日本歯科新聞 | 2016年10月4日付
26年度国民医療費 歯科は2兆7,900億円
厚労省は9月28日、平成26年度国民医療費を発表した。全体の医療費は40兆8,071億円、そのうち歯科診療医療費は2兆7,900億円で、いずれも過去最高額となった。前年度と比べると全体は7,461億円、歯科は532億円それぞれ増えた。全体に占める歯科の割合は6.8%で前年度と変わらない。
自転車で被災地駆ける
東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市と大船渡市を自転車で駆け抜ける。第5回「ツール・ド・三陸 ~サイクリングチャレンジ2016~ in りくぜんたかた・おおふなと」が9月25日に開かれた。沖縄から北海道まで、6~75歳の約950人が参加した。東北地方三陸エリアの復興町づくりを、環境にやさしく、健康的な自転車イベントの開催で応援しながら、地域振興と広域観光の推進を継続的にサポートしていく目的がある。実行委員長を務めるのは、5年前に津波で診療所が全壊した経験を持つ吉田歯科医院院長の吉田正紀氏。
オリゴ糖が唾液IgAを増加
軟消化性糖類の一種、フラクトオリゴ糖(FOS)を継続的に摂取すると、口腔や上咽頭におけるウイルスや細菌などの侵入を粘膜表面で抑制する唾液IgA抗体の分泌量が増加する-。神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔科学講座教授の槻木恵一氏らの研究グループが発見したもので、メカニズムとして腸管内での短鎖脂肪酸が重要な役割を果たす可能性を見いだした。オリゴ糖によるプロバイオティクスは、腸管に対する効果が主と考えられているが、唾液の質にも影響し、感染予防に役立つと判明した。
高額レセ件数 過去最高に-健保連
健保連は、平成27年度高額レセプトの状況を発表した。「高額医療交付金交付事業」に申請された医療費のうち、1カ月の医療費が1千万円以上の件数は、前年度より61件増加の361件で過去最高となり、3年連続の300件台となった。
ISO/TC106年次会議 日本提案の2事業を承認
歯科医療機器に関する国際規格への対応に向けて日本の提案する「接着性を有する歯科用レジン系セメント」と「CAMの加工精度―試験方法」の2件のプロジェクトが第52回ISO/TC106年次会議で発行段階に進めるのが承認された。会議は9月11日から6日間、ノルウェーのトロムソで開かれ、日本からは団長で日歯副会長の牧野利彦氏、副団長で日歯常務理事の杉山茂夫氏と日本歯科材料器械研究協議会会長の根來紀行氏、そして日本歯科医学会から東歯大教授の柴原孝彦氏、TC106日本議長の小田豊氏など79人が参加した。
ハーバード大ら 水道水フッ素化めぐり論争
ハーバード大学歯学部、アメリカ歯科公衆衛生協会、アメリカ公衆衛生協会は、「ハーバード公衆衛生」誌が5月20日付で掲載した水道水フッ素化に関する論文に対し、撤回、修正論文の掲載を求めている。
病床削減等の廃止求め決議-保団連
全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は、「社会保障改悪に反対し、必要な入院医療が提供できるよう求める決議」を塩崎恭久厚労相に提出した。
人間ドックの受診者 歯科健診追加は1.9%
受診対象年齢層の86.0%が人間ドックを受診するとしたら歯科健診も受診する意向を示したものの、実際に人間ドックを受けている人のうち、オプションで歯科健診を受診しているのは1.9%に留まっている。東京医科歯科大学歯学部の加賀あかり氏らの研究で、9月17日から3日間、広島市の広島国際会議場で開かれた日本歯科衛生学会第11回学術大会でポスター発表があった。
京都大学病院歯科口腔外科 患者情報を紛失
京都大学医学部附属病院(稲垣暢也病院長)は9月26日、歯科口腔外科で患者情報が含まれたSDカードの紛失が9月6日に判明したと発表した。
世界骨粗鬆症デーに向け骨量測定の大切さ強調-JOF
骨粗鬆症財団(JOF)は、10月20日の世界骨粗鬆症デーに先駆けて、骨量を知る重要性や国内外での取り組みを紹介するプレスセミナーを9月28日、東京都千代田区の東海大学校友会会館で開いた。健康寿命を伸ばすためにも、骨折などの運動器疾患を予防するのが重要と言われている。健康長寿社会の実現を目指す歯科界としても、骨粗鬆症と歯周病の関係や、栄養の摂取、スポーツ歯科の側面からアプローチが求められている。
水道水のフッ素化 Ⅱ型糖尿病に関連
アメリカ・ケースウェスタンリバース大学医学部のKyle Fluegge博士(疫学・生物統計)は、水道水フッ素化地域において、Ⅱ型糖尿病の罹患率(incidence)と有病率(prevalence)に影響があるとの研究結果を「The Journal of Water and Health」誌(DOI:10.2166/wh.2016.012)に報告した。
医療費と保健事業など報告-8020財団
8020財団は9月17日、東京・市谷の歯科医師会館で平成28年度歯科保健事業報告会・公募研究発表会を開いた。事業報告では、奈良県歯科医師会の小向井英記氏が「奈良県下自治体の医療費分析から考察する歯科口腔保健事業」、大阪府歯科医師会の津田高司氏が「糖尿病と歯周病に関わる医科歯科連携推進事業」、ライオン歯科衛生研究所の黒川亜紀子氏が「子どもの口腔の健康から 健康な地域づくりⅢ」について報告。
国民の健康長寿を応援「入れ歯でカムカム会」発会式
入れ歯を通して歯科医療の向上と、国民の健康長寿を応援するNPO法人「入れ歯でカムカム会」(水谷鉱理事長)は、第1回理事会と発会式を東京・湯島の東京ガーデンパレスで9月22日に開いた。
デンマーク保健機関 抗菌薬の適正使用でガイドライン
デンマーク保健機関(DHA)は歯科医療における抗菌薬の適正使用のためのガイドラインを8月にアップデートした。薬剤耐性菌の発生を抑制するためのもので、易感染性の患者への外科的介入など必要な場合を除き、ルーティンに抗菌薬を使用してはならないと警告。
糖尿病重症化予防で日米討論会
歯周病との関連性が指摘されている糖尿病の重症化予防をテーマとした「慢性疾患管理に関する日米討論会」が9月29日、東京都千代田区の丸ビルで開かれた。日本医師会、「慢性疾患と戦うパートナーシップ」(PFCD)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)の共催で、慢性疾患の影響による日本の社会的・経済的負担や糖尿病治療・予防に関する取り組み、未治療患者の受診率や治療中患者の服薬アドヒアランスの向上などについて議論し、討論会後の記者説明会では議論結果の報告を行った。
昭和薬品化工の全株譲受-ジーシー
ジーシー(本社・東京都文京区、中尾潔貴社長)は、歯科薬品メーカーの昭和薬品化工の普通株式全株をユニゾン・キャピタルがアドバイザー等を務める投資ファンドから9月30日に譲受した。同日、ジーシー本社で開いた記者会見で発表した。両社はそれぞれが培ってきた歯科薬品事業と歯科器材事業との相乗効果の創出を図り、さらなる事業拡大とグローバル展開の活性化を目指すとしている。昭和薬品化工の新社長にはジーシー常務取締役の吉田誠治氏が就任した。
「か強診」の調査内容を了承-中医協
中医協は、平成28年度診療報酬改定に関わる検証のための「かかりつけ歯科医機能」、「在宅歯科」などの調査内容を9月28日に大筋で了承した。同調査は28年度改定の答申書の付帯意見に基づいて行われるもの。厚労省では、「かかりつけ歯科医機能」、「在宅歯科」ともに10月~11月に調査する。このほかにも、紹介状なしの大病院受診時の定額負担導入の実施状況、夜間の看護要員配置の要件見直しの影響などの調査を行う。
一般紙ら対象に再生医療を講演-日歯連盟
日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は、組織や歯科医療への理解を求めるための記者懇談会を9月29日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開いた。報道・出版関連の約20社が参加し、日本歯科大学生命歯学部の中原貴教授による「バイオ再生医療と歯髄細胞バンク」を聴講した。