日本歯科新聞 | 2012年6月26日付
17校の24年度入試結果 充足率は93.6%-日本私立歯科大協調べ
私立歯科大学・歯学部17校の平成24年度入試結果で、7校が定員割れを起こしている。日本私立歯科大学協会がまとめたもので、募集人員に占める入学者数の割合(充足率)平均は93.6%と、10校、11校が定員割れした前年度(83.5%)、前々年度(78.7%)に比べて回復し、20年度時(95.5%)の水準に近づいた。しかし、入学者が募集人員より大幅に足りない大学がある半面、40人近く多い学校もあり、歯科大学・歯学部を取り巻く環境の不安定な状況がうかがえる。また、奥羽大学歯学部の入学者は16人(募集96人)にとどまり、原発事故が強く影響したものと推測される。
インプラント治療 6割がトラブル遭遇-日歯医学会調査
インプラント治療を実施している歯科医師のうち60.8%が何らかのトラブル、24.5%が重篤な偶発症を経験している。日本歯科医学会が日歯会員を対象に実施した初めてのインプラント治療に関わる全国調査で明らかになったもので、調査項目は治療体制からトラブルまで50項目近くに及ぶ。治療計画書を全患者に渡しているのは55・4%で、同意書を取り交わしているのは51.9%、治療費に関する文書は59.9%、治療の保証は67.1%となっている。さらにインプラント治療の実施の有無に関わらず、他医院で実施されたインプラント治療によるトラブルを経験した歯科医療機関は9割近い88.4%あることも分かった。
和歌山県内の大雨 歯科の被害報告はなし
発達した梅雨前線などによる21日夜から22日朝にかけての大雨で、和歌山市や海南市などが住宅計約550棟の浸水被害にあったが、歯科診療所の被害はなかった。本紙の和歌山県歯科医師会への取材で分かった。
歯科口腔保健の推進の基本的事項 19の具体目標を設定-厚科審部会が小宮山大臣に答申
歯科口腔保健法に基づいて、国や地方公共団体の施策などを総合的に推進するための「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」を、厚労省の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会が20日に小宮山厚労相に答申した。乳幼児期からの歯科疾患予防などで国民が心身ともに健やかに生活できるようにするための基本的事項で、ライフステージごとの目標は計19を設定。このうち10項目は同日の同部会で了承された第2次健康日本21計画にも盛り込まれている。
8020達成者「想像を超える早さ」-大久保理事長が見解
8020推進財団の大久保満男理事長は、厚労省の平成23年歯科疾患実態調査の8020達成者38.3%の結果について「われわれの想像を超えるスピード」と評価した上で、「今後、どのようにして50%にするかが大きな課題」との認識を示した。13日に東京・市谷の歯科医師会館で開かれた第3回評議員会の冒頭あいさつで述べたもの。
下田市長選 楠山氏が無投票で初当選果たす
任期満了に伴う静岡県下田市長選挙で無所属新人で歯科医師の楠山俊介氏の無投票当選が17日に決まった。
都歯連盟 民主・川口氏を推薦
次期参議院選挙比例代表選挙への対応で東京都歯科医師連盟(大曽根正史会長)は21日に臨時評議員会を開き、同会会員で現民主党衆議院議員の川口浩氏の推薦を賛成多数で了承した。 川口氏は、昭和30年生まれ、54年に東京歯科大学卒業。55年に茨城県取手市に開業し、平成14年に茨城県議会議員当選、21年に衆議院議員に当選。
歯科医療費動向2月分・社保 点数4.1%増、件数3.1%増
社会保険診療報酬支払基金による平成24年2月診療分の歯科は923万件、113億3,779万9千点で、前年同月に比べ、件数は3.1%、点数は4.1%増加した。
歯科医療費動向2月分・国保 市町村金額で5.5%増、件数は3.3%増加
国保中央会がまとめた平成24年2月診療分の歯科医療費は市町村が690億円で、対前年同月比で5.5%増。組合は48億円で0.1%増。後期高齢者は358億円で8.6%増加した。
非歯原性歯痛-歯内療法学会でガイドライン紹介
歯や歯周組織に原因がないにもかかわらず歯に痛みを感じる「非歯原性歯痛」を知らずに、抜歯や抜髄などの不可逆的な治療をしてしまうケースが問題になっている。16、17の両日に東京都千代田区の日経ホールで開かれた第33回日本歯内療法学会学術大会で日本大学松戸歯学部の小見山道氏が「非歯原性歯痛の診療ガイドラインとその臨床」について講演した。
同ガイドラインは、日本口腔顔面痛学会が作成したもの。作成委員も務めた小見山氏は、非歯原性歯痛の原疾患を(1)筋・筋膜性歯痛(2)神経障害性歯痛(3)神経血管性歯痛(4)上顎洞性歯痛(5)心臓性歯痛(6)精神疾患による歯痛(7)突発性歯痛(8)その他さまざまな疾患により生じる歯痛―の8グループに分類したと説明。
(1)については、上顎の5番がずっと痛いと訴える28歳女性の症例を紹介。麻酔をしても痛みが消えず、触診により鼻翼に痛みを伴う状態で、中枢性筋弛緩薬とマッサージで改善したという。
訃報 土川幸三氏-日本歯科大学教授
日本歯科大学教授(新潟生命歯学部口腔外科学講座)の土川幸三(つちかわ・こうぞう)氏は21日、膵臓がんのため死去した。63歳。
次期会長に森田氏-企業協が総会で候補選出
日本歯科企業協議会(中山茂男会長)は東京・九段のホテルグランドパレスで第41回年次総会を19日に開いた。平成24年度事業計画案・収支予算案を含むすべての議案が原案通り承認・可決し、来年改選の次期会長候補には森田晴夫副会長を選出した。