医療の広告規制、「術前術後禁止」が大勢占める

医療における広告規制を議論している厚労省の医療情報の提供内容等の在り方に関する検討会は10月25日に会合を開き、ウェブサイト広告の取り扱いや術前術後表示の方向性を議論した。医療機関のサイトでの術前術後の表示は、「誘引性があるものは原則禁止」とする意見が大勢を占めた。ただし、学会等のサイトで掲載している術前術後は医療機関への誘引性がないために禁止しない方向で、具体的な線引きは今後詰めていく。今回の対応は、広告として禁止するもので診療中のインフォームドコンセントの一環で患者に術前術後を示すのは問題ない。また、厚労省は口コミサイトなどで広告料が発生する場合には広告に該当するとの方針を示した。

岩手医大の歯科技工学科、31年から募集停止

岩手医科大学は、平成31年4月に同大医療専門学校歯科技工学科に入学する学生の募集を停止し、それ以降同学科の入学募集はしないと理事会で決定し、ホームページ上で発表した。在校生および30年度入学生が卒業する31年度まで現在の教育環境を継続し、32年度に閉科の手続きを取る予定だとしている。

映画「Given」が医学ジャーナリスト協会大賞

日本歯科医師会と日本財団「TOOTH FAIRYプロジェクト」が特別パートナーとして支援したドキュメンタリー映画「Given~いま、ここ、にある しあわせ~」(製作・難病の子どもとその家族へ夢を)が第6回日本医学ジャーナリスト協会賞の映像部門大賞を受賞した。同賞は質の高い医学・医療ジャーナリズムが日本に根付くことを願って創設された。

歯科口腔保健に関する基本的事項19目標のうち6項目達成

歯科口腔保健法で定められている「歯科口腔保健に関する基本的事項」における19の目標のうち、6項目が目標を達成している。10月18日に開かれた厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の歯科口腔保健の推進に関する専門委員会で、厚労省が説明し、達成した項目のうち5項目の目標値の引き上げを提案。「60歳で24歯以上の歯を有する者」「80歳で20歯以上の自分の歯を有する者」などが対象。「6024」「8020」の目標値は第二次健康日本21と同じため、両方の目標を変更したい意向だ。

介護サービス、28年度収支差プラス3.3%

厚労省は、来年度の介護報酬改定の基礎資料となる介護事業経営実態調査結果を10月27日の社会保障審議会介護給付費分科会に報告した。介護保険サービスの28年度決算(収支差)の平均は、プラス3.3%で前年度に比べて0.5ポイント減少となった。

岡山で第64回全国歯科大学同窓・校友会懇話会

第64回全国歯科大学同窓・校友会懇話会が10月21日、岡山市のANAクラウンプラザホテル岡山で開かれた。テーマは「地域包括ケアシステムにおける歯科の立ち位置」で、兵庫県立大学大学院経営研究科の筒井孝子教授、日本歯科医師会の小玉剛常務理事による講演が行われた。

当番校代表であいさつした岡山大学歯学部同窓会の千原敏裕会長は、安倍晋三首相が国会で、来年の医療・介護同時改定が非常に重要な分水嶺と考えていると発言したと紹介した上で、今回のテーマの意図について「地域包括ケアシステムの形が整いつつあるこの段階で歯科の重要性、存在意義がしっかり反映されているのか。われわれにとっても分水嶺で、あらためて地域包括ケアシステムでの歯科の存在を確認しておきたいと考えた」と語った。

厚労省が29年版白書を発表

厚労省は、「社会保障と経済成長」をテーマにした平成29年版厚生労働白書を10月24日に発表した。白書は2部構成で、第1部はテーマの「社会保障と経済成長」、第2部は年次行政報告として、厚労省のいろいろな政策課題への対応を記している。

秋の叙勲、歯科関係で52人受章

平成29年秋の叙勲が発表され、歯科関係者としては厚労省関係で20人、文科省関係で31人、経産省関係で1人が受章した。

厚労省では元日本歯科医師会会長の大久保滿男氏(75)の旭日重光章をはじめ、元秋田県歯科医師会副会長の石田益雄氏(77)ら19人が保健衛生功労で旭日双光章。

文科省では日本歯科大学名誉教授の桐正隆氏(79)等5人が瑞宝中綬章、日本大学名誉教授の納村晉吉氏(80)ら4人が教育研究功労で瑞宝小綬章、22人が学校保健功労で瑞宝双光章。

経産省では元ライオン社長の藤重貞慶氏(70)が産業振興功労で旭日中綬章。

歯科保健優良校など表彰─第81回全国学校歯科保健研究大会

「『生き抜く力』をはぐくむ歯・口の健康づくりの展開を目指して―学校歯科保健からはじまる8020健康社会」をテーマに第81回全国学校歯科保健研究大会in AOMORIが10月26、27の両日、青森市のリンクステーションホール青森で開かれた。主催は文科省と日本学校歯科医会、日本学校保健会、青森県歯科医師会、青森県、県教育委員会、青森市、市教育委員会。優良校表彰では、第56回全日本学校歯科保健優良校表彰を受けた優秀賞6校、日本学校歯科医会会長賞8校、日本歯科医師会会長賞11校、奨励賞107校の功績を称えた。

訃報 菅野博幸氏 元神奈川県歯副会長

元神奈川県歯科医師会副会長で、日本歯科医師会代議員を15年務めた菅野博幸(すがの・ひろゆき)氏は10月30日に死去した。90歳。同氏は昭和2年6月4日生まれ。日本大学歯学部卒。日歯代議員は平成3年~18年まで務めている。

ラジカル殺菌歯周病治療器、治験で有効性実証

東北大学大学院歯学研究科は、同大の開発したラジカル殺菌歯周病治療器の有効性を医師主導治験で実証したと10月25日に発表した。企業とともに新規医療機器としての承認取得に向けて取り組み、早期の臨床導入を目指したいとしている。

復職支援と離職防止で東医歯大歯学部附属病院が歯科衛生士総合研修センターを新設

歯科衛生士不足が叫ばれる中、東京医科歯科大学は厚労省受託事業「歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業」として歯科衛生士総合研修センターを歯学部附属病院に新設し、受講希望者を募集している。「いい歯の日」に先駆けて2日に同大で開いた記者会見で発表した。

神歯大に新たな附属病院

神奈川歯科大学は1日、新しい附属病院の竣工式および内覧会を、横須賀市の同病院で開いた。昭和46年竣工の旧病院の老朽化に伴い、平成26年度からプロジェクトを本格的にスタートし今年8月31日に完成、フルオープン前日のお披露目となった。

一般病院の診療科目、「歯科口腔外科」が増加傾向

一般病院の歯科関係の診療科目で「歯科」と「矯正歯科」は減少あるいは変動が見られないが、「小児歯科」と「歯科口腔外科」は増加傾向にある。

厚労省が9月末に発表した「平成28年医療施設(動態)調査・病院報告の結果」によるもので、小児歯科は平成20年の124施設が28年には152施設と28施設増えた。歯科口腔外科は802施設が944施設となり、142施設増えている。

29年8月末の歯科診療所数は6万8,963施設

厚労省の施設動態調査による平成29年8月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,963施設で、前月よりも16増加した。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、53施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は428減、医療法人は489増となっている。

医機連が内閣府の久間氏らの講演

日本医療機器産業連合会(=医機連、渡部眞也会長)は、平成29年度の第2回講演会を10月30日に東京都千代田区のホテルグランドアーク半蔵門で開いた。講師は内閣府総合科学技術会議議員の久間和生氏と厚労省医政局経済課長の三浦明氏で、新たな経済社会「Society5.0」実現に向けての科学技術イノベーション戦略、オールジャパンの医療機器プロジェクトなどについて話した。

横倉日医会長、診療報酬改定で引き上げ求める

日本医師会の横倉義武会長は10月25日の定例会見で、与党が大勝した衆議院選挙の結果について「全世代型の社会保障の充実を期待する国民の思いの表れ」との考えを示した。その上で、年末に決定する平成30年度診療報酬改定率に対し「社会保障の中核をなす医療費を抑制するのは国民の期待に反するもので、プラス改定にすべき」と主張した。