日本歯科新聞 | 2016年1月19日付
1日の歯科の患者数 推計で136万3,400人
歯科診療所の1月1日の推計患者数は、136万3,400人。厚労省が昨年末に発表した平成26年患者調査で明らかになった。同調査は3年ごとに行うもので、10月の指定した1日が調査期間。歯科の患者数は3年前と比較して900人増加し、現行の調査方法になってからは過去最高となった。男女別では男性が60万800人、女性が76万2,600人だった。
美容目的の医療中途解約認める-内閣府委が報告
消費者トラブルが増加している美容目的の医療について、1月8日間のクーリング・オフや中途解約の対象とするなどの内容を盛り込んだ最終報告書を、内閣府消費者委員会・特定商取引法専門調査会が昨年12月24日にまとめた。
一体型「CT」開発を開始-東北大大学院ら
東北大学大学院歯学研究科は1月12日、デンタル、パノラマ、セファロ、CT画像の全てを1台で撮影できる「一体(オールインワン)型X線CT装置」の共同研究開発をスタートしたと発表した。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医工連携事業化推進事業」に採択されたもので、2018年3月をめどに製品販売を目指す。
診療報酬改定で文書提供要件緩和へ
厚労省は、平成28年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論の整理を1月13日の中医協総会に提示した。総会はこれを了承し、同日から1月22日までパブリックコメントを募集する。歯科は、日本歯科医師会が要望していた「歯科疾患管理料を含む医学管理などにおいて文書提供の要件を見直し」の文言が盛り込まれた。
「高齢者の生きがい作り」-日医会長が年頭会見で抱負
日本医師会の横倉義武会長は1月6日の年頭会見で、今年のキーワードについて「高齢者の生きがいづくり」を挙げた。かかりつけ医を中心とした多職種連携による街作りの在り方について「地域に根ざしたかかりつけ医の存在が、高齢者の尊厳を保ち、住み慣れた地域で健康に過ごせる社会を実現する鍵であり、これを土台として、生活習慣の改善対策や各種健診などの生涯保健事業を体系化し、時代に即した改革を進めていかなくてはならない」と訴えた。
訃報 本山栄荘氏
元広島県歯科医師会会長で、元日本歯科医師会理事の本山栄荘(もとやま・えいそう)氏は1月13日、死去した。84歳。本山氏は昭和6年4月4日生まれ。昭和38年大阪歯科大学卒業。平成15年から1年間、日歯理事等を歴任した。平成8年に厚生大臣表彰、14年には勲四等瑞宝章など数多くの賞を受けている。
安倍首相がランセットに寄稿
英医学誌のランセットに寄稿した安倍首相の健康寿命の延伸に挑戦するとの文書が昨年12月11日の電子版に掲載された。「世界が平和でより健康であるために」と題した寄稿文では「保健は根本的に地球規模の課題」と指摘した上で、「世界は団結し、各国は強靭で持続可能な保健システムを整備し、可能な限り国民の健康水準を向上させなければならない」としている。
2月から本紙に連載「新歯科進化論」
日本の歯科医療には閉塞感が広がっている。その要因はいくつも考えられるが、果たしてこれを打開する道はあるのか。歯科医師であり、中小企業診断士、MBA(経営学修士)を持ち、国際的な視点から日本の歯科医療の今後を見通している赤司征大氏は、「歯科医療の社会的価値を高めることに焦点を当てていくのが、日本の歯科界の明るい未来につながる」と提言する。超高齢社会における健康寿命の延伸に向けて歯科医療を再考する本紙新連載「新歯科進化論」を執筆する赤司氏に、今後の歯科医療が進むべき基本的スタンスを聞いた。聞き手は水谷惟紗久(『アポロニア21』編集長)。
27年8月の歯科医療費・社保 件数、点数とも3.5%の増加
社会保険診療報酬支払基金による平成27年8月診療分の総計確定件数は7,802万7千件、点数1,282億8,321万点で前年同月に比べ、件数は4.7%、点数は5.2%増加した。歯科は1,076万8千件、125億2,038万8千点で、前年同月に比べ、件数、点数とも3.5%増加した。
27年8月の歯科医療費・国保 市町村は件数、金額とも減少
国保中央会がまとめた平成27年8月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆1,645億円で、うち後期高齢者分は1兆2,157億円だった。歯科医療費は市町村が612億円で、対前年同月比で0.8%減、件数は市町村が485万件で、対前年同月比で0.6%減。
歯胚の分割増加に成功-理化学研と医科歯科大
理化学研究所と東京医科歯科大学らの共同研究グループは、歯の原基を分割操作して、一つの歯胚から複数の歯胚を発生させる技術開発に成功した。現在行われている自家歯牙移植や自家歯胚移植は有用な再生治療と注目されているものの、一つの個体が持つ移植可能な歯や歯胚に限りがあるため、歯胚を増やす技術の開発が望まれていた。
九歯大理事長・学長 西原氏が再任へ
九州歯科大学は1月13日、次期理事長・学長に西原達次氏の再任が決まったと発表した。任期は4月1日から2年間。
水素の炎症抑制機序-日本医大の太田氏ら解明
日本医科大学大学院医学研究科教授の太田成男氏らのグループは、抗酸化作用や炎症抑制効果、アレルギー抑制効果などを有する分子状水素の遺伝子発現制御メカニズムの解明に成功したと発表した。
日歯役員人事 牧野氏らが3役候補に
日本歯科医師会の次期役員人事について、本紙の調べでは、いわゆる三役候補者に大阪の牧野利彦氏、岩手の佐藤保氏、静岡の柳川忠廣氏、神奈川の村岡宜明氏の名前が挙がっている。