平成29年度概算医療費、歯科は2兆9,152億円

平成29年度概算医療費で歯科は2兆9,152億円と、前年度に比べて406億円、1.4%増加し、過去最高を記録した。厚労省が9月21日に公表したもので、日本歯科医師会の堀憲郎会長は同月27日の定例記者会見で、対前年度比の406億円の伸びから、歯科特有の金銀パラジウム合金の値上げ分の約41億円を差し引いた366億円増が、歯科界の活性化や歯科医療の充実度を計る指標と考えているとの認識を示した。

半壊が2軒、一部損壊76軒─北海道地震による歯科医院の被害

北海道胆振東部地震で、少なくとも歯科医院2軒が半壊し、76軒が一部損壊、その他95件の被害報告があり、9月25日時点でむかわ町の1施設で診療が再開できていない。日本歯科医師会が9月27日の定例記者会見で同21日現在の会員被害状況および25日の被災地視察の報告を行った。佐藤保副会長による視察概要説明では、24日に避難所の歯科対応が終了した旨などの説明があった。

歯科口腔保健推進室で堀日歯会長がコメント

日本歯科医師会の堀憲郎会長は、7月から訓練室から省令室に昇格した厚労省の「歯科口腔保健推進室」について、来年度予算概算要求で新規に6,697万円を要求している「口腔保健に関する予防強化推進モデル事業」が推進室の取り組みの中心になるのではないかと注目しているとの認識を示した。

第54回ISO/TC106年次会議が開催

歯科材料・器械のISO規格の改訂作業や新規作成に向けて各国で審議する第54回ISO/TC106(国際標準化機構/歯科専門委員会)年次会議が9月16~21日、イタリア・ミラノのマリオットホテルで開かれた。日本代表団として、日本歯科医師会副会長の牧野利彦氏を団長に、日本歯科材料器械研究協議会会長の根來紀行副団長、東京歯科大学名誉教授の小田豊TC106日本議長をはじめ、日歯器材関係委員会委員や大学、歯科業界関係者など計86人が参加した。日歯が26日にプレスリリースで公表したもの。

学校保健・安全表彰に学校歯科医50人

文科省は9月26日、平成30年度「学校保健及び学校安全表彰」の被表彰者を発表した。

50人の学校歯科医が選ばれており、10月25日に鹿児島市民文化ホールで開かれる全国学校保健・安全研究大会で表彰される。なお、学校医は62人、学校薬剤師は30人だった。

神奈川県大和市の「口腔機能低下」予防事業で64%が「食べにくさ」改善

神奈川県大和市では、口腔機能が低下した高齢者に対して、管理栄養士と歯科衛生士がペアで訪問する事業を展開しており、N数は22人と少ないが、事業6カ月で、「食べにくさ」や「食べこぼし」があった人の64%に改善が見られたという結果を残している。20日に東京・永田町の全国都市会館で開かれた厚労省の第2回「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」で自治体の優良事例として、大和市と三重県津市、滋賀県東近江市の取り組みが紹介された。

厚労省が補填調査の誤り報告

平成26年度の補填状況調査に誤りがあったと、9月26日に厚労省内で開かれた中医協の第399回総会で「診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会」から報告があった。

歯・口の健康づくりに関する中間評価を審議

歯・口腔の健康などの国民の健康づくり対策を推進する「健康日本21(第二次)」の中間評価と同推進専門委員会の設置、歯科口腔保健法に基づく基本的事項の中間評価について、厚労省は9月20日に東京・霞ヶ関の省内で開いた第41回の厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(座長=辻一郎東北大学大学院医学系研究科教授)で審議した。

保育所等の常勤歯科医1,153人

社会福祉施設等の常勤換算従事者の総数は100万7,414人で、歯科医師は全国の保育所等に1,153人、保育所等を除く児童福祉施設等に81人常勤している─。

厚労省が今年9月20日に公表した平成29年社会福祉施設等調査の結果によるもの。全国の社会福祉施設等の数や在所者、従事者の状況の把握などを目的とし、老人福祉施設や障害者支援施設、児童福祉施設等の計14万2,463施設・事業所を対象に29年10月1日に実施した。

平成28年度国民医療費、歯科は2兆8,574億円

平成28年度国民医療費で、歯科診療医療費は2兆8,574億円と対前年度と比べて1.0%増え、同統計が歯科診療医療費を把握し始めた昭和37年度以降、過去最高となった。医療費総額は42兆1,381億円(2,263億円、0.5%減)で歯科の構成割合は、前年度より0.1ポイント増の6.8%だった。人口1人当たりの国民医療費は33万2千円、前年度の33万3,300円に比べ1,300円、0.4%の減少。

口腔の健康と認知症考えるハート・リングフォーラム

認知症に優しい社会を目指す「ハート・リング運動」は9月24日、世界アルツハイマーデー(9月21日)に合わせて、「口から考える認知症―あなたとご家族のための、介護・生活・予防の知恵」と題したハート・リングフォーラム2018を仙台市内で開いた。高齢者を中心に400人が参加し、超高齢社会、認知症時代における口腔の健康の重要性を学んだ。同運動の代表理事には日本歯科医師会の堀憲郎会長も名を連ねている。

平成30年6月末の歯科施設数は6万8,787

厚労省の施設動態調査による平成30年6月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,787施設で、前月よりも13増加した。

前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、146施設減少。開設者別歯科診療所数の個人は660減、医療法人は517増となっている。

安倍総裁3選で堀会長「歓迎したい」

日本歯科医師会の堀憲郎会長は、自由民主党総裁選での安倍首相の3選について、「安定した社会保障政策・医療政策を進めていくという方向性と継続性を得られたことを歓迎したい」との見解を示した。9月27日の定例記者会見で述べたもの。

診療報酬改定の結果検証で調査票案

中医協の第399回総会と診療報酬改定結果検証部会が9月26日に厚労省内で開かれ、同部会では平成30年度診療報酬改定の結果検証に関わる特別調査としてかかりつけ医機能等の外来医療、在宅医療と訪問看護、医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に関する評価、そして後発医薬品の使用促進策の影響および実施状況の調査票案が提示され、議論した。

2018年9月