28年度診療報酬改定「かかりつけ」で包括点数導入

平成28年度診療報酬改定の審議をしてきた厚労相の諮問機関の中医協は2月10日、4月からの新点数を答申した。歯科では在宅医療の推進の観点から「在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料」350~550点を新設するほか、「歯科訪問診療3」を143点から120点に引き下げた。歯科疾患の重症化予防を評価する観点では「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」を新設し、「エナメル質初期う蝕管理加算」260点、「歯周病安定期治療Ⅱ」380~830点、「在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料加算」100点を新設。在宅口腔リハ指導料や強化型で算定できる項目は複数の点数を包括したもので、歯科における包括化が拡大した改定だ。

日歯と大韓歯が会談

日本歯科医師会(山科透会長)は、大韓歯科医師会らと1月20日、東京・市谷の歯科医師会館で会談した。1月28日の日歯の理事会後の定例会見で執行部が報告した。韓国でも同様に高齢化が進んでいるが、日本のような訪問診療のシステムがないため、会談では日本の訪問歯科診療や訪問歯科機材の「デンタパックココロ」、教育システムなどについて意見交換した。

「地域完結型の足掛かり」診療報酬改定で山科日歯会長

日本医師会(横倉義武会長)、日本歯科医師会(山科透会長)、日本薬剤師会(山本信夫会長)は、中医協が平成28年度診療報酬点数表を答申した2月10日に東京・駒込の日医会館で緊急会見を開いた。会見には三師会の会長の他、三師会の中医協委員が出席。日歯の山科会長は「地域完結型の医療を提供するための足掛かりになった」と総括した。

かかりつけ強化型歯科 積極的取り組み促す

日本歯科医師会(山科透会長)は、2月10日の中医協の平成28年度診療報酬点数表の答申を受けて、臨時の記者会見を2月12日に開いた。新設の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」について渡邉正臣副会長は「積極的に施設基準を満たすようにしてもらいたい」と述べた。会見には渡邉副会長、中医協委員の遠藤秀樹常務理事らが出席した。

歯科かかりつけに不満-支払側・改定答申後に会見

中医協の支払側委員は、平成28年度診療報酬点数表の答申後の2月10日に厚労省内で記者会見した。委員からは歯科診療報酬で新設された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」について、「かかりつけ」の概念が議論されないままの点数化を問題視する複数の意見が挙がった。

訃報 坪井栄孝氏

元日本医師会会長で元世界医師会会長の坪井栄孝(つぼい・えいたか)氏は2月9日、死去した。86歳。坪井氏は昭和4年3月22日生まれ。27年日本医科大学卒業。63年から日医常任理事、副会長などを歴任後、平成8年から16年3月まで会長、12年~13年には世界医師会会長を務めた。

市町村での歯周病検診の状況を調査-日歯

都道府県歯科医師会の成人歯科保健の取り組みで、健康増進法に基づく「歯周病(疾患)検診」を実施した市町村について、「把握している」は36歯科医師会で、実施は741市区町村だった。日本歯科医師会がまとめた「平成27年度地域保健・産業保健・介護保険関係アンケート結果」の速報値によるもの。

中国が介護保険制度を検討

習近平政権発足後、社会に広がる格差問題の改善、特に社会保障制度の拡充に取り組む中国で介護保険制度の導入が検討されている。厚生労働省から在中国日本大使館経済部・領事部に一等書記官として出向している西川昌登氏が医療介護福祉政策研究フォーラム(中村秀一理事長)の月例社会保障研究会の特別編で2月8日に東京・内幸町の日本プレスセンターホールで講演した。西川氏は、70年代に日本が経験したような社会制度の構築が求められている段階、と指摘した。

歯周炎の原因遺伝子を発見

歯周炎の原因は、歯肉炎と同様に細菌性プラークが重要な役割を果たすと見られていたが、新たな原因の発見によって歯周病治療、予防の概念が一新する可能性が出てきている。奥羽大学薬学部生化学分野の大島光宏教授は、同原因が歯と歯槽骨間のアタッチメント・ロスを誘引する特有の「歯周炎関連線維芽細胞」にあるのを発見し、同細胞に高発現する原因遺伝子「FLT1(フリットワン)」を突き止めた。実験では、原因遺伝子の働きを阻害する薬剤によって、歯周炎関連線維芽細胞によるコラーゲン分解の抑制にも成功しており、同研究成果は米国の歯周病専門誌「Journal of Clinical Periodontology」(43巻1号)に掲載される予定だ。歯周病患者がなかなか減らない現状を打ち破るものになり得るのか、同研究について大島教授に聞いた。

横浜で震災対策技術展

耐震・免震・地盤沈下・液状化対策技術や長周期振動感知器などの地震対策製品をはじめ、電力、非常時通信、災害用備蓄、水害対策まであらゆる自然災害対策技術を集めた第20回「震災対策技術展」横浜が2月4、5の両日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた。1995年に発生した阪神・淡路大震災後、97年の神戸での開催を皮切りに毎年開催しているもの。

27年10月電子レセ請求 オンライン施設数は13.2%

昨年4月、一部の例外を除いて電子レセプト請求が義務化された。移行後、6カ月が経過した平成27年10月診療分の社会保険診療報酬支払基金の「電子レセプト請求普及状況」では、歯科の請求総医療機関数に占める電子レセ請求の割合は86.2%となり、4月診療分の時点よりも3ポイント増えている。