CAD/CAM冠 届出施設は3万4,339

診療報酬点数の「CAD/CAM冠」を届け出ている歯科医療機関は、平成27年7月1日現在で3万4,339施設と前年同時期に比べて1.7倍増えた。厚労省が10月19日の中医協総会に報告した医科、歯科の主な施設基準の届出状況で明らかになった。保険導入後、1年3カ月の間に、急速に普及している現状が浮き彫りになった。

福岡で歯科医学会総会

4年に1度の国内歯科界最大の学術大会、第23回日本歯科医学会総会(水田祥代会頭)が10月21日から3日間、福岡市の福岡国際会議場および福岡サンパレスで開かれた。「歯科医療 未来と夢」をメーンテーマに、各分野の最新情報や重要課題についての多彩な講演、シンポジウムが企画され、歯科医療関係者約9千人が参加した。なお、併催の第69回九州歯科医学大会や日本デンタルショー2016福岡も注目を集めていた。

日歯総研が分析 伸び目立つ歯科疾患管理料

歯科診療報酬点数の平成26年と27年を比較して最も増加した項目は歯科疾患管理料だった。日本歯科総合研究機構が社会医療診療行為別統計を分析して分かったもので年間の医療費ベースに換算して131億円の増加になる。

鳥取地震 歯科診療所の被害5軒

鳥取県中部を震源とするマグニチュード6.6の地震が10月21日午後2時7分頃発生し、同県倉吉市などで震度6弱、鳥取市などが震度5強を記録した。この地震に伴い、少なくとも5軒の歯科診療所で屋根の瓦の落下などの被害が出ている。鳥取県歯科医師会への本紙の取材でわかった。

金属床の総義歯 1床当たり29万円

選定療養における金属床による総義歯の1床当たり平均額は29万559円。厚労省が10月19日の中医協総会で選定療養の実施状況の報告で明らかにした。平成27年7月1日現在で金属床による総義歯を実施している歯科医療機関は1万168施設で前年同時期に比べて1,664施設増加した。

高額療養費見直しへ

厚労省は、医療費の負担の上限額を所得に応じて設けている高額療養費制度について、現役世代並みの所得がある70歳以上の負担額を見直す論点案を、9月29日の社会保障審議会医療保険部会に提案した。政府の経済・財政再生アクション・プログラムでは、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化として高額療養費の見直しを求めている。

社保指導者研修会で歯科の方向性を解説

在るべき歯科医療について、日本歯科医師会の遠藤秀樹常務理事は「口腔機能の維持・向上による国民の健康寿命の延伸とQOLの改善が目標。28年度診療報酬改定はその第一歩」と話した。10月17日に厚労省と日歯の共催で開かれた平成28年度社会保険指導者研修会で述べたもので、今改定の目玉の一つのかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の考え方などを解説した。

千葉の元病院副院長 懲戒解雇処分の無効訴える

千葉県にある亀田総合病院を昨年9月に懲戒解雇処分となった元副院長の小松秀樹氏が、医療・福祉・介護などを展開する亀田グループの医療法人鉄薫会(亀田隆明理事長)と社会福祉法人太陽会(亀田信介理事長)に対し、処分は無効で未払給与相当額および未払顧問料相当額など1,957万円を求める民事訴訟を9月13日に千葉地方裁判所館山支部に起こした。さらに、今回の訴訟とは別途に厚労省元課長と千葉県の医系技官に対し、言論の抑圧を図ったなどとし慰謝料25万4千円の民事訴訟を9月23日付で起こした。

医師需給対策 日医副会長が「歯科の二の舞」懸念

医師不足や偏在が社会問題となり、医学部の定員増が続いている。しかし、一部では「すでに医師不足ではなく、医師過剰の側面も見られるのではないか」との指摘があり、日本医師会の中川俊男副会長は「厚生労働省の医師受給対策が十分でなく、将来、大変なことになる。このままでは(長期的な受給対策を見誤った)歯科医師や弁護士の二の舞になる」と懸念を示した。10月20日に開催された第48回社会保障審議会医療部会の席上での発言。

健診データ標準化への宣言

日本医師会や全国労働衛生団体連合会など10の医療関係団体で構成する日本医学健康管理評価協議会(会長・横倉義武日医会長)は、健診データ仕様の標準化やデータベースの構築など生涯保健事業の体系化への取り組みに向けた共同宣言を10月12日に発表した。

28年厚生労働白書 テーマは「高齢化乗り越える」

厚労省は、「人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える」をテーマにした平成28年版厚生労働白書を公表した。白書は2部構成で、第1部はテーマに沿った内容、第2部は年次行政報告を記載している。テーマは毎年異なり、今年は高齢化が進展するわが国がどのような社会の在り方を目指し、そのためにどのような施策を行っていくべきかを高齢化先進国としてグローバル社会に示すとの観点から決めている。

28年7月歯科診療所数 6万8,888施設

厚労省の施設動態調査による平成28年7月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,888施設で、前月よりも13増えた。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、178施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で313減、医療法人は490増。

高額薬剤使用で医師にアンケート 9割が「制限すべき」

厚生労働省が高額薬剤への緊急的な対応として抗PD-1抗体「オプジーボ」について、薬価の引き下げを検討する中、高額薬剤を国民皆保険のもとで使用することに制限を付けるべきかどうか議論が起きている。10万人以上の医師が参加する医師専用コミュニティサイト「メドピア」がアンケート調査したところ、9割以上の医師が高額薬剤の使用について制限すべき、と回答した。

日医が「職業倫理指針」公表

医療が時代とともに変わっていく中で、日本医師会(横倉義武会長)は「医師の職業倫理指針」の第3版を発行した。10月12日の会見で公表したもので、医師の基本的な責務、患者の同意、応召義務、かかりつけ医の責務、終末期医療などについて解説している。指針の改訂は8年ぶりで、生殖医療や遺伝子をめぐる課題などの項目で追加・変更した。基本的責務の項目で、信頼の基盤となる品位の保持については「さまざまな学識や経験を生かした多面的なものの見方ができるように見識を培い、医業の尊厳と医師としての社会的使命を重んじ、また、その言動について責任を持つべきであり、患者や社会の信頼に応えるよう努めなければならない」と明記した。

全国歯科医師会野球大会 静岡選抜が初優勝

第5回全国歯科医師会野球大会が10月8~10日の3日間、都内の都立大井ふ頭中央海浜公園で開かれ、初参加の静岡県選抜チームが初優勝した。主催は日本歯科医師野球連盟。なお、野球連盟会長は来年4月から長谷宏一氏に変わる。次回は来年10月の開催が決まっている。

東京医科歯科大学 国際戦略を紹介

東京医科歯科大学は10月12日、東京都文京区の同大で平成28年度第4回記者懇談会を開き、大学の特色として「グローバリゼーションと国際的研究医の養成について」の紹介を行った。副学長の鳥山一氏、医学科教育委員長の秋田恵一氏、歯学科教育委員会委員の井関祥子氏がそれぞれ「世界へと翼を広げる『スーパーグローバル大学』TMDU~東京医科歯科大学のグローバル戦略」、「研究医を養成するために」、「世界で活躍する口腔科学研究者の養成を目指して」についてそれぞれ話した。

28年5月の歯科医療費・社保 件数4.0%、点数4.4%増

社会保険診療報酬支払基金による平成28年5月診療分の総計確定件数は8,480万4千件、点数1,310億3,684万8千点で、前年同月に比べて件数は4.6%、点数は4.9%増加した。歯科の診療報酬諸率は1件当たり点数1,169.4点、1日当たり点数676.4点、1件当たり日数1.73日で、前年同月に比べ、1件当たり点数は0.4%増、1日当たり点数は2.2%増、1件当たり日数は1.7%減少した。

28年5月の歯科医療費・国保 市町村の金額は0.03%減少

国保中央会がまとめた平成28年5月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆1,749億円で、うち後期高齢者分は1兆2,354億円だった。歯科医療費は市町村が647億円で、対前年同月比で0.03%減。組合は46億円で1.3%増。後期高齢者は447億円で7.6%増加した。

国際福祉機器展が開催される

アジア最大規模の国際展示会「第43回国際福祉機器展」が10月12~14の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれ、日本を含め17カ国1地域から527社が出展、福祉施設や在宅サービスの関係者ら11万2,752人が来場した。最先端技術を活用した介護ロボットや福祉車両、車椅子のほか、口腔ケア用品、介護用の器具や食品なども数多く展示された。

福岡で初の開催 日本デンタルショー

初の福岡開催となった4年に一度の国内の歯科界最大規模の展示会「日本デンタルショー2016福岡」が10月21~23の3日間、福岡市のマリンメッセ福岡で開かれた。第23回日本歯科医学会総会との併催で、テーマは日歯医学会総会と同じ「歯科医療 未来と夢」。来場者数は目標としていた2万人を超えそうで、職種別の内訳を含め詳細は後日発表される。主催は日本歯科商工協会。

薬事功労者で厚労大臣表彰

平成28年度薬事功労者厚生労働大臣表彰の表彰式が10月21日に東京都千代田区の厚生労働省講堂で行われ、薬剤師会や医薬品製造、医療機器等の関係者ら89人と医薬品卸業関係の1団体が受賞した。歯科関係者の受賞はなかった。