り方検討会」に厚労省が提示した。「任意の専門資格や施設認定などの過度な強調」「キャンペーン中」「日本一」等の掲載禁止事項や、料金表などの掲載すべき事項を明記する予定。同省は3月までに報告書をまとめ、4月以降、できるだけ早い時期にガイドラインを策定する。会合にはオブザーバーで日本歯科医師会の溝渕健一常務理事が参加した。
「固有技術に8割強」-堀日歯常務理事が財源配分で見解
日本歯科医師会(大久保満男会長)は10日の平成24年度診療報酬改定答申後に歯科医師会館で臨時会見を開いた。
中医協診療側委員の堀憲郎常務理事は、約500億円の財源のうち15%が在宅歯科医療と周術期の口腔管理で、それ以外は歯科固有の技術料に配分されたことを明かし、「できるだけ歯科医療機関の体力を回復させたい」と発言した。
会長に2氏立候補 初の役員選挙に-日技連盟
日本歯科技工士連盟は会長、監事の初の役員選挙を3月17日に開催する平成23年度第2回評議員会で行う。投票権があるのは都道府県代表の評議員60人。同連盟の会長は日本歯科技工士会会長が兼務していたが、今年4月以降の日技の公益法人移行に伴い、組織を明確に分離するのが狙い。
訃報 谷口幸治氏-愛知県尾張旭市長
歯科医師で愛知県尾張旭市の市長だった谷口幸治(たにぐち・こうじ)氏は、名古屋市内の病院で6日、死去した。67歳。
社団法人改革で移行日程を示す-日学歯
日本学校歯科医会(中田郁平会長)は、平成25年4月1日付で一般社団法人への移行登記を目指すスケジュール案を明らかにした。8日に東京・市谷の歯科医師会館で開かれた同会加盟団体長会で示したもの。
米国・国際インプラント学会 小川氏に最高研究論文賞
UCLA終身教授の小川隆広氏が発明、開発を進める「インプラント体の光機能化テクノロジー」が、米国・国際インプラント学会(Academy of Osseointegration)のWilliam R.Laney Award最高研究論文賞を受賞することに決まった。3月2日には米国アリゾナ州フェニックスのAcademy of Osseointegrationで受賞特別講演および授賞式が行われる。
同氏の研究は、時間の経過とともにチタン表面に炭素が集積し、骨結合能が低下していくことに着目。複数の波長を組み合わせた紫外線を、最適な強さで照射することで炭素を取り除くことに成功した。照射によりインプラントの骨結合能を従来の3倍にもすることが分かっており、現在、国内の100施設以上の歯科医院、大学に導入されている。
バクテリアセラピストが誕生
日本アンチエイジング歯科学会(松尾通会長)は第1回バクテリアセラピスト認定研修会を開いた。同日には試験も行われ、100人を超える「バクテリアセラピスト」が誕生した。
岩手医科大学・歯学部改革 ハーバード式を導入
岩手医科大学が、米国ハーバード大学と覚書を締結し、歯学部改革プロジェクトを進めていることが分かった。ハーバード大学医学部および歯学部のシステムを導入、講座再編に取り組み、歯科教育と歯科医療における将来のリーダー育成を目的とするもの。
嚥下時の舌運動 三次元的動きを定量化-東大と阪大歯らが成功
東京大学IRT研究機構の下山勲教授や大阪大学大学院歯学研究科の舘村卓准教授らの研究グループは、従来の方法では分からなかった嚥下時の舌の三次元的な運動の定量化に成功した。23、24の両日に開かれる第27回日本静脈経腸栄養学会で発表する。
嚥下動作のメカニズム解明は、舌の動きを計測する方法が主で、筋電位計測法やX線観察法、圧力センサーシートによる計測法などが行われてきた。しかし、人体への影響や像がぼやけるなど課題が指摘されており、新たな計測法が求められていた。
インプラント義歯・保険導入 4社の製品が適用
24年度歯科診療報酬改定で「広範囲顎骨支持型装置埋入手術」(インプラント義歯)が保険導入されたのに際し、4社の製品が保険適用材料として選ばれた。
インプラント体はノーベル・バイオケア・ジャパン、石福金属興業、デンツプライ三金の3社が、上部構造は石福金属興業の貴金属合金、山本貴金属地金の貴金属合金、陶材、レジン系材料が選定された。
訃報 藤波 隆氏-リンケージ藤波会長
リンケージ藤波代表取締役会長の藤波隆(ふじなみ・たかし)氏は12日に死去した。95歳。