「歯科健診」「歯科保健医療」の充実を骨太方針に明記─政府が閣議決定

政府は、経済財政諮問会議と未来投資会議を9日に開き、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2017」と「未来投資戦略2017」をまとめ、閣議決定した。骨太方針には直接的な歯科関連の文言としては09年以来となる「歯科健診の充実」「口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実」が盛り込まれた。日本歯科医師会は同日、骨太方針に歯科の文言が明記されたのを評価した上で、「社会保障に安心感を持つことが、消費の活性化、経済の活性化にもつながるものと認識しており、国民の健康と生活を守る立場で責任を果たしていきたい」などとする見解を発表した。

口腔衛生管理で日歯「専門職の活用求める」─社保審介護給付費分科会

厚労省は7日、平成30年度介護報酬改定に向けて社会保障審議会介護給付費分科会を開き、「居宅療養管理指導」「口腔・栄養」などを議論した。歯科関係委員として同日から日本歯科医師会の髙野直久常務理事に代わって出席した日歯の佐藤保副会長は、医療保険と介護保険の整合性を求めたほか、専門職による口腔衛生管理により誤嚥性肺炎の発症が減少するデータなどを基に「専門職の活用によって効果が高まる。さまざま場面で生かしてほしい」と訴えた。

日歯福祉共済加入者の死因トップは「がん」で3割

日本歯科医師会の福祉共済保険制度加入者のうち、平成28年度に亡くなった706人の死因調査でトップは悪性新生物の231人だった。

日医、30年度予算で要望事項公表

日本医師会(横倉義武会長)は、政府の平成30年度予算概算要求に対する要望事項を5月31日の定例会見で発表した。

地域包括ケアシステムの確立に向けては、次期医療計画・介護保険事業計画や診療報酬・介護報酬同時改定等を見据えながら、かかりつけ医を中心とする医療・介護連携の推進のため、補正予算による対応を含め大幅な増額を要求した。

口呼吸、SASを改善する口腔内装置、仏・トングラブ社が臨床応用へ

舌の位置を正しく教育すると、口呼吸や睡眠時無呼吸症候群(SAS)に伴う疾患や障害を予防でき、歯列不正も改善される。フランスの矯正歯科医クロード・モークレール氏が開発した舌位置教育装置が、これまでのSAS治療(CPAP、マウスピース)と異なり、口呼吸の悪習癖をなくして鼻呼吸にするなど、改善効果があることが知られるようになってきた。

詳しくは同社サイト(www.tonguelab.com)まで。

マウスガード劣化の原因を東歯大らが解明

東京歯科大学口腔健康科学講座スポーツ歯学研究室と群馬大学大学院理工学府分子科学部門らの研究グループは、マウスガード(MG)が使用期間中に温度や圧力の変化に繰り返し晒されて劣化していく様を実験的に明らかにした。

同研究成果は国際科学誌『Scientific Reports』(3月15日)オンライン版で発表されている。

投稿 理科教科書に「歯」を─岡山大学名誉教授 永井敎之

義務教育の理科の教科書で、消化のしくみの項に口腔や歯の機能、構造図を入れるための運動(歯の一行、一図運動と名づけたい)を推進するべきだと考える。

歯科界の人間ならば誰もが、口腔、歯が消化器の一部であり、多くの機能を有している器官だという専門教育を受けている。近年、口腔、歯の軽微な病態が身体のフレイル、要介護への流れの入り口となると報告され、その重要性を多様な方法で国民に発信している。

歯科医師会等が今成すべきことは、保険点数に関する医政活動ではなく、これからを見据えて口腔、歯の構造機能の一文、一図を教科書へ掲載するための活動だろう。

出生100万人割り過去最低に─厚労省調べ

厚労省は2日、2016年の人口動態統計(速報値)を公表した。1人の女性が生涯に産む子供の推計人数「合計特殊出生率」は1.44と、前年から0.01ポイント低下し、出生数も97万6,979人と初めて100万人を割った。

一方、死亡数は戦後最多の130万7,765人となった。死因別では第1位は悪性新生物(全死亡者に占める割合は28.5%)で、次いで心疾患(同15.1%)、肺炎(同9.1%)などが続いている。