日本歯科新聞 | 2018年6月12日付
骨太方針2018原案に「医科歯科連携」を追記
政府は5日に開いた経済財政諮問会議で、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2018」の原案を公表した。社会保障分野では、「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者をはじめとする国民に対する口腔機能管理の推進、地域における医科歯科連携の構築など歯科保健医療の充実に取り組む」と明記。昨年と比べて医科歯科連携の記述が加わった。
日医が新しい「健康寿命」の算出方法を提案
日本医師会(横倉義武会長)が新たな健康寿命の算出方法を提案している。しばしば「平均寿命と健康寿命との間に約9年の差がある」と言われるが、健康寿命の客観的な定義は統一されていない。日医は6日の記者会見で、公衆衛生委員会(角田徹委員長)の答申を発表。会見で羽鳥裕常任理事は、「今後、日本では、かかりつけ医による主治医意見書などに基づく要介護認定を基準として健康寿命を計算すべき」と、意見書の趣旨を説明した。
骨太方針で横倉会長「結果的な医療費抑制は望ましい」
日本医師会の横倉義武会長は6日の記者会見で、政府の経済財政諮問会議が5日に示した、いわゆる「骨太の方針2018」について、「健康寿命が伸びることで、結果的に医療費が抑制されることが望ましい」と述べ、「今後も、安全な医療提供体制、国民皆保険制度が守られるよう活動していく」とコメントした。
日医が記者会見で税制委の答申説明
日本医師会は6日の記者会見で、医業税制検討委員会(品川芳宣委員長)からの答申内容を明らかにした。昨年10月に横倉会長から諮問されたもので今後、理事会などで答申内容を検討し、政策要求に反映させる。
現状、診療報酬に仕入税額相当額として上乗せされている2. 89%相当額を上回る仕入消費税額を負担している場合、その超過額の税額控除(還付)を認める新たな制度を要求。医療機関が大規模な設備投資を行った場合、仕入消費税額を全額控除できるように目指す。
中国の健康寿命68.7歳、WHO発表
世界保健機関(WHO)は、中国の健康寿命が68.7歳となり、アメリカの68.5歳をわずかに上回ったと発表した。
日本健康会議WGが健康スコアで報告書
日本歯科医師会も実行委員として参加している日本健康会議は、「健康スコアリングの詳細設計に関するワーキング・グループ」報告書を5月30日に公表した。 「健康スコアリング」は、政府の「未来投資戦略2017」を受けて健康保険組合等の加入者の健康状態や医療費、予防・健康づくりへの取り組み状況をスコアリングして経営者に通知するもので、厚労省・経産省および有識者と検討してきた。
全国歯みがき大会に21万人超える小学生が参加
「歯と自分をみがこう。」をテーマとした第75回全国小学生歯みがき大会が1~10日の期間に行われ、東京地区の品川区立八潮学園では1日に実施された。
同大会は各学校でDVDを視聴して参加する形式で行われており、日本国内とアジア6カ国・地域を合わせて約3,800校の小学生約21万8千人が参加した。
国際歯科医療安全機構が設立
歯科医療安全についての情報の収集・検証・調査、研修、出版等の事業を通して、対応策の策定に役立つ知見の蓄積や、普及啓発を目指す「国際歯科医療安全機構」が設立された。2日に東京都千代田区の一橋大学一橋講堂で設立総会が開かれ、理事長には瀬戸晥一氏が就任した。
発起人代表でもある瀬戸氏は、設立趣旨の説明で、医療と歯科医療が異なった形で専門分化してきた一方で、歯周病と全身との関係や口腔管理による誤嚥性肺炎予防などの観点から、歯科が国民医療の中に組み入れられていると言及。
昭和大学歯科病院が日本の歯科大で初 「CAMBRA」導入
治療中にう蝕リスクの高まる歯列矯正において、口腔内環境のリスクバランスを継続的に管理するため、昭和大学歯科病院(槇宏太郎病院長)が、う蝕予防管理プログラム「CAMBRA」の導入を決めた。4日に発表したもので、同プログラムの導入は日本の歯科大学病院として初めて。
「歯学教育漢方eラーニング」を提供─歯科薬物療法学会
日本歯科薬物療法学会は、歯科漢方医学教育の普及を目的に、「歯学教育漢方eラーニング」を神奈川県立産業技術総合研究所と共同で作成し、4月から無償提供を始めている。
問い合わせは神奈川県立産業技術総合研究所(漢方 e-learning 事務局)メール(kampo-dentistry@newkast.or.jp)まで。
ICD日本部会新会長に宮崎氏
ICD(国際歯科学士会)の日本部会(水谷忠司会長)は2日、第61回総会・認証式を開催し、総会では次期会長に昭和大学歯学部学部長の宮崎隆氏を選任した。宮崎新会長は、「ICDメンバーとともにより一層社会、そして人々のヘルスプロモーションに貢献していきたい」などと抱負を語った。
細胞外小胞のHSP90が口腔がんの進行に関与
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の研究グループは、がん細胞が分泌する細胞外小胞(EV)が口腔がんの進行に関与していることを明らかにした。さらに細胞外小胞が、細胞を修復する働きを持つ熱ショックタンパク質(HSP)を多く含む傾向にあることも発見した。
同研究成果は英国の細胞生化学専門誌『Journal of Cellular Biochemistry』(5月16日)に掲載された。
医療ICTの動向で医機連がメディアセミナー
日本医療機器産業連合会(=医機連、渡部眞也会長)は1日、第6回メディアセミナーを東京・飯田橋の医機連内会議室で開いた。渡部会長と日本医療研究開発機構(=AMED)産学連携部部長の高見牧人氏がそれぞれ「革新的な医療機器の創出に向けて」「AI解析、ビッグデータプラットフォーム構築に向けて」と題して講演し、日刊紙や専門紙、週刊誌等の記者らが参加した。
大東京用品商組合が総会
大東京歯科用品商協同組合(小越敏理事長)は5月31日、第67回総会を東京都港区の品川プリンスホテルで開き、平成30年度事業計画や収支予算案など全ての議案を了承した。
さらに、東京デンタルショー2019について「11月の開催が決まっているが、東京オリンピック・パラリンピックの協力体制の中、日本歯科商工協会・歯科医師会の指導の下に進めてまいりたい」と述べて、協力を願った。
歯学図書出版協会が総会
歯学図書出版協会(百瀬卓雄会長)は7日、東京都文京区の東京ガーデンパレスで総会を開催した。なお、百瀬会長は留任(3期目)が決まった。
日歯連盟、歯科議連総会について報告
日本歯科医師連盟の高橋英登会長は、5月23日に自民党本部で開いた国民歯科問題議員連盟の総会に現職の国会議員134人を含む全213人が出席し、約50人が挙手して発言を求めるなど活発な議論が行われたと報告。「今後の日歯連盟の方向性を決定付ける発言が多くあった」と話した。5月31日の理事会後の定例記者会見で述べたもの。