光反応性物質に着目して口腔がんを鑑別

タレントの堀ちえみさんの口腔がん公表を受けて、歯科医院への受診•問い合わせが急増している。先進国の中で、唯一口腔がん患者が増えている日本において、歯科界では以前から早期発見•早期治療の重要性が叫ばれていた。しかし、目視できる場所にもかかわらず、上皮内がんや初期浸潤がんは肉眼では認知困難で、簡便で確実な早期発見ツールの開発が望まれていた。その期待に応え得る研究を鶴見大学歯学部口腔内科学講座の里村一人教授らが進めている。がん細胞のミトコンドリア内に蓄積される「プロトポルフィリンⅨ(PpⅨ)」に光を当てて反応させ、正常組織と鑑別するという手法だ。

都道府県会長会議で日歯役員らが報告

日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、第127回都道府県会長会議を2月22日、東京都千代田区の歯科医師会館で開いた真。全国の医療計画における歯科の記載や、会費免除の対象に自然災害の被災者が盛り込まれたこと、日本産科婦人科学会との連携等についての報告があった。

◇2月時点で歯科専門医機構の社員は24団体

昨年4月に設立された日本歯科専門医機構(住友雅人理事長)の社員数は、2月12日現在で24団体。柳川忠廣副会長が報告した。

◇2月発生の北海道の地震で歯科の被害なし

2月21日に最大震度6弱を観測した北海道の地震で、22日正午現在では歯科医療機関の被害は確認されていない。村岡宜明専務理事が報告した。

◇会費免除規程に被災会員を対象に追加

日本歯科医師会の会費免除の対象として、従来の傷病、出産•育児に加えて「自然災害等の被災会員」が追加された。

◇外国人患者への対応ツール作成

急増する外国人患者に診療所で対応できるように、英語、韓国語、中国語の3言語で「コミュニケーション•シート」と「問診票」を日本歯科医師会が作成している。

なお、3月20日開催の医療管理担当理事連絡協議会で具体的な使用方法を説明する予定。

◇妊婦支援アプリで産科婦人科学会と啓発情報発信

日本産科婦人科学会が監修する妊娠•出産支援アプリ「Baby+」の中に、日本歯科医師会監修の啓発情報や、会員歯科医院の紹介•検索マップが盛り込まれる。小山茂幸常務理事が報告した。

茨城県歯、現職の森永氏が無投票当選

任期満了に伴う茨城県歯科医師会の会長予備選挙で、2月21日に立候補届出が締め切られ、現職の森永和男氏が無投票で当選した。

宮崎県歯、現職の重城氏が無投票当選

任期満了に伴う宮崎県歯科医師会の会長選定選挙で、立候補届出が2月26日に締め切られ、現職の重城正敏氏が無投票で当選した。

和歌山県歯、現職の中西氏が無投票当選

任期満了に伴う和歌山県歯科医師会の会長予備選挙で、2月27日に立候補届出が締め切られ、現職の中西孝紀氏が無投票で当選した。

厚労省が在宅医療の普及•啓発に向けてリーフレット案

厚労省の第5回全国在宅医療会議が2月27日に東京都港区の三田共用会議所で開かれ、国民への在宅医療に関する普及•啓発のために作成するリーフレット案が示された。

全歯連が通常総会

全国歯科医師国民健康保険組合連合会(=全歯連、山口誠一郎会長)の平成30年度第2回通常総会が2月27日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれた。平成31年度事業計画、会費賦課ならびに徴収、歳入歳出予算の全ての議案が原案通り承認された。

フッ素で小児の中枢神経系の発達阻害

さまざまな環境化学物質が小児の中枢神経系の発達を阻害するが、その中には、う蝕予防への効果が期待されるフッ素も含まれる。ハーバード大学医学部精神神経科のDavid C. Bellinger氏が、水銀、鉛、ヒ素、フッ素、農薬など環境化学物質の影響のうち、小児の知的発達との関連について焦点を当て、これまでの研究をレビューした。「Pediatric Medicine」2018年12月号に論文掲載。

昭和大が長寿目指す研究報告

昭和大学は、平成30年度文部科学省私立大学研究ブランディング事業の研究成果報告会•シンポジウムを2月23日、東京都品川区の同大旗の台キャンパスで開いた。「医系総合大学の実績を基盤とした生体内レドックス制御機構解明と臨床応用―健康長寿に貢献する大学創成」が事業名で、医•歯•薬•保健医療学部、附属病院•附置研究所など全学を挙げて研究を推進している。発表のあった研究から特に歯科に関係するものを紹介する。

抗炎症性脂質レゾルビンD2が根尖性歯周炎の治癒促進

炎症を終息させる生理的な生体物質「レゾルビンD2」に、根尖性歯周炎の治癒を促進させる効果がある―。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野らの研究グループが、「レゾルビンD2」を活用した歯内療法により、歯根の炎症を抑制するだけでなく、歯根尖の石灰化を誘導して閉鎖し、顎骨を再生することを明らかにした。同研究成果はスイスの国際学術誌『Frontiers in Immunology』オンライン版(2月6日)に掲載された。

社保•件数も点数も増加

社会保険診療報酬支払基金による平成30年10月診療分の総計確定件数は、9,652万4千件、点数1,524億2,294万8千点で、前年同月に比べ件数は7.4%、点数は6.8%それぞれ増加した。

歯科は1,229万6千件、148億5,567万1千点で、前年同月に比べ件数は6.5%、点数は7.9%増加した。

国保•市町村の金額は増加

国保中央会がまとめた平成30年10月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆3,643億円で、うち後期高齢者分は1兆4,151億円だった。

歯科医療費は市町村が644億円で、対前年同月比で1.1%増。組合は48億円で3.2%増。後期高齢者は560億円で10.5%増加した。

日歯連盟会見で高橋会長が全国行脚の進捗報告

日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は2月28日、定例記者会見を東京•市谷の歯科医師会館で開いた。各都道府県歯連盟会長らとの意見交換等の全国行脚について、高橋会長は「会員の先生方からは『国会で活躍できる歯科医師出身の議員を輩出したい』との意見が多かった」と報告した。

島村大参院議員が「支払基金の統合」を説明

島村大参議院議員は、4月から法案審議に入る見込みの医療法改正について、社会保険診療報酬支払基金の47都道府県支部を経費削減の観点から統合する議論が出てくると説明し、理解を求めた。2月27日に東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれた全国歯科医師国民健康保険組合連合会の平成30年度第2回通常総会の来賓あいさつで述べたもの。