「患者申出療養制度」創設へ

安倍晋三首相は6月10日、保険外併用療養費制度の拡大を目的にした「患者申出療養制度」と呼ばれる新制度導入の方針を表明。2015年の通常国会に関連法案を提出したい考えだ。慶應大病院(東京都新宿区)視察後に記者団に明らかにしたもので、規制改革会議が提案していた「選択療養」と、患者の申し出が前提という点では同じだが、新制度での実施医療機関は臨床研究中核病院が中心となる予定。具体的な制度設計は厚労省の審議会等で検討する。

「患者申出療養制度」で首相提案を容認-三師会

日本医師会(横倉義武会長)、日本歯科医師会(大久保満男会長)、日本薬剤師会(児玉孝会長)は6月13日に厚労省内で緊急記者会見を開き、安倍首相が表明した「患者申出療養制度」について、「安全性や有効性などが最低限担保された」と事実上導入を容認した。

歯科でのMERS感染に注意喚起

世界保健機関(WHO)が設置する安全・無菌・予防機構(OSAP)は、2012年に報告された新種のコロナウイルス感染症の中東呼吸器感染症候群(MERS)について、歯科医療での感染媒介リスクがあるとして、歯科医療従事者に注意喚起するためのツールキットを5月20日に発表した。ツールキットはOSAPのサイトからダウンロードできる。

疑義解釈 歯科関係は6問-厚労省

厚労省は、平成26年度診療報酬改定に関わる疑義解釈を6月4日付で発表した。歯科関係は6題。

歯科受診74.5%が「満足」-日歯調査

歯科医師・歯科医院に対する直近の受診の満足度は、「大変満足」が15.6%、「まあ満足」が58.9%で、全体の74.5%を占めた。日本歯科医師会がインターネット調査会社に依頼した「歯科医療に関する一般生活者意識調査」で分かった。調査は全国の20~79歳の男女1万人を7ブロックに分け、2014年3月4~6日で、サンプルを収集した。

増える医療費「改善必要」が75.7%

増え続ける医療費について国民の75.7%が「問題があり改善が必要」と考えている。健康保険組合連合会の調査によるもの。調査は公的医療保険制度に関するものでインターネットを通じて全国の30~70代の男女1千人から回答を得た。

医賠給付範囲外も補償-歯科リスクマネジメント共済会

歯科における医療過誤以外のトラブルへのサポート、賠償責任に幅広く対応する共済が注目されている。歯科リスクマネジメント共済会(柏木慶永理事長)は、複数の弁護士と顧問契約を結び、さまざまな医療トラブルへの対応をサポートする他、医師賠償責任保険の対象とならない医療過誤ではない賠償責任にも補償するサービスを提供している。

単純ヘルペスの感染機序を解明-北大研究グループ

北海道大学大学院薬学研究院の前仲勝実教授らの研究グループは、皮膚疾患や口唇ヘルペスなどを引き起こす単純ヘルペスウイルスが宿主の免疫細胞から排除されずに体内へ入り込む感染機序を解明した。同研究成果は米国科学雑誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」のオンライン速報版で6月2日に公開された。

歯科国際誌 感染予防対策に注目

歯科国際誌「Dental Tribune」が感染予防対策に注目した記事を掲載している。アジア太平洋版6月3日号で、マレーシアのSafura Baharin氏による「Infection Control in Dentistry has Never been More Essential」と題する歯科における感染予防対策の不徹底を批判する論考を掲載。アメリカ・疾病管理予防センター(CDC)のガイドライン(2003年)の分類の中で、エアロゾルによる感染への対処が進んでいないことに注目している。

毎年の薬価改定に反対表明-米日経済協

公的医療保険で償還される薬価の改定は現行制度で2年ごととなっている。それを毎年の改定に見直そうとの議論が、日本の経済財政諮問会議で続けられている。米日経済協議会(USJBC/本部:ワシントンD.C.、James W. Fatheree会長)は6月9日(アメリカ東部時間)に、反対の立場の声明を出した。

電子レセ請求26年3月診療分 歯科4万施設を突破

社会保険診療報酬支払基金の「電子レセプト請求普及状況」による平成26年3月診療分で、歯科の電子レセ請求医療機関数は前月よりも1,012施設増え、4万906施設となり、4万施設を突破した。

電子レセ請求で早期の移行求める-厚労省

厚生労働省は、平成27年4月からの電子レセプト請求の原則義務化に伴い、保険医療機関に対して早期移行を勧める事務連絡を6月6日付で出した。移行状況の確認が取れていない医療機関には「電子レセプト請求への再移行確認票」(=再移行確認票)を再送し、猶予期限後の請求方法や移行時期などを把握するとしている。

日本での臨床試験状況発表-欧米の製薬企業団体

米国研究製薬工業協会と欧州製薬団体連合会は6月9日、「あなたの身近にある研究開発活動(Research in your backyard)」と題する共同レポートを発表した。

自由開業制の改革を提言-財制審

財務省の財政制度等審議会は、来年度予算編成も含めた今後の財政健全化に向けた報告書を5月30日に取りまとめた。医療・介護分野では自由開業制を無制限に認める現状を改革すべきと提案。さらに地域ごとの医療費支出目標の設定や100円程度の受診時定額負担、特許切れの医薬品の保険償還額を後発医薬品に基づいて設定し、それを上回る部分は患者負担とする制度(参照価格制度)などもあらためて検討するよう求めた。

来年度制度・予算で在宅歯科の拡充要望-日歯と連盟

日本歯科医師会(大久保満男会長)は、平成27年度制度・予算に関する要望書を5月29日の定例会見で発表した。要望書は日歯と日歯連盟の連名で、公的医療保険の堅持、生涯一貫した歯科保健事業の推進、在宅歯科医療の拡充、介護予防における口腔機能の向上の推進、金属代替材料の開発と保険収載に向けての環境整備の5項目を重点項目とした。さらに、院内感染予防対策等の強化、歯科医療機器の新規開発への助成や簡易型アマルガム回収装置に関する予算措置、歯科衛生士および歯科技工士の養成など十数項目を要望した。

新混合診療の撤回求め談話-保団連

全国保険医団体連合会の三浦清春副会長・政策部長は6月9日、政府に対し、「混合診療の新たな枠組みの導入撤回を求める談話」を発表した。混合診療の導入では規制改革会議が早くから検討を進め、政府に「保険外併用療養費制度」の新たな枠組みを要求している。政府は同会議の提案を踏まえ、患者の申し出による混合診療を認め、疾病の種類や治療法に制限は設けないとの方針を固めたという。