日本歯科新聞 | 2012年12月4日付
歯科診療所「休止」が前年の4倍-総数で228施設減少
歯科診療所数は平成23年10月1日現在で6万8,156施設と前年同月より228施設減少した。厚労省の医療施設(静態・動態)調査によるもので、前年同月比で200施設以上の減少は調査開始以来初めて。廃止が400施設近く増えたことや、休止が前年に比べ4倍の500施設近く増えたのが影響したものと見られている。休止数が増えた背景には東日本大震災や自然災害の影響のほか、歯科医師の高齢化に伴い、病気などで診療を休止するケースがあるのではないかと関係者は分析する。対人口10万人施設数は53.3と0.1施設の減少。
来年度から「口腔歯学部」-福岡歯科大・歯学部
福岡歯科大学(田中健藏理事長)は、来年4月から「歯学部・歯学科」を「口腔歯学部・口腔歯学科」と改称する。
歯科用貴金属代替で歯科技術が先進医療に
歯科用貴金属の代替材料としてグラスファイバー補強高強度コンポジットレジンを用いたブリッジ技術の先進医療への導入が、厚労省が11月28日に開いた中医協総会で決まった。適応は、臼歯部1歯中間欠損に対し、両隣在歯を支台歯とした3ユニットブリッジ。
再生用骨材料米国で回収命令
インプラント手術時の骨造成、抜歯や病巣除去後の骨再生の材料として使われるヒト由来骨材料の、微生物汚染の評価などが不十分だと判明し、アメリカFDAがパシフィク・コースト・ティシューバンク社に回収命令措置を行った。健康被害情報は公表されていないが、有害事象が発生していないか注意を呼びかけているという。日本でも同骨材料が医師などの裁量権で輸入されている実態があるため、厚労省が情報を発信した。
社会保障制度改革国民会議 メンバー15人決まる
政府は11月27日、民主・自民・公明の3党合意に基づく社会保障制度改革国民会議の委員15人を発表した。委員には国立長寿医療研究センター総長の大島伸一氏や中医協前会長で学習院大学教授の遠藤久夫氏らが入った。野田首相が29日に正式に委員として任命し、30日に初会合を開いた。
衆院選候補者推薦で地元の判断を尊重-日歯連盟
日本歯科医師連盟(髙木幹正会長)は、16日投開票の衆議院選挙への対応について、11月30日の理事会後の会見で、特定の政党候補者を支持せず、都道府県歯連盟から推薦があった候補者を日歯連盟として原則、推薦していく考えを明らかにした。ただ、政治的な判断で、都道府県が推薦しても日歯連盟として推薦しないケースもあるとした。
今回の選挙で日歯連盟は、都道府県歯連盟から選挙区ごとに1人の推薦を求めており、2人以上になる場合は「支援」などで差別化を図る。
医療費適正化を決議-健保連が全国大会
健康保険組合連合会(平井克彦会長)は、「まったなし!超高齢社会に持続可能な制度を今!」をスローガンに掲げた平成24年度健康保険組合全国大会を東京・有楽町の東京国際フォーラムで11月21日に開き、医療費の適正化や健保組合への財政支援など4項目を満場一致で決議した。
健康保険組合の財政状況は厳しく、24年度までの累積赤字は2兆1千億円、9割の組合が赤字決算になる見込みだ。
衆院選の対応で特定の政党は支持せず-日医連盟
日本医師連盟(横倉義武委員長)は16日投開票の衆議院選挙への対応について、特定の政党は支持せず、候補者ごとに推薦する方針を11月21日の会見で発表した。
全面開示求め訴訟 監査マニュアルー岡山県保険医協
岡山県保険医協会の指導監査対策室長で、歯科医師の暮石智英氏は、「保険医療機関等及び保険医等の監査マニュアル」開示請求に対する厚生労働大臣の一部を開示するとの「裁決」を取り消し、さらなる開示を求める訴訟を、広島地方裁判所に7日に起こした。
同監査マニュアルは、2009年8月に同会が開示請求したが、同年9月に「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある」などとして、不開示処分とされた。
歯科技工所 来年4月から設備構造基準
歯科技工士法施行規則が改正され、来年4月から歯科技工所の設備構造基準が設けられる。基準は常時居住する場所および不潔な場所との明確な区別や防じん・防湿・排水・廃棄物処理設備の設置、安全および防火の支障がなく機器の配置ができて10平方メートル以上の面積を有することを義務付けた。
診療報酬改定の評価「良かった」3割、4割が収入「減」
2012年度の歯科診療報酬改定の評価で、会員の3割近くは「どちらかといえば良かった」と答えているが、今年4~8月の請求点数が前年同時期に比べて「増収」は2割に届かず、「減収」と「変わらない」がそれぞれ4割を占めた。東京、福岡の歯科保険医協会と全国35の保険医協会が歯科会員に対して実施した「2012年度歯科会員アンケート」の中間報告で分かったもの。回答数は3258件。回答者の年代では50代が37.1%で最も多く、次いで40代27.6%、60代21.1%、20~30代9.9%と続く。
7月歯科医療費動向・社保 点数2.7%の増加
社会保険診療報酬支払基金による平成24年7月診療分の歯科は998万5千件、122億4,551万点で、前年同月に比べ、件数は2.9%、点数は2.7%増加した。
7月歯科医療費動向・国保 市町村金額が4.1%増
国保中央会がまとめた平成24年7月診療分の歯科医療費は市町村が718億円で、対前年同月比で4.1%増。組合は50億円で1.0%増。後期高齢者は385億円で11.0%増加した。件数は市町村が515万件で、対前年同月比で3.8%増。組合は39万件で0.2%減。後期高齢者は243万件で10.2%増となっている。
歯科関連職の資質向上 厚労省の検討会が初会合-臨床研修の改善でWGを設置
厚労省は、歯科医師臨床研修制度の見直しや歯科技工士国家試験の在り方などの議論を通して歯科関連職種の質の向上を目指す「歯科専門職の資質向上検討会」の初会合を11月28日に開いた。座長には日本大学総長の大塚吉兵衛氏が就任。歯科衛生士国家試験の受験資格や歯科技工士国家試験の全国統一化、歯科医師臨床研修の改善などが議題として挙がり、臨床研修について話し合う歯科医師ワーキンググループ(WG)などの設置を了承した。
重度歯周病の女性 メタボのリスクが1.5倍
メタボリックシンドロームのリスクは、重度歯周病の男性で1.32倍、女性で1.51倍-。京都大学大学院医学研究科教授の別所和久氏、大学院生の山崎亨氏ら研究グループの6,874人を対象にした研究によるもので、歯周病や早食いなどの食習慣がメタボリックシンドローム(MS)のリスクであることが示された。同研究内容は、第66回日本口腔科学会学術集会で既に発表されており、15日の第164回京都大学歯科口腔外科集談会で「歯周病、食習慣および咀嚼がメタボリックシンドロームに与える影響」と題して発表される。
グッドデザイン2012 モリタのソアリックが金賞
モリタ(本社・大阪府吹田市、森田晴夫社長)の歯科用ユニット「Soaric」がグッドデザイン賞2012の金賞(経済産業大臣賞)を受賞した。
発明協会奨励賞を受賞 広栄社の稲葉会長
三角ようじなどのオーラルセルフケアグッズメーカー広栄社の取締役会長稲葉修氏が、公益社団法人発明協会の「発明奨励賞」を11月16日に受賞した。
受賞理由は、歯の着色汚れにぬらして磨くだけ、という簡便さが人気のステインクリーナー『キュ★キュ』につながった「歯のピーリングスポンジ」の発明。
日本デンタルショー2012 3万906人登録
日本デンタルショー2012実行委員会は、11月9~11日にインテックス大阪で開かれた同デンタルショーの登録者数を計3万906人と発表した。3日間の内訳は 9日9,463人、10日9,631人、11日1万1,812人。