第79回全国学校歯科保健研究大会 文科省が主催降りる

長野県で10月に開催される第79回全国学校歯科保健研究大会の主催者を文科省が降りていた。本紙の調べで分かったもので、同大会の主催から文科省が降りたのは初めて。同省は日本学校歯科医会に今年度の日学歯関連大会の主催および後援はしない旨の文書を送った。理由は平成23年に愛媛県で開催された第75回研究大会での決算書の改ざんの事実を日学歯が知りながらも適切な指導、助言しなかったのを問題視したと見られる。

平成26年度医療費の動向 歯科2兆7,951億円

平成26年度の概算歯科医療費は2兆7,951億円で、前年度比で2.9%増加した。厚労省が9月3日に発表した「平成26年度医療費の動向」で分かった。全体に占める歯科の割合は0.1ポイント増の7.0%で、減少傾向が続いていた状況は若干改善した。医療費が増加する中、歯科医療費は長らく2兆5千億円台を推移してきたが、ここ数年は増加傾向が続いてきた。背景には診療報酬のプラス改定や受診延日数の増加の影響が考えられる。医療費全体は1.8%増の39兆9,556億円と、40兆円の大台が目前に迫っている。

厚労省が来年度税制改正要望

厚労省は、平成28年度税制改正要望を8月26日に発表した。医療関連では、ICT化など医療機関の設備投資に関わる特例措置や特定健診など費用を対象とする所得控除制度の創設、社会保険診療報酬に関わる非課税措置の存続、医療法人の社会保険診療以外の部分に関わる軽減措置の存続、一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設などを求めた。

訃報 梅田昭夫氏

元日本歯科医師会副会長の梅田昭夫(うめだ・あきお)氏は8月31日に死去した。87歳。同氏は昭和2年11月23日生まれ。27年東京歯科医学専門学校(東歯大)卒業。東京都歯科医師会や日歯等で代議員や役員、各種委員を歴任した。63年4月から平成9年3月までは日歯常務理事、9年4月から12年3月まで同副会長、12年4月から15年3月まで同専務理事を務めた。

西村議員の質問で政府「外来環の調査予定なし」

政府は、診療報酬上で評価されている「歯科外来診療環境体制加算(外来環)」の実施状況について「今のところ調査は予定していない」との見解を8月28日に示した。民主党の西村正美参議院議員の質問主意書に対する答弁。

27年5月末歯科医院数 6万8,821施設

厚労省の施設動態調査による平成27年5月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,821施設で、前月よりも11増えた。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、33施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で511減、医療法人は550増。

雇用保険の加入者が増-日衛調査

歯科衛生士の雇用保険への加入率が増加している。日本歯科衛生士会が会員を対象に平成26年10月に実施した調査「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、雇用保険に「加入している」は63.3%で、21年の前回に比べ5.8ポイントの増加。

社保・審査委員改選 歯科は16.1%が新任

社会保険診療報酬請求書審査委員会審査選任基準に基づき、支払基金が委嘱する審査委員の改選がこのほど行われ、歯科では753人中83.9%が再任され、16.1%が新任となった。保険医療機関等から提出される診療報酬明細書の審査を行うため、都道府県各支部に社会保険診療報酬請求書審査委員会を設置し、医師、歯科医師、薬剤師を委員として委嘱する。任期は2年。

臨床医学の論文数 世界5位-内閣府調べ

内閣府が8月20日に発した、科学技術・学術政策研究所がまとめた「科学技術指標と科学研究のベンチマーキング2015」によると、日本の全分野の論文数(2011年~13年)は7万7,094件で世界5位、臨床医学分野の論文数も世界5位で1万6,646件だった。

第14回警察歯科医会全国大会 想定外の対応で議論

「警察歯科医のための災害シミュレーション―想定外の状況にどう向き合うのか」をテーマにした第14回警察歯科医会全国大会が8月29日、仙台市のホテルメトロポリタン仙台で開かれた。主催は日本歯科医師会。シンポジウム「我々にとっての災害とは何か?―全国に問う災害想定とその対応」では、「東日本大震災の経験から考える南海トラフ大地震への対応」と「その他の状況想定のための参考」の二つのセッションが設けられ、大地震、土砂災害、噴火災害、都市災害についての講演があった。

南海トラフ大地震・高知で甚大被害予測も多くの課題

死者1万1千~4万2千人と、大震災で大きな被害が予想されている高知県では、検案所のスペースや歯科医師数をどのように確保するかといった課題が浮き彫りとなっている。8月29日に仙台市のホテルメトロポリタン仙台で開かれた第14回警察歯科医会全国大会のシンポジウムで、東北大学副学長で同大学院情報科学研究科教授の青木孝文氏が分析した東日本大震災のデータを基に、高知県歯科医師会会長の織田英正氏が南海トラフ大地震時の高知県での対応のシミュレーションについて講演した。

乳歯での放射線検査 福島県歯らが注力

福島県歯科医師会、東北大学大学院歯学研究科、奥羽大学歯学部が実施している乳歯を検体とした放射性物質測定の取り組みが加速している。福島第一原発の事故で環境中に放出された多量の放射性物質がどれだけ人体に残留しているかを調べるもので、これまでに約3,200本の乳歯の提供を受け、それぞれに含まれる放射性ストロンチウム、放射性セシウムを測定してきた。

砂糖の有害性検証-IADRら

歯科疾患への砂糖の有害性を検証したレビューを国際歯科医学会(IADR)とアメリカ歯科医学会(AADR)が機関誌「JDR」に掲載したと8月10日に発表した。英国・ユニバーシティカレッジ・ロンドンのAubrey Sheiham氏らによる論文「栄養摂取とう蝕─砂糖制限の重要な原理」では、う蝕が発生、進行する過程で砂糖摂取が関連するプロセスを明らかにした。

イノベーションジャパン2015開催

研究成果の実用化に向けた国内最大級の産学マッチングの場、「イノベーションジャパン2015」が8月27、28の両日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。主催は科学技術振興機構と新エネルギー・産業技術総合開発機構。導電性ダイヤモンドインクを用いた歯科治療用電解器具や、X線写真を使ったコンピュータ支援診断システム、歯科矯正や補綴材料を想定した白いチタン、米ぬかから抽出した歯周病菌予防のタンパク質など歯科医療での応用が期待できる研究が多数あった。さらに、ベンチャー企業によって上市間近の光学センサーを使った摂食嚥下機能解析装置も注目を集めていた。