平成30年度歯科診療報酬改定、「初再診」引き上げ提案

厚労省は、平成30年度歯科診療報酬改定で、基本診療料(初診料・再診料)に院内感染防止対策に関する施設基準を新設し、基本診療料を引き上げる案を6日の中医協総会に提示した。歯科外来診療環境体制加算(外来環)は引き下げる方向で、同加算を算定している医療機関の両項目を足した点数は変わらない予定。施設基準の届け出がない医療機関については、基本診療料を現行点数より減算する方向で調整する。新施設基準の届け出には体制整備に時間を要する医療機関もあるため、同省は一定期間の経過措置を設ける方針。なお、同日の総会では歯科診療報酬全般について議論した。

診療報酬改定「か強診」基準見直しへ─厚労省が提案

中医協は6日の総会で、次期診療報酬改定に向けて歯科診療報酬について集中議論した。厚労省は、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の施設基準の見直し、口腔機能低下が著しい小児や高齢者に対する継続的な管理への評価の検討、歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)の見直し、周術期口腔機能管理の対象患者の拡大などを提案した。

支払側委員が算定要件で「歯管」の見直しを要求

中医協支払側の健康保険組合連合会理事の幸野庄司委員は6日の中医協総会で、歯科疾患管理料(歯管)の算定要件の見直しを求め、「初診では算定せずに、2回目以降の継続的な医療行為に対して管理料を設定すべき」とした。

日歯連盟が時局講演会

日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は、丸川珠代参議院議員、山田宏参議院議員、ジャーナリストの櫻井よしこ氏を招いての時局講演会を、11月26日に東京・市谷の歯科医師会館で開いた。全国から連盟関係者ら300人が参加した。さらに東京オリンピック・パラリンピックについて「日本の国民皆保険、歯科医療の素晴らしさを伝える機会になる」と話した。

東京五輪の歯科的課題考える─日歯がシンポ

東京オリンピック・パラリンピックに向けて歯科的な支援や対応を考える講演会およびシンポジウムが11月23日、東京・市谷の歯科医師会館で開かれた。主催は日本歯科医師会、共催は東京都歯科医師会、日本スポーツ歯科医学会。冒頭あいさつで東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の大会準備運営第一局医療サービス部長の宮本哲也氏は、「歯科医療が充実していない地域を含めて世界各国から多くの選手が訪れる。選手が最高のパフォーマンスを発揮できるように、晴海に設置される選手村内に歯科を含む総合診療所を開設し、約2カ月間提供していく」と述べた。

歯科1割強が赤字─神奈川保険医協がプラス改定求める

医科診療所の4分の1、歯科診療所の8分の1は赤字との分析結果を神奈川県保険医協会が発表した。「医療の再生産と『質』の向上を保障する診療報酬『全体』のプラス改定を求める」と題した政策部長談話の中で明らかにしたもの。

職業紹介業者への規制制度、来年1月から導入

職業安定法や関連する省令、指針の改正に伴い、来年1月1日より職業紹介事業者への規制が導入される。職業紹介事業者は、厚生労働省の運営する人材サービス総合サイトで、職業紹介の実績に関して、各年度に就職した者の数や、そのうちの無期雇用就職者の数、就職から6カ月以内に解雇以外の理由で離職した者の数、返戻金制度の導入の有無やその内容などの情報提供が義務付けられている。

厚労省、選定療養の届出状況報告

選定療養のうち「齲蝕に罹患している患者の指導管理」を平成28年に届け出している医療機関は、5,218施設で前年に比べて1,237施設減った。金額はフッ化物局所応用(1口腔1回につき)1,565円、小窩裂溝填塞(1歯につき)は1,748円。厚労省が11月15日の中医協総会で報告したもの。

介護報酬改定で審議報告案を議論

厚労省は、平成30年度介護報酬改定に向けた審議報告案を、6日の「社会保障審議会介護給付費分科会」で提示した。改定の基本的な考え方として(1)地域包括ケアシステムの推進(2)自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現(3)多様な人材の確保と生産性の向上(4)介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保―の四つが盛り込まれている。

「最頻値は平均値より低い」保団連が見解

全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は6日に開いたマスコミ懇談会で、第21回医療経済実態調査についての談話を発表。平均値よりも、最頻値の方が実態を反映しており、「最頻値では、収支差額が平均値より低い」と示した。個人立の歯科診療所では、損益差額の最頻値は623.3万円で、平均値より511.3万円低いと指摘。伸び率は、医業収益がマイナス3.1%、医業・介護費用がマイナス3.7%と、ともにマイナスになっており、経営実態は厳しいと強調した。

子供医療費助成制度と外来受診の関連性分析

子供の医療費の助成制度が全国の自治体で進んでいるが、「コンビニ受診」と呼ばれる無駄、不必要な外来受診は増えていない─。全国保険医団体連合会の本田孝也理事(長崎県開業・内科医)が医療費の動向(メディアス)と、社会医療診療行為別調査(e-Stat)のデータから制度と外来受診の動向との関連を分析したもの。

8020財団がフォーラムで新たな展開模索

8020推進財団(堀憲郎理事長)は、「健康寿命の延伸と新たな8020運動の展開~医科歯科連携をいかにすすめていくべきか」をテーマに第15回フォーラム8020を、東京都千代田区の歯科医師会館で2日に開いた。特別講演で8020推進財団元理事の宮武光吉氏は、8020運動をさらに推進するために「6025」を新たな目標値として提案。母子歯科保健対策や成人期までの保健指導、青少年期からの歯周疾患予防などが重要と訴えた。

昭和上條医療賞に新宿食支援研究会

昭和大学医学・医療振興財団(山元俊憲理事長)は、平成29年度の昭和上條医療賞の受賞者を発表した。地域保健医療貢献部門では、新宿食支援研究会代表の五島朋幸氏(ふれあい歯科ごとう代表)の受賞が決まった。12月18日に同大50年記念館で授賞式が行われる。五島氏の受賞は「多職種による地域食支援の体制構築と実践」の取り組みが評価されたもの。

東北大大学院研究グループが骨融解症候群の発症機序を解明

東北大学大学院歯学研究科先端再生医学研究センターの研究グループは、常染色体優性の先天性骨融解症「Hajdu-Cheney症候群」の病態発症分子メカニズムを解明した。同症候群や骨粗鬆症治療法の開発への貢献に期待がかかる。「Hajdu-Cheney症候群」は、末節骨の骨吸収、進行性の骨粗鬆症、頭蓋骨変形がみられる難病で、現在のところ確立された治療法が明らかになっていない。同研究成果は、米科学雑誌『Molecular Cell』電子版(11月16日)に掲載された。

大臼歯用のCAD/CAM冠で厚労省が留意事項を解説

日本歯科材料工業協同組合(中尾潔貴理事長)は8日、「CAD/CAM冠用材料(大臼歯)の保険適用に関する説明会」を東京都台東区の日本歯科器械会館で開いた。多くの企業関係者らが参加し、同材料の保険適用の経緯やロット番号等を記載するトレーサビリティシールの内容について解説が行われた。

「神奈川がんばる企業」にQLデンタルメーカー認定

神奈川県川崎市の歯科技工所、QLデンタルメーカー(石原孝樹社長)が「神奈川がんばる企業」に認定された。認定式は14日に県庁新庁舎8階の議会大会議室で行われる。同社は、2014年に起業した歯科技工所。セラミックス製歯冠修復物の製造・加工に特化し、売り上げ増加や雇用の拡大につなげたのが認可された。さらに同社は昨年、かわさき起業家優秀賞やかわしんビジネスチャレンジ賞なども受賞している。

診療報酬改定「+1.4%相当必要」横倉日医会長

日本医師会の横倉義武会長は、11月29日の定例記者会見で、年末の予算編成に向けて「プラス1.4%相当の診療報酬改定が必要」との認識を示した。会見で横倉会長は「安倍首相が、来春の労使交渉において3%の賃上げを要請した。医療従事者に対する3%の賃上げのためには、医療費ベースで約6,300億円、国費ベースでは約1,600億円、改定率で約1.4%相当の財源が必要になる」と強調した。