日本歯科新聞 | 2013年7月9日付
アルツハイマー病 咬合喪失で病態悪化-広大らがメカニズム解明
臼歯部の咬合の喪失によってアルツハイマー病の病態を悪化させるメカニズムの一部が、広島大学大学院医歯薬保健学研究院、奥羽大学、名古屋市立大学の研究グループによって世界で初めて証明された。歯の喪失とアルツハイマー病については、疫学調査では関係性が指摘されていたものの、メカニズムは明かされていなかった。同研究は英国科学誌「Behavioural Brain Research」9月1日号に掲載される。
歯科国試の正答に誤り
厚労省は6月25日、第106回歯科医師国家試験の正答に誤りがあったと発表した。誤りはC問題68問「摂食機能療法で医師または歯科医師の指示の下に訓練が行える職種はどれか」で回答選択肢「歯科衛生士」、「管理栄養士」、「言語聴覚士」、「介護福祉士」、「作業療法士」から二つ選択するとなっていたが、3通りの回答を正解とした。
一般医薬品のネット販売で日歯が見解
日本歯科医師会(大久保満男会長)は、一般用医薬品のインターネット販売に関する「基本的な考え方」を6月19日に開いた第4回理事会で示した。同考え方で日歯は①第1類・指定第2類医薬品は、対面販売のみとし、インターネット販売の対象とすべきではない②インターネット販売における国民の医療事故に対する責任を明確化するとした。
薬事法改正 成立せず
第183回通常国会が6月26日に閉幕し、薬事法を一部改正する法律案と再生医療等の安全性の確保に関する法律案は成立しなかった。
会長、理事、監事を了承-日学歯総会
日本学校歯科医会(金森市造会長代行)は6月26日、第83回総会を東京・市谷の歯科医師会館で開いた。任期満了に伴う役員選挙では、22人の理事、3人の監事を選出し、新会長には理事で会長予備選挙当選者の清水惠太氏の就任を了承した。
会員増強が課題-8020推進財団
8020推進財団(大久保満男理事長)は6月25日、第5回評議員会を開き、理事及び監事や議長の選出、平成24年度事業報告ならびに収支決算報告など7議案を賛成多数で可決した。新理事21人、監事2人の任期は27年6月まで。また、議長には峰正博氏が選出された。
松島会長が再任-東京歯科保険医協
東京歯科保険医協会(松島良次会長)は6月20日、第41回定期総会を東京・高田馬場の同会大会議室で開き、任期満了に伴う次期会長に現職の松島会長の再任と、副会長ほかの役員を決めた。
決算など4議案承認-日技総会
日本歯科技工士会(古橋博美会長)は6月22日、第2回社員総会を開き、2012年度の事業経過や会計収支決算報告など四つの議案を承認可決した。報告事項の13年度事業計画・予算、中長期総合計画など11項目を執行部が説明した。
咬合支持喪失で動脈硬化リスク増加
咬合支持を失うと、動脈硬化のリスクがおよそ2倍に―。大阪大学大学院歯学・医学・人間科学研究科らの老年学研究グループが、兵庫県の70歳300人を対象にした調査で、咬合支持喪失が栄養摂取の低下を招き、結果的に動脈硬化となる可能性を示した。
「スーパー特区」の成果報告
最先端の再生医療や医薬品・医療機器の開発・実用化を促進するため、内閣府と文科省、厚労省、経産省が平成20年度から5年間取り組んできた事業「先端医療開発特区(スーパー特区)」の成果等を報告するフォーラムが6月20日、東京都港区の三田共用会議所で開かれた。同特区には、「iPS細胞応用」、「再生医療」、「革新的な医療機器の開発」、「革新的バイオ医薬品の開発」、「国民の健康に重要な治療・診断に用いる医薬品・医療機器の研究開発」の五つの分野、24プロジェクトが選定されている。
件数は増加も点数変わらず-社保2月歯科医療費
社会保険診療報酬支払基金による平成25年2月診療分の総計確定件数は7,935万1千件、点数1,191億3,088万2千点で前年同月に比べ、件数は0.7%、点数は1.8%減少した。歯科は947万3千件、113億3,534万3千点で、前年同月に比べ、件数は2.6%増、点数は同率だった。
市町村は件数金額とも減少-国保2月歯科医療費
国保中央会がまとめた平成25年2月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆51億円で、うち後期高齢者分は1兆870億円だった。歯科医療費は市町村が661億円で、対前年同月比で4.2%減。組合は45億円で5.7%減。後期高齢者は367億円で2.7%増加した。
厚労省が医療機器産業ビジョン
厚労省は6月26日、医療機器産業の中長期的な将来像を示す「医療機器産業ビジョン2013」の策定を発表した。医療機器の実用化や提供の在り方、産学官関係者にとって必要な取り組みを示したもので、03年、08年に続き、今回が3回目の策定となる。前回示された安全確保のための製品サイクルの重要性を踏まえ、今回は国際的競争が激化する中、迅速な実用化と海外展開を重点に置いた。
静岡がんセンター歯科口腔外科部長 大田洋二郎氏死去
がん患者の口腔ケア推進のリーダーで、静岡がんセンター歯科口腔外科部長の大田洋二郎(おおた・ようじろう)氏が日本時間の6月30日、死去した。52歳。大田氏は1961年5月25日生まれ。北海道大学歯学部卒。2001年国立がんセンター歯科口腔科医長、02年に静岡がんセンター歯科口腔外科部長。がん患者の口腔合併症の予防、軽減を目的とした医科歯科連携の取り組みを06年に日本で最初に静岡県東部地域で実施。
参院選 歯科関係で5氏が立候補
第23回参議院選挙が4日に公示され、433人が立候補した。うち歯科関係者は歯科医師4人、歯科技工士1人が立候補した。
消費税8% 診療報酬に手当てへ
厚労省の「診療報酬調査専門組織、医療機関等における消費税負担に関する分科会」は6月21日、消費税率8%引き上げ時の対応について議論し、診療報酬とは別建ての高額投資対応ではなく、医科・歯科・調剤ごとに診療報酬本体分に手当てを行う対策を取る方向でおおむね意見が一致した。
参院選マニフェスト 歯科医療政策「ある」は4党
参議院選挙での党マニフェストに歯科医療政策を盛り込んでいるのは、自民、民主、共産、みどりの4党で、社民党は「ない」とし、公明、日本維新、みんな、生活の4党は未回答。「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が、各党に歯科医療政策アンケートを実施したもの。
参院選 公示後の対応確認-日歯連盟評議員会
日本歯科医師連盟(髙木幹正会長)は6月28日、東京・市谷の歯科医師会館で第119回評議員会を開いた。7月21日投開票の参議院選挙に向けて比例代表に歯科職域代表として立候補する自民党参議院議員の石井みどり氏に対する選挙期間中の支援方法を中心に議論した。一方、7月からの新執行部人事については髙木会長が副会長に山口の右田信行、秋田の藤原元幸、東京の高橋英登の3氏、理事長に三重の峰正博氏、副理事長に東京の村田憙信、千葉の砂川稔の両氏の起用を発表した。