歯科診療所の損益差額、前年度は1,036万6千円

厚労省は平成30年度診療報酬改定に向けて、第21回医療経済実態調査結果を8日の中医協で公表した。それによると、個人立と医療法人を合わせた歯科診療所の損益状況(青色申告者含む)は、前年(度)の医業収益が4,789万9千円、介護収益は12万8千円、支出にあたる医業・介護費用は3,766万円、損益差額は1,036万6千円。前々年(度)と比べると医業収益は1.3%、介護収益は0.8%、医業・介護費用は0.5%それぞれ増えた。ただ、個人立(青色申告者含む)では医業収益0.4%、介護収益0.9%の伸びに対して、医業・介護費用は0.3%減少と、材料費などの支出を抑えながら経営している実態が明らかになった。中医協は今後、調査結果を踏まえて改定の議論を活発化させる。

瑞宝中綬章に大阪大名誉教授の祖父江氏

平成29年秋の叙勲で、大阪大学名誉教授の祖父江鎭雄(そぶえ・しづお)氏が瑞宝中綬章を受章した。

米倉さんと草刈さんがベストスマイル・オブ・ザ・イヤー

今年最も笑顔がすてきだった著名人に贈られる「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2017」に、女優の米倉涼子さんと俳優の草刈正雄さんが選ばれた。

著名人部門の授賞式に先立ち、とびきりの笑顔写真を募集する「スマイルフォトコンテスト」の授賞式も行われ、今年度から日歯会員とその診療所に勤務するスタッフ、歯科大学・歯学部学生を対象に新設した「デンタルスマイル部門」の優秀作品1作品の紹介も行われた。

次期参院選など協議─四国歯役員協議会

四国歯科医師会役員連絡協議会が4、5の両日、高知市のザクラウンパレス新阪急高知で開かれ、分科会では次期参議院選挙への対応や共同指導の現状、認知症対応力向上研修会の方向性などを意見交換した。

4日の全体会の冒頭あいさつで高知県歯の野村和男会長は、歯科界の状況について「平成12年から10年間、マイナス改定などに苦しめられ、歯科医療費2兆5千億円台からなかなか抜け出せなかった。しかし、ここにきて追い風を得て、2兆8,600億円まで増えてきた」と述べた。その上で「日歯、日歯連盟のおかげで骨太の方針に歯科の文言が入った。これによっていろいろな事業に予算がつこうとしており、これからが非常に大事」との認識を示した。

内閣府と日歯が女性歯科医師のキャリア形成でシンポ

内閣府男女共同参画推進連携会議と日本歯科医師会によるシンポジウム「女性歯科医師がより輝く未来へ」が、東京都千代田区の歯科医師会館で3日に開催された。国・地方連携会議ネットワークを活用した男女共同参画事業として行われたもの。後援は厚生労働省。

あいさつで堀憲郎日歯会長は、日本では20年以上前から、男女共同参画に向けた議論が重ねられてきたものの、女性の社会進出の国際比較を示すジェンダーギャップの順位が非常に下位である上、むしろ低下してきていると指摘、議論が実際の結果に結びついていないとした。

超高齢社会の緩和ケアで日医らがシンポジウム

がん対策基本法改正(2016年12月)により、がん治療の緩和ケアの概念が変化しつつある。がんと診断された時点から行われることになったのに加え、脳梗塞や呼吸器疾患、循環器疾患などの非がん疾患での緩和ケアの重要性も指摘されるようになった。

米で使用停止の抗菌薬、歯ブラシにも残留

薬剤耐性のリスクがある上、環境負荷も大きいとして9月からアメリカで使用停止が呼びかけられている抗菌薬トリクロサン(TCS)が、ナイロン製の歯ブラシなどに残留しているとの研究結果を、マサチューセッツ大学・ストックブリッジ農業学部のHan J.氏らが発表。11月7日の『Environmental Science and Technology』誌に掲載された。

FDIが世界の歯周病対策を調査

世界歯科連盟(FDI)は、世界各国の歯科医師会による歯周病対策の実態調査を1日に発表した。国レベルでの歯周病予防対策を通じて、非感染性疾患群(NCDs)に対処するために進められているFDIのグローバル歯周病プロジェクト(GPHP)の一環として実施されているもの。6月から10月にかけて、61カ国の保健政策、健康情報システム、歯周病教育、歯科医師会による予防促進活動について回答を得た。

フッ素を考える新潟連絡会が県知事にリスク情報等を提供

日本フッ素研究会の成田憲一氏は5日に開催された同会全国集会で、集団フッ素洗口・塗布に反対する運動を展開している新潟県の「フッ素を考える新潟連絡会」(事務局・阿達ヤスコ氏)が8月3日に米山隆一同県知事と面談し、リスク情報の提供や疫学調査の実施などを求める要請をしていたと話した。

歯科大学・歯学部7校で定員割れ

29歯科大学・歯学部の平成29年度入試で、入学定員計2,459人に対して入学者は2,325人でわずかに定員を割っている。学校別では、私立の7校が定員割れで、定員に対する入学者の割合(充足率)は奥羽大学51.0%、鶴見大学58.3%、北海道医療大学71.3%、岩手医科大学73.7%などが低い。文科省医学教育課が10月27日に公表した「各大学歯学部の入学状況及び国家試験結果等(平成29年度) 」によるもの。

入学後に留年なしの国試合格率は50.7%

平成23年4月に歯科大学・歯学部に入学後、留年せずにストレートで第110回(平成29年)歯科医師国家試験に合格した割合は50.7%。文科省医学教育課が10月27日に公表した「各大学歯学部の入学状況及び国家試験結果等(平成29年度)」によるもの。

社保、件数5.2%増で点数4.2%増

社会保険診療報酬支払基金による平成29年6月診療分の総計確定件数は9,017万8千件、点数1,409億240万7千点で前年同月に比べ件数は4.3%、点数は3.3%それぞれ増加した。

歯科は1,220万8千件、144億7,879万2千点で、前年同月に比べ件数は5.2%、点数は4.2%それぞれ増加した。歯科の件数は21年6月に増加に転じ、東日本大震災が発生した23年3月に一度減少したが、それ以降は増加している。

国保、市町村の金額4.0%減少

国保中央会がまとめた平成29年6月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,664億円で、うち後期高齢者分は1兆3,178億円だった。

歯科医療費は市町村が668億円で、対前年同月比で4.0%減。組合は49億円で1.0%減。後期高齢者は510億円で6.5%増加した。

東京デンタルショーに1万9,470人来場

東京デンタルショー2017が11、12の両日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれ、歯科医師ら1万9,470人が来場した。

来場者の内訳は歯科医師5,823人、歯科技工士1,864人、歯科衛生士3,609人、歯科助手・同伴者1,395人、歯科学生2,297人、高校生60人、商工業者4,422人。

AMDDと臨薬協がメディアセミナー

「経営戦略としての健康経営―『予防』への投資の重要性」と題した第7回メディアセミナーを、米国医療機器・IVD工業会(=AMDD、加藤幸輔会長)と日本臨床検査薬協会(=臨薬協、寺本哲也会長)が1日に東京都千代田区のJAビルカンファレンスで開いた。講師は東京大学政策ビジョン研究センター健康経営研究ユニット特任教授の尾形裕也氏。

日本においては現在、レセプト・健診情報等のデータ分析に基づく保健事業「データヘルス計画」が推進しており、個別展開による「部分最適」から企業・組織の「全体最適」へと動き始め、東大でも「健康経営研究ユニット」を発足し、健康経営評価指標の策定・活用事業の研究に取り組んでいると話した。

歯科衛生士、歯科技工士「常勤」要件の見直し提案

厚労省は、平成30年度診療報酬改定で、点数算定の施設基準での歯科衛生士や歯科技工士、看護師、管理栄養士の「常勤」の要件について、人材の有効活用の観点から見直す案を8日の中医協総会に提案した。歯科診療報酬上で常勤要件があるのは歯科治療総合医療管理料、在宅患者歯科医療総合医療管理料、有床義歯修理(歯科技工加算1、2)がある。

髙木元会長が尋問で自身の関与を否定─日歯連盟の迂回寄付裁判

日本歯科医師連盟の迂回寄付事件で政治資金規正法違反の容疑で起訴されている髙木幹正元会長、堤直文元会長、日歯連盟の公判が9、10の両日に東京地方裁判所で開かれた。被告人尋問で髙木元会長は、会計面は同容疑で起訴されている村田憙信元副理事長に「全面的に任せていた」と自身の関与を否定した。公判は証人および被告人尋問は今回で終了し、12月1日に証拠整理、来年2月15日に論告求刑、3月16日に最終弁論で結審する。判決日は決まっていない。