迂回寄付裁判で有罪判決─元会長に禁錮1年6カ月 執行猶予3年、連盟は罰金50万円

日本歯科医師連盟の迂回寄付事件で政治資金規正法違反容疑で起訴されている髙木幹正元会長、堤直文元会長、団体起訴の日歯連盟に対する判決が6月27日、東京地方裁判所(前田巌裁判長)で行われた。元会長の両者に禁錮1年6カ月執行猶予3年(求刑は禁錮2年と禁錮1年6カ月)、団体に罰金50万円の有罪判決を言い渡した。裁判長は、政治資金の収支を公にして政治活動の公正さを保つための法を軽視した旨を指摘して、「組織的、巧妙に迂回寄付を行っている」として非難は免れないと言及。一方で、「長年歯科医師としてまじめに活動してきたことなども考慮した上で執行猶予を設けた」と述べた。

高橋日歯連盟会長が謝罪

日本歯科医師連盟の高橋英登会長は、迂回寄付事件裁判での、日歯連盟、髙木幹正元会長、堤直文元会長の有罪判決を受け、「非常に重い判決。日々連盟活動を地元で支えている先生のやる気を削ぐもので、全会員、国民に対して申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪するとともに、髙木元会長が即日控訴した旨を報告した。

大阪北部地震、会員診療所で209件の被害

6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震で、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県の2府2県の歯科医師会会員診療所で延べ209件の被害が確認されている。同28日に開かれた日本歯科医師会の定例記者会見で28日時点の被害状況が示され、瀬古口精良常務理事から、発災からの歯科医師会の対応について説明があった。

都歯附属衛生士学校「学生募集停止」の方向へ

東京都歯科医師会(山崎一男会長)は6月21日、第196回定時代議員会を東京・市谷の歯科医師会館で開いた。遊休財産保有超過の対応を含む平成29年度収支決算、特定資産の取り崩し、日本歯科医師会会長予備選挙での選挙人の選出方法の全3議案が可決。3月の臨時代議員会でも協議した都歯附属歯科衛生士専門学校の今後の方向性については、同専門学校検討臨時委員会の審議結果の「廃校ではなく『学生募集の停止』」の方向で結論付いた。今後は承認を得る形で臨時代議員会の開催も検討するという。

日歯連盟評議員会「秋には結論が出る」─元副理事の控訴審で弁護士

日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は6月22日、第134回評議員会を東京・市谷の歯科医師会館で開き、日歯連盟顧問承認や平成29年度一般・政治活動運営・選挙関係管理会計収支決算など全6議案を可決した。また、迂回寄付事件裁判の現況について顧問弁護士の矢田次男氏が報告。禁錮2年・執行猶予3年の有罪判決を受けた村田憙信元副理事長の控訴審に関しては「8月下旬に第1回目が行われる予定だが、今秋には控訴審の結論が出ると考えている」と話した。

8020推進財団が評議員会

8020推進財団(堀憲郎理事長)は6月27日、第15回評議員会を開き、辞任に伴う後任の評議員と理事の選任、平成29年度事業報告および収支決算報告の全3議案を全会一致で可決した。

口腔内細菌が大腸癌悪化に関与

口腔内細菌が大腸癌の悪化に関与している─。メイトーブランドの協同乳業(本社・東京都中央区、尾崎玲社長)の松本光晴主幹研究員らは横浜市立大学肝胆膵消化器病学の日暮琢磨診療講師らとの共同研究で、大腸癌患者の大腸癌組織と唾液からFusobacterium nucleatum(F.nucleatum)を分離して解析した結果、4割以上の患者で、大腸癌組織と唾液に共通した

F.nucleatum菌株の存在を発見した。大腸癌の増悪化に関与している腸内細菌のF.nucleatumが口腔内に由来することが明らかになった。

同研究結果は英国消化器病学会(British Society of Gastroenterology)の機関誌「Gut」に6月23日(日本時間)にオンライン公開された。

東歯大と大妻女子大が管理栄養士との連携を見据え協定

東京歯科大学(井出吉信学長)は、管理栄養士の育成を行っている大妻女子大学(伊藤正直学長)と連携交流に関する協定を締結した。6月22日に調印式が行われ、両学長が協定書に署名した。

協定は、「教育・研究において相互に交流を深め、連携し、両大学の進歩と発展につながることを期待して、学術活動を推進する」のを目的としており、人材育成・交流や共同研究、学術情報交換などを行っていく。

横顔美人に井上真央さん

日本成人矯正歯科学会が横顔の美しい女性を選考する2018年度「Eライン・ビューティフル大賞」に女優の井上真央さんが選ばれた。

矯正の専門医制度議論─日本矯正歯科協会学術大会

日本矯正歯科協会(=JIO、和島武毅会長)は6月24日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で学術大会を開いた。日本歯科矯正専門医学会(=JSO、池元太郎会長)との合同開催。

矯正歯科領域での専門医制度がメーンテーマ。厚生労働省医政局歯科保健課の和田康志氏が、厚労省の進める「歯科医師の資質向上等に関する検討会」の議論を中心に解説。専門医制度が、国民にとって受診の選択に資する情報の一つであるという「国民が求めている専門性」と、難症例などを紹介するために必要な「歯科医師が求めている専門性」とを分けて議論すべきだとされていることに触れ、「国民が求めている専門性」と、医療法が定める医療広告規制との関連を説明した。

愛知学院名誉学院長、小出忠孝氏が死去

学校法人愛知学院名誉学院長の小出忠孝(こいで・ただたか)氏は6月22日(金)午前4時58分に死去した。

小出氏は昭和6年1月11日生まれ。名古屋大学医学部卒。43年に愛知学院大学歯学部教授。平成29年から30年3月まで学校法人愛知学院理事長、30年4月から名誉学院長。

平成4年には藍綬褒章、19年には旭日重光章を受章。

2018年6月