日本歯科新聞 | 2016年11月1日付
世界医師会次期会長に横倉日医会長
日本医師会の横倉義武会長が世界医師会(WMA)の次期会長に就任した。10月22日に台湾の台北で開かれた世界医師会総会で決まったもの。横倉会長は日医を通じて「大変に名誉なことだ。世界医師会の活動がより広く認知され、多くの成果がもたらされるよう今後も努力していく」との談話を発表した。横倉会長が世界医師会会長に就任するのは2017年10月にアメリカのシカゴで行われる総会で、任期は1年間。
柔道家・古賀氏 マウスガードの体育授業での有用性示唆
バルセロナオリンピック金メダリストの柔道家、古賀稔彦氏は、「上級者は経験からけがを未然に防ぐ力があるが、初心者はけがのリスクがある」として、学校の授業や町道場ではマウスガードを使う有用性があるのではないかと提案した。10月21日から3日間、福岡市で開かれた日本歯科医学会総会の日本歯科医師会プログラム「日本のスポーツ振興と歯科医学・歯科医療~2020年東京オリンピックに向けて」のライブインタビューで発言したもの。
次世代型保健医療システムを提案
厚労省の「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会」は、2020年度から段階的に次世代型保健医療システムの運用を提言する報告書を10月19日に公表した。次世代型システムは、診療データなどを分析し現場で最適な診療を支援する「次世代型ヘルスケアマネジメント」、患者や保健医療専門職が情報共有できる「PeOPLe(Person centered Open PLatform for well-being)」、目的別に保健医療データを収集・加工・提供できる「データ利活用プラットフォーム」を連動させる仕組みで、ICT技術を積極的に取り入れながら国民本位のオープンなインフラ整備を図る。
佐藤日歯副会長 がん対策の推進を求める
日本歯科医師会の佐藤保副会長は、厚労省が10月26日に開いたがん対策推進協議会に参考人として出席し、口腔がん対策や周術期の医科歯科連携のさらなる推進の必要性を訴えた。会合には国立がん研究センター中央病院歯科医長の上野尚雄氏も同席し、がん対策推進に対する歯科医師の取り組み状況を説明。審議では出席者から歯科医師の取り組みを評価する一方、現場でがん患者に対応している歯科医師がどのくらいいるのか分からないなどの意見が挙がった。
日歯大創立110周年など祝う
日本歯科大学創立110周年記念全国校友大会と創立者の中原市五郎氏生誕150年を祝う式典・講演会・祝賀会が10月22日に東京都千代田区の帝国ホテルで開かれ、1,700人以上が参加した。式辞で主催を代表して同大校友会の近藤勝洪会長が「明治40年の創立以降、幾多の困難を乗り越えて世界最大の歯科大学に発展した」と強調した。その上で、「校友会は、母校の発展を願う強い絆と団結力により、長崎・普賢岳の火砕流や阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、熊本地震などで会員が被災したらいち早く支援してきた」と語り、今後も母校の発展のために努力していくと誓った。
軽度介護者の負担増を議論-社保審部会
厚労省の社会保障審議会介護保険部会は、10月19日に開いた会合で軽度の要介護者の利用者負担の引き上げを審議した。委員からは引き上げを容認する意見がある一方、要介護の重度化を招くといった慎重論もあった。
「かかりつけ医」以外の受診時 定額負担に異論相次ぐ
厚労省は、患者が「かかりつけ医」以外を受診した場合に「定額負担」を求める案を10月26日開催の社会保障審議会医療保険部会に提示した。同案には医療関係団体だけでなく健保連など保険者団体からも反対の声が相次いだ。
総会で2議案を可決-全歯連
全国歯科医師国民健康保険組合連合会(山口誠一郎会長)は、平成28年度第1回通常総会および懇親会を、千葉県浦安市の東京ディズニーランドホテルで10月15日に開いた。総会では27年度事業とそれに伴う歳入歳出決算の二つの議案を可決したが、協議として提出した「規約の一部改正(案)」と「選挙規程の一部改定(案)」については、理事会で再検討の上、再提出となった。
28年8月の歯科診療所 6万8,910施設
厚労省の施設動態調査による平成28年8月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,910施設で、前月よりも22増えた。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、193施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で298減、医療法人は488増。
第23回日本歯科医学会総会 九州・福岡で初の開催
4年に1度の国内歯科界最大の学術大会、第23回日本歯科医学会総会(水田祥代会頭)が10月21日から3日間、初めて九州の地で開かれた。主催は日本歯科医師会および日本歯科医学会で、九州地区連合歯科医師会共催。後援には文科省、厚労省、日本学術会議、福岡県、福岡市が名を連ねている。テーマは「歯科医療 未来と夢」。
高齢者歯科の支援で寝たきり患者の義歯を再考
寝たきりなど口腔機能が低下した無歯顎患者に求められる義歯をつくるためには、従来法の概念を捨てる必要がある。岡山大学大学院教授の皆木省吾氏は、口腔関連適応能力が低下した患者に対して、床幅系を短縮し、前歯人工歯等を除去した咬合・嚥下床の症例などを示し、口唇、頬、舌運動時に動揺しない基礎床の有用性を強調した。日本歯科医学会総会の分科会プログラムのシンポジウム「高齢者歯科医療を支える3本の柱と2本の鎹(かすがい)」の中で講演したもの。
口腔内細菌叢 偏頭痛の原因か
特定の口腔内細菌叢では、細菌が血中の硝酸塩を亜硝酸塩に転換させる働きをし、偏頭痛の原因になり得る。アメリカ・サンディエゴ大学の小児科医Antonio Gonzalez氏らがアメリカ腸管プロジェクトの一環で研究したもの。アメリカ偏頭痛協会が10月18日、学術報告サイト「mSystems」に論文を掲載した(DOI:10.1128/mSystems.00105-16)。
フィードと韓国インプラント企業「DIOデジタル」を設立
歯科材料や医療機器等の販売を行うフィード(本社・横浜市、小間井俊輔社長)は、口腔内スキャナーによるデジタル技術を活用した院内向け製品・サービスを提供する合弁会社「DIOデジタル」を韓国の歯科用インプラントメーカー、DIO Corporation(本社・釜山、Kim Jin-Cheol社長)と共同で10月26日に設立した。
日本デンタルショー2016福岡
10月21~23日に福岡市のマリンメッセ福岡で開かれた「日本デンタルショー2016福岡」には歯科医師ら1万9,160人が来場し、製品の展示に加え、各社ブース内でのミニセミナーや体験デモにも多くの人の関心が集まり、活気あふれる展示会となった。来場者の内訳は日本歯科医学会総会の参加者9,197人、同デンタルショー登録者9,963人。
医療経済フォーラムシンポ 医療保障財源を議論
「日本経済と医療保障財源」をテーマにした医療経済フォーラム・ジャパン主催の第15回公開シンポジウムが10月20日、東京・九段下のホテルグランドパレスで開かれた。自民、公明、民進、共産、日本維新の各党の国会議員がシンポジストとして出席し、社会保障財源の在り方について持論を展開した。