「在宅歯科支援」や「歯周病予防」など厚労省歯科保健課の概算要求43.5%増

厚労省は、令和2年度歯科保健医療施策に関わる概算要求を発表した。新規では、「歯科口腔保健医療情報収集•分析等推進事業」に1億91万円、「在宅歯科医療体制支援事業」に2,097万5千円、「歯周病予防に関する実証事業」に1億6,056万1千円、「歯科技工士の人材確保対策事業」に7,581万1千円、「ICTを活用した医科歯科連携の検証事業」に3,106万4千円、「脳卒中患者に対する口腔機能管理モデル事業」に3,005万円を要求。日本歯科医師会によると要求額は33億5,700万円で、前年確定予算額の43.5%増となる。

厚労省の概算要求、過去最大の32兆6,234億円

厚労省は8月27日、総額32兆6,234億円の令和2年度予算の概算要求を発表した。過去最大で、元年度の当初予算に比べて6,593億円(2.1%)の増額となった。うち年金•医療等の経費は30兆5,269億円で5,353億円(1.8%)の増、政府が掲げる「新しい日本のための優先課題推進枠」(=推進枠)は2,239億円の要求額を計上した。

2年度の重点要求は、人生100年時代に対応した全世代型社会保障の構築、成長と分配の好循環の拡大を図るため、「多様な就労•社会参加の促進」「健康寿命延伸等に向けた保健•医療•介護の充実」「安全•安心な暮らしの確保等」の三つを柱としている。

日歯の堀会長、歯科保健課概算要求でコメント

日本歯科医師会の堀憲郎会長は、令和2年度予算の歯科保健課概算要求について、「昨年の確定予算に比べて、43.5%増の要求をしている。かつてない多さで、行政内でも歯科の重要性が認められた結果だと評価している」との見解を示した。8月29日に開かれた定例記者会見後に本紙の質問に答えたもの。

日歯、FDI世界大会で日本の現状を紹介へ

日本歯科医師会の堀憲郎会長は、9月1日から米国•サンフランシスコで開催されるFDI世界歯科大会に参加し、口腔の健康が全身の健康に関わるとの国民的理解が日本で進み、日本歯科医師会の描く方向性が国と共有できていることを披露したいとの考えを示した。8月29日の定例記者会見で述べたもの。

日歯映画のDVDの発売開始

日歯が製作した映画「笑顔の向こうに」のDVD発売•レンタル、動画配信が8月28日から開始された。瀬古口精良専務理事が報告した。

共済保険加入会員、死因1位は「悪性新生物」

日歯の「平成30年度福祉共済保険制度加入会員の死因調査」によると、死因の1位は「悪性新生物」32.6%(228人)で、次いで「呼吸器疾患」22.9%(160人)、「心臓疾患」15.1%(106人)。死者数は計700人。

厚労省の税制改正要望案、「健康•医療」で新規に4項目

厚労省は8月27日、令和2年度の主な税制改正要望案を公表した。「健康•医療」関係では、新規要望四つと一部見直しを含む延長要望二つ。

神奈川県歯がベスト歯ブラシアワード2019発表

神奈川県歯科医師会(松井克之会長)は、歯科医師が選ぶ「ベスト歯ブラシアワード2019」を8月28日に発表した。一般に販売されている歯ブラシのうち、企画趣旨に賛同のあった10ブランドの中からお勧めしたい歯ブラシを一つ選ぶというもので、会員を対象にウェブと紙で調査(期間は今年3月~4月)。「う蝕予防」「歯周病予防」「小児用」の目的別に分けて集計した。

被災地特例措置の利用、歯科は岩手で1軒

中医協の第421回総会が8月28日に東京•市谷のTKP市ヶ谷カンファレンスセンターで開かれ、被災地特例措置の利用状況が厚労省から報告された。東日本大震災に伴う被災地特例措置を利用する保険医療機関数は今年7月時点で歯科の岩手県1軒と医科の宮城県2軒。福島県は0軒となった。

『ランセット』に口腔保健の特集、FDIが歓迎

世界歯科連盟(FDI)は、医学雑誌『ランセット』が7月に口腔保健に関する特集記事を掲載したことについて歓迎を表明した。イギリスのユニバーシティ•カレッジ•ロンドンのリチャード•ワット教授(歯科公衆衛生)をはじめとする10カ国、13人の専門家が執筆したもので、う蝕、歯周病、口腔がんなど、全世界で35億人もの罹患者がいる口腔疾患に対して、各国の健康政策での優先順位が高くなかったことを指摘した。

『ランセット』の記事は、科学の進歩にかかわらず、過去30年間で、特に所得の低い層に口腔疾患が広がったと強調している。

SCRP日本、優勝は広大歯5年生の前川原さん

「令和元年度(第25回)日本歯科医師会/デンツプライシロナ スチューデント•クリニシャン•リサーチ•プログラム(=SCRP)日本代表選抜大会」が8月23日に東京•市谷の歯科医師会館で開かれ、広島大学歯学部5年生の前川原思惟子さんが優勝した。基礎部門1位で、テーマは「Porphyromonas gingivalis(P.g.)-fimA type2とtype4血清抗体価の上昇は歯周炎の関連する早産のマーカーとなる」。

前川原さんは、P.g.血清抗体価が歯周炎の重症度と関連し、歯周炎関連早産のマーカーとなることを明らかにする目的で、同大学病院を受診した妊婦157人の血清を用い、P.g.-fimAタイプ別血清抗体価と歯周病の重症度(PESA/PISA)、早産との関係を調査。結果、P.g.-fimAタイプ2(Odds比3.04、CI:1.33-6.81)とタイプ4(3.83、1.42-10.29)の血清抗体価は早産発生率との関連性が認められ、歯周炎関連早産のマーカーとなると解明した。

日歯医学会が“研究の集い”

日本歯科医学会(住友雅人会長)は8月28日、東京都千代田区の歯科医師会館で第35回「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」を開いた。専門分化した各専門領域の間で情報交換することで歯科医学の発展を目指すもので、応募のあった18題から選ばれた8題の研究発表があった。

社保の歯科医療費•件数は7.7%、点数6.6%増

社会保険診療報酬支払基金による平成31年4月診療分の総計確定件数は9,642万4千件、点数1,485億5,890万3千点で前年同月に比べ件数は7.9%、点数は8.6%それぞれ増加した。

歯科は1,237万1千件、144億4,157万9千点で、前年同月に比べ件数は7.7%、点数は6.6%増加した。

国保、市町村の金額は0.3%増加

国保中央会がまとめた平成31年4月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆3,236億円で、うち後期高齢者分は1兆4,105億円だった。

歯科医療費は市町村が611億円で、対前年同月比で0.3%増。組合は47億円で3.3%増。後期高齢者は549億円で8.4%増。

オリパラ期間中の交通規制、歯科流通への影響は限定的か

2020年に予定されている東京オリンピック•パラリンピック期間中、首都高速道路の都内路線で、乗用車(自家用車、社用車)に対して1千円の追加料金を徴収する施策が決定。これに対して、歯科ディーラーなどの団体では、9月1日時点で対策は未定となっており、各社対応となる可能性が高い。