厚労省がエボラ出血熱の対応を通知

厚労省は、日本国内でエボラ出血熱に感染疑いのある患者が発生した際の標準的な対応方法をまとめた事務連絡を都道府県や保健所設置市などに8月7日付で送付した。主に患者の血液、分泌物、吐物、排出物に触れることで感染する疾病で、一般の日本人旅行者に対する感染リスクは非常に低いとしながらも、医療機関等から相談があった場合には標準的なフローを参考にしながらの対応を求めている。

エボラ出血熱「歯科での感染あり得る」-豪・大学教授が警告

「歯科医院でもエボラ出血熱の交叉感染があり得る」。オーストラリア・クイーンズランド大学歯学部のLakshman Samaranayake教授(感染管理)が、歯科国際誌「Dental Tribune」電子版8月15日号で警告した。

日本人の平均寿命 男性が初の80歳超

厚労省が発表した平成25年簡易生命表による日本にいる日本人の平均寿命は男性が80.21歳となり昭和22年の同調査開始後、初めて80歳を超えた。女性86.61歳で、前年より男性は0.27歳、女性は0.20歳延び、男女の平均寿命の差は6.40歳と、前年より0.07歳減少した。

SCRP日本選抜大会 優勝は昭和大6年の道家さん

全国歯科大学・歯学部の学生が研究成果と英語でのプレゼン能力を競う平成26年度スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本選抜大会が8月20日、東京・市谷の歯科医師会館で開かれ、昭和大学歯学部6年生の道家碧さんが優勝(基礎部門第1位)した。

歯科の新病名作成に11候補

日本歯科医学会の住友雅人会長は、歯科の新病名を創生するための名称を11候補まで絞り込んだことを明かした。8月2日に福岡市で開かれた平成26年度医工連携事業化推進事業の意見聴取会のあいさつで述べたもの。

災害対策法での公共機関に指定-日医

災害対策基本法に基づき内閣総理大臣が指定する「指定公共機関」に日本医師会が8月1日付で新たに認められた。8月6日の日医定例会見で石井正三常任理事は「47都道府県の医師会は、指定地方公共機関として防災行政に参画している。日医は日本最大の医師集団として、長年にわたり指定公共機関の指定および中央防災会議への参画を目指しており、第一の目標は達成された」と述べた。

広島土砂災害で歯科衛生士が死亡

8月16~20日の局地的豪雨や落雷により岐阜や京都、兵庫、広島の歯科医療診療所での床上浸水や医療機器の故障の被害が出た。また、広島で起きた土砂災害で前広島県歯科衛生士会会長で現県衛生士連盟会長の藤井弥生氏が死亡した。8月25日までに本紙が大きな被害が出ている4府県歯科医師会に確認したもの。

平成26年厚労白書「健康長寿社会の実現」がテーマ

厚労省は「健康長寿社会の実現に向けて─健康・予防元年」と題した平成26年版厚生労働白書を8月1日に発表した。白書は2部構成で、第一部の「健康長寿社会の実現」では、明治から現代までの政策の変遷を解説。高齢化の進展に伴い医療費などの負担増を避けるためにも健康寿命の延伸は重要と強調した。

消費税増税分の補填は計算通り-保団連調査

全国保険医団体連合会は8月19日、消費税8%引き上げに伴う医科診療所の影響調査の結果を発表した。調査期間は7月1日~31日で31施設が対象。平成26年度診療報酬改定では医科は消費税引き上げ分の補填として0.71%の財源が充てられたが、調査結果では消費税増税対応分の保険収入比は平均で0.73%と厚労省の計算とほぼ一致したとの認識を示した。

一般紙で相次ぐ歯科のしわ取り報道

「歯科医が『しわ取り』急増」を報じた「読売新聞」の8月16日の記事が注目を集めている。補綴処置後などに、ほうれい線を取る目的で行われるしわ取り注射にはヒアルロン酸が用いられる。美容目的で行われ、いずれも保険適用外だが、美容外科などでの施術に「敷居が高い」と感じた患者が歯科医院に依頼する例が多いという。ヒアルロン酸は、歯科では口腔乾燥症の症状緩和などにも用いられる身近な材料だが、歯科医師が口腔の外に当たる部位に注射をするのに違和感を覚える人も少なくないのがこの記事から読み取れる。また、8月22日の「東京新聞」も、この問題を追跡。議論が拡大している。歯科治療以外の目的で皮膚に注射することへの国民の不安がうかがえる一方、予防歯科と美容のコラボレーションによる産業創出などの可能性もある。

福岡学園理事長に田中氏再選

福岡歯科大学を運営する福岡学園の理事長に、田中健藏氏が再選した。任期満了に伴い、3日の理事会で決まった。任期は平成29年8月2日までの3年間。

電子レセ5月診療分 入歯科施設6割超える

社会保険診療報酬支払基金の「電子レセプト請求普及状況」による平成26年5月診療分で、歯科の請求総医療機関数に占める電子レセ請求の割合は60.3%、請求総件数に占める電子レセ請求の割合は70.9%で、それぞれ前月よりも1.4ポイント伸び、医療機関数は6割、件数は7割を超えた。

リスク対応型予防歯科の費用対効果 英の国営医療が検証

6歳児からのう蝕予防に効果的と示唆された個々のリスクに応じた非侵襲的予防法(Non-Operative Caries Treatment Program:NOCTP)の費用対効果が高いとする知見が示された。

コクラン共同計画が各社インプラント体調査

どの製品のインプラント体を使用しても、長期的な予後の差を裏付ける臨床疫学的なエビデンスはない、との結論を、国際的なEBMの推進団体であるコクラン共同計画が示した。コクラン共同計画の中で歯科口腔関連の調査研究を実施するオーラルヘルスグループに属するマンチェスター大学歯学部のMarco Esposito主任講師(口腔顔面外科)らによるイギリス・オーストラリアの共同調査。コクラン共同計画電子版報告の7月22日版に発表した。

受刑者の口腔ケア 他職種連携に注目-ロンドンの王立刑務所

ロンドン南部のブリクストンにある王立刑務所で、成人男性受刑者の歯科医療と口腔ケアに対応する他職種連携の取り組みが注目されている。イギリス歯科医師会雑誌「BDJ」8月号で、キングスカレッジ・ロンドンのE. Heidari氏らが報告した事例では、歯科医師のほか、栄養士、メンタルケア専門家、医師、刑務官、地域行政担当者などがインター・プロフェッショナル・リレーションシップ・ネットワーク(IRN)という組織を構成し、受刑者の定期的な口腔管理に努め、一定の成果が上がったという。

認証機関へ業務停止を命令-厚労省

厚労省は8月18日、医科や歯科の医療機器の安全性を審査し認証を行う登録認証機関、フジファルマ(本社・静岡県富士市、永田靖社長)に対し、薬事法に基づく業務停止を命じた。業務停止期間は8月19日から9月2日までの15日間。同省によると、審査記録に空欄があるなど同社が不十分な認証審査を行ったとしているが、認証した医療機器自体には問題がなかったとしている。

10%消費税の対応で要望-全日病

全日本病院協会は平成27年度税制改正要望書を7月31日付で厚労省に提出した。 来年10月に予定されている消費税10%引き上げへの対応では、現在非課税とされている診療報酬の「原則課税」を求めた。同会は、現行の補填方法について「医療機関の実態からみると、経営形態の在り方(外注や委託方式)などにより負担率の軽重があり、過去の診療報酬による加算補填方式では公平性は担保されていない」と指摘。その上で「この公平性が担保されないまま消費税を引き上げれば、医療機関に不公平な税負担を一層強いる結果になる。矛盾を解消するには原則課税」と主張した。