日本歯科新聞 | 2016年11月15日付
「リグロス」保険導入
歯周炎による歯槽骨の欠損に効能・効果がある科研製薬の「リグロス歯科用液キット600μg」と「リグロス歯科用液キット1,200μg」の保険適用が、11月9日の中医協で承認された。薬価は600μgが2万670.90円、1,200μgが2万7,802.90円で、11月18日が薬価収載日となる。原価計算方式による薬価算定によって、他の歯科用薬剤に比べて30倍以上高額設定になった。
秋の叙勲・褒章 歯科関係者で54人受章
政府は11月3日に平成28年秋の叙勲を発表した。歯科関係者では厚労省関係では元日歯会長の井堂孝純氏が旭日中綬章、旭日小綬章を4人、保健衛生功労で歯科医師16人、歯科技工士1人が旭日双光章、へき地保健衛生功労で歯科医師1人が瑞宝双光章を受章した。文科省関係では教育研究功労により日本大学名誉教授の戸田善久氏のほか4人が瑞宝中綬章、1人が瑞宝小綬章、さらに学校保健功労により25人が瑞宝双光章を受章した。また、政府が11月2日に発表した秋の褒章で、文科省関連の歯科関係では松本歯科大学理事長の矢ケ崎雅氏が教育振興功績により、藍綬褒章を受章した。
ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー 五輪銅三宅さんと松坂さん
今年最も笑顔がすてきだった著名人に贈られる「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2016」に、ウエイトリフティング選手でリオ五輪・銅メダリストの三宅宏実さんと俳優の松坂桃李さんが選ばれた。
日歯が医療事故調で研修会
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、医療事故調査制度が施行されてから1年が過ぎたのを機に、医療事故が起きた場合の対応を学ぶ「医療事故調査制度研修会」を10月29日に東京・市谷の歯科医師会館で開いた。局所麻酔剤の投与後に死亡したとする想定事例について、グループごとに対応方法や課題などを話し合った。
神奈川県歯 110周年で記念式典
神奈川県歯科医師会の創立110周年を祝う記念式典が、横浜市のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで10月27日に開かれた。1926年の創立とされていたが、文献等からの調べで創立を1906年に変更したための周年行事となった。
日歯と日医が役員意見交換会
日本歯科医師会役員と日本医師会役員による意見交換会が10月25日に、東京都文京区の日医会館で行われた。会見で堀会長は「多岐にわたるテーマで意見交換が行え、互いの意思疎通が図れたと感じている」と述べた。
技工士の制度的保証確立を要望-保団連
全国保険医団体連合会は、第14回保団連歯科全国交流集会を東京・新宿のエステック情報ビルで10月30日に開き、患者の窓口負担の軽減や歯科技工士の制度的保証の確立、歯科衛生士の評価を高めるなど4項目の決議を採択した。
中山間地域の歯科医療機関 10年後に半減?
7月に開催された第57回日本歯科医療管理学会学術大会において、中山間地域における歯科医療機関の未来をシミュレーションする調査結果を島根県歯科医師会(渡邊公人会長)が発表した。それによると、同県の中山間地域にある歯科医療機関は2015年時点では113施設だが、25年には約半数になる可能性があるとし、歯科医療の受診が困難となる地域の急増が予想されている。同調査結果は、超高齢社会で全国に中山間地域が点在する日本の今後の歯科医療提供の在り方を考える上で注目される。
かかりつけ歯科医の選定基準トップは「人柄」-私立歯大協調査
10代から70代の男女1千人に対する意識調査で、3人に1人(64.3%)が「かかりつけ歯科医院がある」と回答し、その選定基準は「人柄」が50.5%で最も高かった。日本私立歯科大学協会が「いい歯の日」を前に行ったもので今回が4回目。2012年の前回調査と比べて、かかりつけ歯科医院のある割合は2.8ポイント増に留まっているが、選定基準では前回65.0%で1位だった「立地」が3位(46.4%)に後退し、「人柄」が10.3ポイント増で1位、「技術」が11.5ポイント増の46.7%で2位となっている。
OSAS 脳卒中や糖尿病の増悪因子
日本私立歯科大学協会(井出吉信会長)は、歯科の担う役割の大きさや魅力について社会に発信するための第6回歯科プレスセミナーを11月1日に東京・丸の内のコンファレンススクエアエムプラスで開いた。岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野教授の佐藤和朗氏が「医歯連携で行う睡眠時無呼吸症候群の治療」、朝日大学歯学部口腔機能修復学講座口腔生理学分野教授の硲哲崇氏が「何を食べたいかを脳はどう決めるか―好き嫌いをさせない摂食の脳科学」についてそれぞれ話した。
歯周炎診断法 原因細胞の検出 GCF使って診断
奥羽大学薬学部・大島光宏教授らの研究グループは、歯周炎の早期発見につながる検出方法および診断方法を立て続けに開発している。ある遺伝子の欠損した線維芽細胞が歯周炎の原因だと突き止め、同原因細胞をPCRで検出する方法を確立し、国際特許を申請。さらに歯肉溝滲出液のmi(マイクロ)RNAの発現パターンによる診断方法も開発しており、国際特許を申請、臨床応用を目指す。
歯周病の発症リスク 男性は職種が影響
男性における歯周病の発症リスクは職種で異なる。岡山大学病院予防歯科と愛知学院大学、三重大学の共同研究グループが明らかにしたもので、生産工程・労務従事者や販売従事者、運輸・通信従事者は、専門的・技術的従事者と比べて高リスクだった。「職域における歯科検診は任意だが、リスクの高い職種に対しては、定期的な歯科検診と歯科保健指導の実施を強く推奨する」と訴えている。
水平位診療の開発者 Dr.ビーチ死去
国内外で導入されている歯科水平位診療システムの開発者として知られるダリル・レイモンド・ビーチ氏は10月29日、死去した。90歳。同氏は1926年2月14日生まれ。2000年には春の叙勲で勲三等瑞宝章を受章している。
歯科コンピュータ協 創立20周年で記念祝賀会
日本歯科コンピュータ協会(山中一剛会長)は11月8日、創立20周年記念講演会・祝賀会を東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で開いた。祝賀会のあいさつで、山中会長は「1996年の設立当初は歯科用レセプトコンピュータが普及し始めたころで、当時の歯科用コンピュータ企業関係者は器材の販売規制など薬事法に関する知識をあまり把握していなかったので、コンピュータメーカーの流通を整備すべく当協会は発足された」と、当時の設立背景を紹介。記念講演会・祝賀会に先立ち、第21回定期総会も行われ、新役員の選任を含む全ての議案が承認・可決された。