都道府県歯らにインプラント事故調査 5年間で177件

全国の歯学部や附属病院などの医育機関や都道府県歯科医師会が把握しているインプラント事故について、本紙が独自に入手した厚労省研究班の報告書によると18~22年度の5年間で177件になることが分かった。報告数は18年度は22件だったが、22年度には47件と、近年増加傾向で推移している。また、同期間に医育機関においてインプラント事故に関した症状を有する患者に後医として対応した症例数は307件あった。しかし、埋入時期は不明で、どのような状況でトラブルが発生したかは分かっていない。国が実施したインプラント事故に関わる調査結果が明らかになるのは初めてとみられる。

「震災を忘れないで」歯科医の弓氏にガガカップ届く

ティーカップが、震災の記憶の風化防止に役立ち、被災地に恩恵をもたらしてくれれば-。米国の人気歌手レディー・ガガさんが東日本大震災の復興支援のためにインターネットのチャリティーオークションに出品したティーカップを宮城県大崎市開業の弓哲玖氏(穂波の郷 弓歯科医院院長)が落札した。落札額は601万1千円で、1,300件以上の入札があった。ティーカップには「日本の為に祈りを」と日本語で書かれた直筆メッセージと、ガガさんのキスマークが付いている。

弓氏は落札した理由について「一部の絵画コレクターが貴重な絵を自分の金庫にしまいこんでしまうように、落札したファンがティーカップを自己満足のために金庫にしまいこんでしまったらガガさんの思いが伝わらないという危惧を抱いた。震災で被災し、私自身も九死に一生を得たが、毎週のように被災地で支援活動等をする中で、現場にいても日々、風化してゆく現状に危機感を募らせていた。義援金などの支援も行ってきたが、ティーカップを落札すれば、形に残るので震災の記憶の風化防止に役立つとともに、後につながるより大きな支援ができるのではないかと感じた」と語る。

生活保護の医療扶助 不正受給を摘発-厚労省が専用ソフト開発

生活保護に伴う医療扶助について、厚労省が不正受給を摘発するソフトを開発。今秋から本格導入の見通し。これまでも厚労省は電子化されたレセプトのチェックを行うシステムを導入してきたが、同ソフトは、医療扶助で問題になっている過剰診療、転売目的での薬の不正処方などに対応する機能が高いとされる。

がん対策 歯科との連携を初明記-厚労省が推進基本計画を公表

厚労省のがん対策推進基本計画で初めて「歯科医師などとの連携を図り質の高い周術管理体制を整備する」とする文言が盛り込まれた。8日に公表されたもの。基本計画は平成18年にがん対策基本法の成立を受け19年6月に定められたもので、この時は歯科に関わる文言はなかったが、近年、日本歯科医師会と国立がん研究センターでの共同事業が始まっているほか、平成24年度診療報酬改定でも周術期における口腔管理が保険導入されるなどがん治療における医科・歯科の一層の連携が期待されている。

衛生士法の一部改正問題 7月の全体会で協議-近北地区歯役員連絡協

日本歯科医師会と日本歯科衛生士会が進める歯科衛生士法の一部改正が7月7日開催の近畿北陸地区歯科医師会役員連絡協議会全体会(福井市)の協議題となる。10日に神戸市のポートピアホテルで開かれた平成24年度近畿北陸地区歯科医師会役員連絡協議会で決まったもの。

新会館が落成-東京・大森歯

東京都大田区大森歯科医師会(岡本徹会長)は10日に新会館落成記念祝賀会を落成した会館で開いた。新会館は昭和38年に建てられた旧会館を建て直したもの。3階建てで、1階は事務室と談話室、2階が会議室、3階が休日応急診療所(7月より運営)、会議室。

訃報 宇治壽康氏-元熊本県歯会長

元熊本県歯科医師会会長で、元日本歯科医師会常務理事の宇治壽康(うじ・としやす)氏は11日、死去した。82歳。

口唇・口腔咽頭がん 死亡者は6,885人-厚労省の人口動態統計調査

口唇、口腔および咽頭の悪性新生物の死亡者数が前年より83人増え、6,885人となった。厚労省が5日に発表した平成23年の「人口動態統計月報年会(概数)の概況」によるもので、死亡総数に占める割合は0.5%。 死亡総数は125万3,463人で、男性65万6,692人、女性59万6,771人。総数では前年に比べ5万6,451人増えた。死因別では悪性新生物が35万7,185人で最も多く、男性21万3,109人、女性14万4,076人。次いで総数では心疾患19万4,761人、肺炎12万4,652人と続くが、女性は肺炎よりも脳血管疾患が6千人ほど多かった。

ガムの日 歯固めの儀を再現

日本チューインガム協会は「チューインガムの日」の1日、横浜ランドマークプラザで「歯固めの儀」の再現などイベントを開いた。

同会は1994年から6月1日を「チューインガムの日」と制定している。平安時代から元旦と6月1日には鏡もちなど噛み応えのある食べ物を食べて、長寿を願う「歯がための祝い」という儀式が行われていたことによる。

抗菌固定剤を開発-JST・口腔ケア用品のベンチャー設立

独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、抗菌作用が持続する口腔ケア剤を開発するベンチャー企業の設立を発表した。セルフケアが困難な高齢者や要介護者、避難所などでの口腔感染予防に役立つ製品の開発を目指す。

今回の設立はJSTの若手研究者ベンチャー創出推進事業の一環で行われたもの。JST起業研究員の難波尚子岡山大学大学院医歯薬学総合研究科特任教授は、地元企業が独占的に供給する天然多糖プルランを用いて抗菌剤CPCの歯面への固定化に成功した。

ポートピアデンタルショー9,470人来場

ポートピアデンタルショー2012神戸が9、10の両日、近畿北陸地区歯科医学大会の併催行事として神戸市のワールド記念ホールで開かれた。同デンタルショーは6年に一度開催されている。

約120社が最新注目機器・材料などを展示し、9470人が来場した。来場者内訳は、歯科医師2,646人、歯科技工士863人、歯科衛生士1,818人、学生・同伴者・他983人、商工業者966人、出展者2,064人。