日本歯科新聞 | 2019年6月25日付
千葉県の全児童相談所に歯科医を配置
千葉県で、県内に7カ所ある児童相談所に嘱託歯科医師を配置して、一次保護児童への歯科健診•ブラッシング指導•啓発教育等を行う事業が今年度からスタートしている。千葉県歯科医師会(砂川稔会長)が協力して行う「児童相談所虐待防止体制強化事業」で、月に1回健診し、治療が必要な場合は、近隣の歯科医院へ通院させることも可能という。同様の取り組みを試験的に行っている県もあるが、全県一斉に嘱託歯科医を配置するのは全国で初めてと見られる。
認知症、歯科診療所での早期発見に期待
政府は18日、第2回認知症施策推進関係閣僚会議を開き、「認知症施策推進大綱(案)」を示した。歯科に関する部分では、歯科医療機関による早期発見や、認知症の状況に応じた口腔機能の管理などの必要性が盛り込まれている。
「骨太の方針」の歯科文言、微修正で閣議決定
「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」が21日に閣議決定された。社会保障の歯科に関する記述では、「口腔の健康は全身の健康にもつながることからエビデンスの信頼性を向上させつつ、国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、フレイル対策にもつながる歯科医師、歯科衛生士による口腔健康管理など歯科口腔保健の充実、入院患者等への口腔機能管理などの医科歯科連携に加え、介護、障害福祉関係機関との連携を含む歯科保健医療提供体制の構築に取り組む」と記載。
日歯ビジョン検討会が始動
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、「令和における歯科医療—2040年を見据えた歯科ビジョン」を取りまとめるための第1回検討会を19日、東京都千代田区の歯科医師会館で開いた。日歯の委員だけでなく、外部委員のうち17人とオブザーバーとして厚労省医政局歯科保健課課長補佐の小嶺祐子氏と同保険局医療課課長補佐の高田淳子氏も参加した。
第2回検討会は8月21日に予定。
社保審•医療保険部会で被扶養者認定要件の省令改正案を了承
厚労省の社会保障審議会医療保険部会(部会長=遠藤久夫国立社会保障•人口問題研究所所長)が12日に東京•九段下のベルサール九段で開かれ、医療保険の被扶養者認定要件の省令改正案が提示された。
「医療滞在ビザ」や「観光•保養を目的とするロングステイビザ」の来日者は適用外。2020年4月1日から施行される予定としている。
日医、「骨太の方針」でコメント
経済財政諮問会議が11日に示した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」の原案について横倉義武日本医師会会長は19日の会見でコメント。「予防•健康づくり」が明記された点について高く評価し、日医の基本方針と合致していると述べた。
日医、世界医師会と「東京宣言」
日本医師会と世界医師会(WMA)は6月13、14の両日、東京都のヒルトン東京お台場で「Health Professional Meeting(H20)2019」を開催。ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)を提供するヘルスケア制度の開発を推進する取り組みを歓迎するとの「東京宣言」を採択した。
「東京宣言」は、G20サミットにも提示される予定で、ヘルスケアシステムに十分な投資ができていない国や地域にこそ、持続可能な投資が必要だとして、G 20諸国に対して、それ以外の国や地域の取り組みも鼓舞してほしいとしている。
日技、理事を「15名以内」に
日本歯科技工士会(杉岡範明会長)は、第8回社員総会を15日、東京•市谷の日技会館で開いた。定款の一部改正の議案では、理事数の「15名以上20名以内」が「15名以内」に変更となり、次期執行部では、現在の19人よりも最低4人は少なくなることが決まった。
日衛が定時代議員会、武井会長が再任
日本歯科衛生士会の令和元年定時代議員会が16日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で開かれ、理事および監事の選任、会長候補者の選定など全議案を可決した。代議員会後の臨時理事会で武井典子氏が正式に会長に就任した。
新潟•山形地震、歯科6軒に被害
最大震度6強を記録した18日の新潟•山形地震で、両県の歯科医師会に確認したところ、24日現在で人的被害はないものの、計6軒の会員から被害報告が上がっていることが分かった。
医療福祉生協連が役員選任など可決
日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)は、第9回通常総会•記者懇談会を7日、東京都江東区のホテルイースト21で開き、2019年度方針や役員選任など全5議案を可決した。会長には岡山医療生協理事長で岡山協同病院院長の騠橋淳氏が就任。歯科医師では、利根歯科診療所所長の中澤桂一郎氏が理事に名を連ねている。
咀嚼する部位で脳の働きに違い、医科歯科大らが解明
物を咀嚼する時に、噛む場所によって脳内の運動制御機構が異なることが明らかになった。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の森山啓司教授、宮本順助教、吉澤英之大学院生らの研究グループらによるもので、咀嚼時に歯や口の粘膜などから入力される感覚情報が、脳の機能に及ぼす影響や、全身の健康との関係を解明する一助になり得る研究として注目が集まる。
同研究成果は国際科学誌『Scientific Reports』オンライン版(6月10日)に掲載された。
企業協の新会長に横江氏
日本歯科企業協議会(企業協)は11日、第48回年次総会を東京都千代田区のホテルグランドパレスで開いた。
玉井誠一会長の任期満了に伴い、新会長にニッシン社長の横江浩司副会長が就任した。
横江新会長はあいさつで、「業界全体にわたる課題や将来に影響を及ぼすと思われる問題についての情報共有、会員および準会員の資質向上のための研鑽の充実を積極的に進めていく」と抱負を述べた。