日本歯科新聞 | 2017年10月3日付
歯科疾患管理料、継続管理に限定して算定─健保連が30年度改定に向け提言
健康保険組合連合会は、平成30年度診療報酬改定で歯科診療報酬項目の「歯科疾患管理料」100点について、継続的な管理を行った場合に限定して算定できるようにすべきと提言した。健保連の「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅲ」で明らかになったもの。歯科疾患管理料は28年度改定で文書提供の要件を緩和し、点数を110点から100点に引き下げる一方で、文書提供した場合には10点の加算が算定できるように変更したばかりで、突然の健保連の政策提言に歯科界の反発が必至になるだろう。
ハンドピース問題で東京歯科保険医協が診療報酬での評価要望
東京歯科保険医協会(坪田有史会長)は9月28日、「ハンドピース滅菌問題解決の方策を国に求める」との理事会声明を発表した。5月30日に公表された厚生労働科学研究費補助金研究「歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究」で、使用済みハンドピースを患者ごとに交換、滅菌している医療機関が全体の半数に留まっていると報告され、これを基に『読売新聞』(7月5日号)が報道したのを受けたもの。
歯科医の想い込めた『シカ医のうた』─日歯がウェブ動画
鹿の被り物をした謎の「シカ医」が「人々の笑顔を守りたい」という想いを歌っている。日本歯科医師会(堀憲郎会長)が歯科学生や研修歯科医向けのWEBムービー『シカ医のうた~その先にある笑顔を守りたい。~』を制作。動画は日歯HPで見られる。
日歯が自民党の政策集「J-ファイル」に歯科健診など8項目要望
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、解散総選挙で日歯連盟の政権与党を支援するとの方針について「強く支持する」との考えを述べ、自民党の政策集「J-ファイル」に歯科健診の充実など8項目を要望したのを明らかにした。9月28日の理事会後の定例会見で述べたもの。
元日学歯会長・西連寺愛憲氏死去
日本学校歯科医会や東京都学校歯科医会の会長を長く務め、都学歯名誉会員である西連寺愛憲(さいれんじ・よしのり)氏は9月26日に死去した。90歳。同氏は大正14年10月7日生まれ。昭和23年日本大学専門部歯科(現日大歯)卒。平成7年から17年まで日学歯会長を務めた。
社保は件数5.9%増、点数6.4%増
社会保険診療報酬支払基金による平成29年5月診療分の総計確定件数は9,033万件、点数1,393億9,385万3千点で前年同月に比べ件数は6.5%、点数は6.4%それぞれ増加した。歯科は1,131万9千件、132億9,354万8千点で、前年同月に比べ件数は5.9%、点数は6.4%それぞれ増加した。歯科の件数は21年6月に増加に転じ、東日本大震災が発生した23年3月に一度減少したが、それ以降は増加している。
国保、市町村の件数と医療費は減
国保中央会がまとめた平成29年5月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,590億円で、うち後期高齢者分は1兆3,219億円だった。歯科医療費は市町村が631億円で、対前年同月比で2.5%減。組合は46億円で0.2%増。後期高齢者は484億円で8.2%増加した。
口腔がんで7,675人死亡─厚労省発表の人口動態統計
口唇、口腔および咽頭の悪性新生物で平成28年に亡くなったのは7,675人で前年より295人多かった。厚労省が9月15日に公表した28年人口動態統計(確定数)で分かったもので男女別では男性5,396人、女性2,279人。
レポート「タベマチフォーラム」に参加して
社会福祉法人慶寿会 松林ケアセンター・管理栄養士 宮城島 宏
「第1回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会」(=タベマチフォーラム2017、主催・新宿食支援研究会)が9月3日に東京・高田馬場にある東京富士大学で開催された。大会はオープニング映像から始まり、実行委員長で新宿食支援研究会代表の五島朋幸氏から参加者へ向けて開催意図が語られた。第2回「タベマチフォーラム」は来年の9月2日(日)に同じく東京富士大学で開催される。
ラマン分光法用い歯石を検出─昭和大の歯周病学講座が開発
昭和大学歯学部歯周病学講座の中村紫野氏と同教授の山本松男氏らは、レーザー光を照射して発生するラマン散乱光を分光、解析して歯石を検出する研究成果をレーザー国際学術誌『Lasers in Medical Science』オンライン(25 July 2017)に発表した。ハイドロキシアパタイトから返ってくるラマン散乱光強度と歯石から返ってくる蛍光強度からの情報を規格化して、照射する距離や角度の影響を受けにくい検出・解析を実現したというもの。中村氏と山本氏は「照射条件による影響を最小限に抑えるラマン分光法による規格化は、蛍光強度のみを使って検出していた機器の次世代型につながる基盤研究。今後は、生体での応用に加えて、出力および照射時間の減少(短縮)を目指したい」と語る。
歯周組織破壊酵素ジンジパインがアルツハイマー病を悪化
九州大学大学院歯学研究院の武洲准教授と中西博教授らの研究グループは、歯周病原因菌のジンジバリス(Pg菌)の出す歯周組織破壊酵素ジンジパインが、アルツハイマー病の悪化につながる因子だと明らかにした。同研究成果は英国科学誌『Scientific Reports』オンライン(9月18日)に掲載された。
過去1年に歯科の検診52.9%が受診─厚労省の国民健康・栄養調査
過去1年間に歯科検診を受けた人の割合は52.9%で、平成24年の前回調査に比べて5.1ポイント上昇した。厚労省の平成28年国民健康・栄養調査結果で分かった。
日商連が合同委員会を開催、活動の方向性協議
日本歯科用品商協同組合連合会(宮内啓友会長)は9月29日、理事・役員会と合同委員会、研修会を東京都港区の芝パークホテルで開催した。研修会「平成29年版新歯科医療機器・医療技術産業ビジョンについて」では、ジーシー薬事室の園田秀一氏が、ビジョン策定に携わった立場から解説。口腔と全身の関連性や、歯科医療器材の輸出入の状況、歯科治療の需要の将来予測など、歯科を取り巻く状況をさまざまなデータを基に説明し、さらに話し合いの様子など、こぼれ話も披露した。
医療費の負担方法、患者負担増が27%─健保連調べ
高齢化に伴い医療費は年々増加し続けている。その医療費の負担の在り方について「医療機関にかかったときの患者の支払いを増やす」との回答が27.0%で最も多かった。健康保険組合連合会が実施した「医療・医療保険制度に関する国民意識調査」で明らかになったもの。