次期診療報酬改定、財務省は引き下げ要求

財務省は25日、財政制度等審議会の財政制度分科会を開き、2018年度予算編成で次期診療報酬改定について2%台半ば以上の引き下げを求める方針を示した。医療関係団体は適切な医療提供のための財源確保などを求めており、財務省の方針には強く反発するのは必至で、年末の予算編成に向けて激しい攻防が予想される。

「国民は社会保障充実に期待」日歯堀会長

日本歯科医師会の堀憲郎会長は26日の理事会後の会見で、衆議院選挙の結果について「事前の世論調査をみると、国民の注目は社会保障に関する政策が圧倒的で、政権与党の充実した社会保障への取り組みに期待しているとの選挙結果だった」と述べた。

歯科衛生士数、6年前より20%の増加

歯科医院の予防歯科への取り組みの増加に伴い、歯科衛生士が不足している歯科医院が出てきている。16日に開催された平成29年度社会保険指導者研修会で公表された就業歯科衛生士数(都道府県別、年次別)は28年で12万3,831人となり、22年を100として120.0%、2万651人増えている。

口腔に常在するクレブシエラ菌が腸疾患発症に関与

口腔常在菌のクレブシエラ菌は、腸内細菌叢が乱れるとクローン病や潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患の発症に関与する可能性がある―。慶應義塾大学医学部教授の本田賢也氏、早稲田大学理工学術院教授の服部正平氏らの共同研究グループがマウスを使った実験で明らかにした。国際科学誌『Science』(10月20日版)に掲載された。

クローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患にクレブシエラ属細菌が関与している可能性が示唆され、研究グループは今後、菌を腸管内に定着させないような薬剤の開発など疾患の予防法、治療薬の開発につなげたいとしている。

亜鉛が毛包と表皮の形成・維持に重要

徳島文理大学薬学部の深田俊幸教授と昭和大学歯学部の美島健二教授らの共同研究グループは、生体内の亜鉛が皮膚の毛包と表皮の形成に重要だといえるメカニズムの一部を明らかにした。

同研究成果は『米国科学アカデミー紀要』電子版(米国東部時間23日)に掲載された。

胎児期のフッ素曝露が認識機能の低下と関連

妊娠中、高いフッ素濃度の環境に曝露すると子供の認識機能検査数値が低下する。カナダ・トロント大学のMorteza Bashash准教授(公衆衛生)ら、カナダ、アメリカ、メキシコの研究グループが、メキシコで299ペアの母子を対象に行った疫学研究によるもの。アメリカ政府刊行物『Environmental Health Perspective』(125巻9号)に論文掲載した。

矯正分野5団体、統一の専門医制目指す

広告可能な専門医の申請が矯正歯科分野の3団体から行われ、10年もの間、共通の審査基準等を模索してきたもののまとまらずにいた問題で、統一の専門医制度を目指す動きが進んでいる。関係する「5団体矯正歯科懇談会」で議論されているもので、「試験機構(仮称)を設立し、日本矯正歯科学会が代表団体となり申請する場合」が実現可能性の高い試案として上がっている。18~20日に札幌市で開かれた第76回日本矯正歯科学会学術大会のJOSフォーラムで常務理事の五十嵐一吉氏から報告があった。

日技が委託事業研修会─補綴物製作等の情報提供を推進

日本歯科技工士会(杉岡範明会長)は、厚労省委託の研修会「平成29年度歯科補てつ物製作過程等の情報提供推進事業」を、10月29日の静岡を皮切りに、11月に東京、広島で開く。研修会のテーマは「歯科補てつ物等の製作過程等に関する情報提供の必要性及び歯科技工士に関する法令について」。講師は厚労省医政局歯科保健課課長の田口円裕氏、同課長補佐の和田康志氏、日技専務理事の夏目克彦氏、同常務理事の清水潤氏、同相談役の古橋博美氏。一開催地の講師は2人で開催地ごとに異なる。

北里研と大日本住友、薬剤耐性菌感染症共同で創薬目指す

北里研究所(東京都港区、小林弘祐理事長)と大日本住友製薬(大阪市、多田正世社長)は、薬剤耐性(AMR)菌感染症治療薬の創薬を目的とする共同研究契約を締結したと24日に発表した。

検察側が村田元副理事長に禁固2年6カ月求刑

日本歯科医師連盟の迂回寄付事件で政治資金規正法違反(虚偽記入、量的制限超過)の容疑で起訴されている村田憙信元副理事長の論告求刑公判が24日、東京地裁(前田巌裁判長)で開かれ、検察側は禁固2年6カ月を求刑した。

村田元副理事長への求刑に「非常に重い」─高橋日歯連盟会長

日本歯科医師連盟の高橋英登会長は27日の理事会後の定例会見で、迂回寄付事件で起訴されている村田憙信元副理事長の禁固2年6カ月の求刑について「非常に重い求刑」との見解を示した。

比嘉氏落選に忸怩たる思い─高橋会長

日歯連盟の高橋会長は、衆議院選挙の結果について「政権与党とのパイプが消滅しないように、協力(支援)してきた。与党幹部から感謝の電話もあり、一定のわれわれの働きが評価された」との認識を示した。

また、歯科系議員については沖縄3区の比嘉奈津美氏(自民)の落選について「忸怩たる思い。沖縄の特殊な事情もあった」と述べた。当選した北海道比例区の自民党の渡辺孝一氏と千葉13区の自民党の白須賀貴樹氏に対しては「これまで以上に活躍してほしい」と話した。