日歯・堀執行部が発足

日本歯科医師会会長に就任した堀憲郎氏の新執行部が3月11日に発足した。初理事会後の会見で役員人事を発表し、副会長に静岡の柳川忠廣、岩手の佐藤保、大阪の牧野利彦の3氏、専務理事には神奈川の村岡宜明氏が就任した。任期は平成29年6月の定時代議員会終了時までとなる。

日歯代議員会 28年度予算など可決

日本歯科医師会(山科透会長)は3月10、11の両日、第182回臨時代議員会を東京・市谷の歯科医師会館で開いた。山科執行部の総辞職に伴う理事選任の議案は、日歯会長予備選挙当選者の堀憲郎氏が提出した理事候補者24人の全員が過半数以上の信任を得て当選した。また、平成28年度事業計画、収支予算、髙木幹正前会長への役員退職慰労金支給、他の役員退職慰労金の支給などの議案も可決した。

日歯が診療報酬改定で説明会

日本歯科医師会(山科透会長)は3月8日、平成28年度診療報酬改定を説明するための都道府県歯科医師会社会保険担当理事連絡協議会を東京・市谷の歯科医師会館で開いた。

28年度改定 暫間固定の算定要件を明確化

平成28年度歯科診療報酬改定において、「暫間固定」の算定要件に「エナメルボンドシステムにより暫間固定を行った場合の除去料は別に算定できない」の文言が追加された。3月8日に日歯が開いた都道府県歯科医師会社会保険担当理事連絡協議会で厚労省が説明した。

ジャケット冠6月末で廃止

平成28年度診療報酬改定で「ジャケット冠」390点が廃止になる。ただし、経過措置として6月30日までは算定が認められる。

訃報 栗山豊実氏

元富山県歯科医師会会長で、元日本歯科医師会代議員の栗山豊実(くりやま・とよみ)氏は3月10日死去した。78歳。同氏は昭和12年7月24日生まれ。37年東京歯科大学卒業。50年から富山市歯理事、富山県歯理事等を歴任、平成13年~21年3月まで県歯会長を務めた。12~21年まで日歯代議員。13年に藍綬褒章、21年に旭日小綬章を受章。20年に日歯会員有功章を受賞している。

事業計画、予算を承認-全歯連

全国歯科医師国民健康保険組合連合会(山口誠一郎会長)は、平成27年度第2回通常総会を東京・市谷のアルカディアで3月1日に開いた。28年度の事業計画や歳入歳出予算をはじめとした五つの議案を可決するとともに、各組合の役員や職員らの功績を称え48人を表彰、さらに退任した全歯連の前役員や委員長らに感謝状を贈呈した。

死亡共済等給付引き下げ-日歯委が答申

日本歯科医師会の厚生委員会(大森靖委員長)は、80歳以上の死亡共済保険金および傷害退会共済保険金を400万円から300万円に平成30年度より引き下げる規則改正について、「誠に遺憾ながら、せざるを得ないものと判断する」との諮問の検討結果を、山科透日歯会長に答申した。ただし、その際の付帯事項として、「死亡率および解約率等の検討を行い、必要に応じて改定を行うべき」との考えを加えた。

仮設共同運営から独立開業-大槌町・小松歯科医院(特集 震災から5年)

6軒あった歯科診療所全てが全壊し、歯科医師2人が死亡した大槌町。2011年の6月、10月の取材時には、地域医療の再建を目指す4人の歯科医師が力を合わせて、一つの仮設診療所を運営していた。当時のリーダーの小松元氏を訪ねると、仮設診療所から数百㍍離れた場所に「小松歯科医院」が建っていた。

親子で地域医療を支える-陸前高田市・吉田歯科医院(特集 震災から5年)

「今は東京から戻ってきた息子がメインでやっている」と話すのは、岩手県陸前高田市の吉田歯科医院院長の吉田正紀氏。同市は、9軒あった歯科診療所が全て被災し、2人のドクターが亡くなっている。2011年の6月、10月に取材した仮設歯科診療所は駐車スペースになっており、向かいに本設の診療所ができていた。正紀氏の息子で副院長の重之氏と二人で検討し、将来的な必要性からマイクロスコープやセレックなど新たな機器も導入し、親子で地域医療を支えている。さらに、子育てに奮闘中の重之氏は、小児科医と協力して、陸前高田のこれからを担う子供たちの健康啓発プロジェクトも立ち上げていた。

期待と責任の中で診療-南三陸町・南三陸病院(特集 震災から5年)

建物の4階まで津波が押し寄せ、入院患者と職員の74人が犠牲になった宮城県南三陸町の公立志津川病院跡には、出入り口の名残のコンクリートがあるのみで更地となっている。以前の取材では見られなかった、3階に相当する高さの盛り土が辺りに幾多と存在する。自らが車のハンドルを握り、町を案内してくれたのは、南三陸病院歯科口腔外科の斎藤政二氏。公立志津川病院は、高台に場所を移して公立志津川病院仮設診療所、公立南三陸診療所と姿を変え、昨年12月14日に南三陸病院として本設に至った。「町民はいまだに仮設住宅に住んでおり、ほとんどが仮設の建物で仕事をしている中、本設の建物をいただいた。うれしい半面、ものすごいプレッシャーを感じている」と、斎藤氏は期待と責任の中で必死に診療に当たっている。

プレハブから施設へ移転-女川町・女川地区仮設歯科診療所(特集 震災から5年)

木村裕氏は東日本大震災が起こるまで、特別養護老人施設や老人保健施設への訪問診療など、宮城県女川町で地域密着の歯科医療を行ってきた。2011年3月11日、地震による津波で歯科医院もろとも全てが流された。しかし同年6月から女川町立病院(現・女川町地域医療センター)に隣接する老人保健施設(現・元老健施設の建物)の談話コーナーの一角を借りて診療を再開、11月からは町立病院の駐車場に立つプレハブ内に仮設歯科診療所を設置し、震災後も何とかして歯科医師の仕事を続けてきた。現在は元老健施設の1階に仮設歯科診療所を移し、診療を行っている。震災から5年がたち、改善されたことや新たな問題、町の現状等について語ってもらった。

石巻歯・泉谷元会長に聞く 当時と現在(特集 震災から5年)

宮城県の石巻市と東松島市、女川町からなる石巻歯科医師会のエリアでは、歯科診療所78軒中、全壊23軒(29.5%)、大規模半壊14軒(17.9%)、半壊7軒(9.0%)、一部損壊13軒(16.7%)と甚大な被害を受けた。震災3カ月後から4年間、同会の会長を務めた泉谷信博氏は、震災直後は被災者同士にいわゆる『絆』が芽生えて無我夢中で復興、復旧に向け結束が強かったものの、時間が経過するにつれて、被災者間に格差が生じている現状に複雑な思いで5年目を迎えようとしている。同氏にこれまでの状況や取り組みについて語ってもらった。

会員28人は全国各地に分散-双葉郡歯(特集 震災から5年)

福島県は東日本大震災により地震と津波に加え、福島第一原子力発電所事故の災害にも見舞われた。双葉郡歯科医師会会長の佐藤唯彰氏は当時、同郡歯の副会長を務め、双葉郡双葉町で開業していた。震災後、東京での避難生活を経て、2011年6月に福島県岩瀬郡天栄村で開業、歯科医師の仕事を続けている。震災から5年たつ今、被災した直後の状況を振り返りつつ、これまでの双葉郡歯の活動や会員の状況、現在の診療等について話を聞いた。

食の支援テーマにシンポジウム-災害公衆歯科研

災害時の食支援について多職種で課題を話し合うシンポジウムが3月12日、東京医科歯科大学で開催された。主催は日本災害時公衆衛生歯科研究会で、日本歯科医師会、日本栄養士会、日本災害食学会、DNGL、岩手県歯科医師会が共催。開会のあいさつで、座長の中久木康一東京医科歯科大学助教は、さまざまな原因により食べることが困難になる「食の脆弱性」に対して、支援する各専門職を集めて話し合う機会を作った。専門性により、いろいろな観点があるが、現場から情報を発信し、継続的に共通化できる方向性を示したい、とシンポジウムの目的を話した。

保険診療の扱いで特例措置の延長了承-中医協

中医協は、東日本大震災の被災地域における診療報酬などの特例措置の延長を3月9日に了承した。歯科で対象となるのは、岩手の仮設建物で保険診療を行っている1軒。

震災復興支援チャリティー講演会 大会長に聞く思いと意義

2011年の東日本大震災から今年は5年目を迎えた。4月16、17の両日、仙台市に国内外の歯科技工士34人が集結し、「東日本大震災復興支援チャリティー講演会」仙台大会が開かれる。同講演会の実行委員長である山本眞氏の呼び掛けに応えたもので、演者は国内外を問わず交通費も自らが負担して参加、そして講演会の収益は全額東日本大震災復興支援財団「まなべる基金」に寄付される。

日技代議員、全員当選

日本歯科技工士会の中央選挙管理委員会(矢下一郎委員長)は、日技代議員を発表した。

骨カルシウム溶解に新メカニズム-北大・東北大らが発見

北海道大学と東北大学らの研究グループは新たな骨カルシウム溶解メカニズムを発見したと3月4日に公表した。これまで血液中のカルシウム濃度が低下すると破骨細胞が骨表面を溶かし、血液中にカルシウムを供給すると考えられていた。しかし、骨の中に無数に存在する骨細胞も骨細管を利用し、骨形状を破壊せずに骨内部からカルシウムを溶解し、血中に放出する働きを持つと判明した。同発見により、骨が減少する病気の新しい予防や治療法の開発に期待がかかる。

総合臨床医の育成へ-明海大が認定資格で授与式

明海大学は、高度な専門的知識と技術を持つ総合臨床歯科医師の育成を目的に開設した歯科総合医育成コース認定医制度で、基礎的臨床教育を修了した「Excellent Clinician」の資格称号授与式を3月4日、東京・新宿の明海大学・朝日大学歯科医師生涯研修センターで開いた。「資格は取得が目的ではなく、患者に生かしてこその資格」として、日々の臨床のレベルアップに期待を示した。

被災地の学校にお口手帳を贈呈-東北大・歯学研究科

東日本大震災後に食生活を含む生活習慣の乱れが問題となり、子供たちの健康被害が危惧されている。東北大学大学院歯学研究科(佐々木啓一研究科長)は、東北大学災害復興新生機構・復興アクション事業の一環として、「お口の成長記録手帳」を宮城県亘理町立の小学校3校、中学校2校の平成27年度卒業生に贈呈した。

ジーシーが創業95周年

今年2月に創業95周年を迎えたジーシー(本社・東京都文京区、中尾潔貴社長)は、仕事の質向上を目指すKI(改善・イノベーション)活動の世界大会決勝ラウンドを2月11日に、95周年記念式典を翌12日に東京・台場のホテルグランパシフィックLE DAIBAで開催した。式典には国内外から約1千人が参加し、全社員で2021年の創業100周年に向けて目標や決意をあらためて共有した。また、海外では3月にベルギー、4月にシンガポール、7月にアメリカ・シカゴで記念祝賀会を開く予定。