日本歯科新聞 | 2016年4月19日付
熊本地震 熊本の歯科診療所で全壊1軒
熊本県で4月14日に最大震度7、マグニチュード6.5、4月16日に最大震度6強、マグニチュード7.3の地震により、歯科診療所が1軒全壊したほか、九州各地の歯科診療所に大きな被害が出ている。熊本、大分、宮崎県歯科医師会や地元の歯科関連企業などへの本紙の取材で分かった。熊本県内の歯科診療所の全壊は4月16日の地震によるもの。また4月18日午後1時現在で、同県、大分でユニットがずれた、診療所内の棚やレントゲンが倒れる、断水・停電等による休診などの被害が出ている。情報が錯綜しているため、時間の経過に伴い被害報告件数が増える可能性もある。
日歯が義援金口座を開設
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、熊本地震の被災者に対する支援のための義援金募金口座の開設を4月18日に発表した。募金の期間、6月30日まで。
義歯の名入れ 実費徴収を認める
中医協は4月13日の総会で義歯に個人の氏名等を判別するための刻印やプレートの挿入を行う「義歯への名入れ(デンチャーマーキング)」について、「療養の給付とは直接関係ないサービス」として位置付け、実費徴収を認めることを了承した。具体的な運用は関連通知が発出されてからとなるが、今後、現場で混乱が起きないよう、通知内容を詰めていく方針。義歯の名入れの取り扱いについては、これまで明確な規定はなかった。
熊本地震被災者 保険証なしでも受診可能
厚労省は、4月14日の熊本地震の発生を受けて、被災者が保険証を保険医療機関に提示しなくとも受診を可能にする旨の文書を都道府県に4月15日、送付した。
歯科医師の必要数 NDBの活用を提言
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、歯科医師需給推計の在り方について「直近のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用しながら必要な歯科医師数を議論すべき」との見解を示した。4月12日に厚労省が開いた「歯科医師資質向上等に関する検討会・歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ(WG)」で示したもの。WGの議論は同日で終了し、5月に開催される歯科医師資質向上等に関する検討会で内容が報告される。
英国歯科医師会が日歯を訪問
英国歯科医師会のNairn Wilson会長が4月5日、日歯を表敬訪問し、堀憲郎会長、小林慶太常務理事と両国の歯科事情などについて意見交換した。4月8日に日歯がプレスリリースで発表したもの。それによるとWilson会長は、「英国歯科医師会―過去、現在、未来」と題して、英国の歯科事情についてプレゼンテーションした。英国では専門医制度が一般開業医と専門医の双方にとって相乗効果を伴って機能していることを説明した。
3月の医療事故報告は48件で相談141件
日本医療安全調査機構の調べによると、平成28年3月の医療事故報告件数は48件だった。うち病院が43件、診療所が5件で、診療科別では外科10件、整形外科7件、循環器内科6件、歯科の有無は明らかにされていない。
保健所・市区町村の常勤 歯科医149人、衛生士695人
平成26年度末の保健所および市区町村の地域保健事業に関わる常勤職員は、歯科医師149人、歯科衛生士695人だった。厚労省の地域保健・健康増進事業報告で分かったもので、前年度と比較すると歯科医師は5人、歯科衛生士は19人それぞれ減少した。24年度と比べると8人、20人減っており、保健所における歯科医師、歯科衛生士は減少傾向にある。
社保28年1月診療分 件数、点数とも査定率は減少
社会保険診療報酬の平成28年1月歯科診療分の原審査状況で、請求件数に占める査定件数率は0.421%で、前年同月に比べ0.024%減少した。査定点数率も0.045%で、0.001%減少した。
国際デンタルショー インド歯が概要発表
インド歯科医師会は10月7~9日にムンバイ・Bandra-Kurla Complexで開催される国際デンタルショーの概要を発表した。昨年の実績は、参加者数は18カ国から1万5千人、37の学術講演が行われ、250の出展者数だった。
被災牛の放射能量を分析
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故後、旧警戒区域にいたウシの歯から、高い値の放射性ストロンチウム(Sr-90)が検出された-。東北大学大学院歯学研究科、理学研究科、農学研究科、加齢医学研究所等の共同研究グループによるもの。原発事故に関しては、セシウムやヨウ素に関する報告は多いが、体内への蓄積性が高いSr-90に関する報告は、測定法の難しさもあって、限定的だった。
食育の知識の有無とむし歯増加リスクが関係
食育の知識のない男子大学生は、むし歯増加リスクが高い-。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授、同大保健管理センターの岩崎良章准教授らの共同研究グループが大学生2,184人を対象にした3年間の追跡調査(562人)で明らかにした。なお、同研究成果はアメリカの科学雑誌「Nutrients」電子版(2月25日)に掲載されている。
細胞接着分子エイキャム 糖尿病発症を予防
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の研究グループは、細胞接着分子「ACAM(エイキャム)」がメタボリックシンドロームと糖尿病の発症を予防するのを世界で初めて突き止めた。同大が4月11日に公表したもので、米国の科学雑誌「Diabetes」電子版(3月8日)に掲載されている。
難治性慢性疼痛の機序 グリア細胞が関与
外傷を負った後に、怪我をした部位が治癒しても長期間にわたって痛みが持続する難治性慢性疼痛の脳内メカニズムの一部を、自然科学研究機構と山梨大学、福井大学、理化学研究所らの共同研究グループが明らかにした。同研究成果は「Journal of Clinical Investigation」オンライン版(4月13日)に掲載されている。
医療の消費税非課税が前提-日医
日本医師会の医業税制検討委員会は、消費税10%引き上げに伴う控除対象外消費税の取り扱いについて、現行の非課税を前提とした制度にすべきとする答申書をまとめた。3月23日の定例会見で発表したもの。