日本歯科新聞 | 2019年10月8日付
イグノーベル賞 小児唾液分泌量の測定で渡部茂明海大教授らが受賞
毎年、人々を笑わせ、考えさせてくれる研究に授与されるイグノーベル賞を明海大学保健医療学部の渡部茂教授らが受賞した。
研究内容は、渡部氏の子供を含む30人を対象に行った5歳児の1日唾液分泌量の推定。食事の際の唾液分泌量を測定するのに苦労した末、約500ミリリットルだと推定したもの。
平成30年度概算医療費 歯科は2兆9,712億円
平成30年度概算医療費で歯科は2兆9,712億円と、前年度に比べて560億円、1.9%増加し、過去最高を記録した。厚労省が9月26日に公表したもので、日本歯科医師会の堀憲郎会長は同日の定例記者会見で、対前年度比の560億円の伸びから金銀パラジウム合金の値上がりの影響94億円、改定財源分を差し引いても、歯科界の活性化は進んでいるとの認識を示した。
歯科健診充実に向け議連発足へ
「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に3年連続で記載された「生涯を通じた歯科健診の充実」を法制化するための議員連盟を立ち上げる動きが進んでいる。山田宏参議院議員が1日に東京都千代田区の歯科医師会館で開かれた都歯連盟臨時評議員会のあいさつで準備を進めていると明かした。
中国•四国地区歯科医師会連合会 愛媛で役員連絡協
令和元年度中国•四国地区歯科医師会連合会役員連絡協議会が9月28日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開催された。
開催県を代表しあいさつした愛媛県歯科医師会の是澤惠三会長=写真=は、各地で発生している災害の被災者にお見舞いの意を伝えるとともに、昨年の西日本豪雨で被災した県歯会員のうち最後の診療所が12月に診療を開始したと報告し「うれしい限り」と話した。また、骨太の方針に3年連続で歯科が明記されたこと、来年度の歯科保健関係の概算要求が今年度比1.4倍となったことについて日本歯科医師会と日本歯科医師連盟の尽力によるものと評価した。また、日歯連盟評議員会において、7月の参院選で比嘉奈津美候補が次点となった責任を執行部に問う動議案が出された(議案化は否決)ことについて、「一般会員と(感覚が)乖離しているのでは。数カ月という非常に少ない期間でよく次点にもっていったと思っている。その責任を取れというのは私の考えとは離れていると思っている」と述べ、歯科界が一致団結する必要性を説いた。
「歯科の重要性認められた」−概算要求増額で堀日歯会長
日本歯科医師会(堀憲郎会長)の定例記者会見が9月26日に東京•市谷の歯科医師会館で開かれ、厚労省の令和2年度予算の概算要求に対して堀会長は「日歯の試算では歯科保健課は33億5,700万円と、かつてない増額の要求が厚労省内で認められ、歯科医療の重要性がさらに認識されたと受け止めている」との見解を述べた。
台風15号対応等を報告−千葉県歯 臨時代議員会
千葉県歯科医師会(砂川稔会長)は9月26日、千葉市の県歯科医師会館で第169回臨時代議員会を開いた。砂川会長はあいさつで、台風15号について「台風の1週間前に安倍総理を船橋に招いて、5千人規模の、県の総力を挙げた防災運動をしたが、それをあざ笑うかのように千葉を過ぎ去っていき、東のエリアに甚大な被害をもたらした」と言及。
県歯として、診療報酬請求が困難な会員が100人程度いることが判明したため、白須賀貴樹衆議院議員や日本歯科医師会の協力を得て、概算請求で対応可能となった経緯を報告した。
ほかにも8029運動をベースに地域口腔保健事業をさらに推進するための「8029•健康寿命延伸プロジェクト」を立ち上げると報告。
さらに千葉県歯が行っている委託歯科健康診査の対象に、11月から県トラック健康保険組合が加わると報告した。健診は、協力会員の診療所で、対象団体の被保険者およびその被扶養者を対象に3千、4千円程度で実施している。
また、今年度から千葉県内7カ所全ての児童相談所でスタートした嘱託歯科医師制度で、8月までに計606人の健診、計590人のブラッシング指導を行っているのが分かったことも報告した。
オランダ医師会長と安楽死巡り対話−横倉日医会長
横倉日医会長は9月25日、オランダ•ロッテルダムで開催された「Health Holland Visitors Program2019」に参加。同日、オランダ医師会のレネ•へマン会長とオランダで法制化されている安楽死について対話した。10月2日の日医定例会見で明らかにしたもので、オランダ医師会は安楽死をめぐる世界医師会(WMA)の議論の過程で、2018年末に一時的にWMAを脱退している。
安楽死を規定する法律ではオランダの居住者だけが対象で、渡航者は対象にならない。
歯科衛生士の役割探る−口腔4学会の合同学術大会 歯科衛生士•看護師セッション
「歯科のない病院での歯科衛生士の取り組み」と「がん患者の口腔ケアにおける看護師の役割」と題した講演が9月23日に東京都千代田区の一橋大学一橋講堂で行われた。歯科衛生士の取り組みで講演したのは、新潟市の桑名病院に勤務する歯科衛生士の近藤舞子氏。
近藤氏が脳外科を主体とした同病院に勤務したのは2014年4月からで、入院患者の80%が脳卒中や後遺症を抱え、誤嚥性肺炎による痰汚染や極度の口渇が頻発していた。しかし、それまで歯科衛生士がおらず、口腔ケアシステムが整備されていなかったため、問題が山積していた。そこで近藤氏は、ケア製品やケア方法、ケア実施者、歯科医院との連携を見直し、患者の口腔状況の改善に取り組んだ。
元WHOスタッフが論文掲載「アルマ•アタ宣言は医師の役割を無視」
プライマリ•ヘルスケア(PHC)を提唱した1978年のアルマ•アタ宣言について、当時、世界保健機関(WHO)の事務局長を務めたハーフダン•マーラー氏の意向により、医師の役割が無視された。
2021年日歯医学会大会で14団体が併催
2021年9月に開催される第24回日本歯科医学会学術大会に伴い、併催学術大会を予定している分科会および地区歯科医師会が計14団体いることが分かった。日歯医学会の臨時評議員会で報告があった。
平成30年度 調剤医療費 歯科の伸び率はマイナス4.9%
厚労省は9月26日、電算処理分のレセプトを集計した平成30年度「調剤医療費(電算処理分)の動向」を公表した。全体の調剤医療費は7兆4,279億円で、うち歯科は伸び率マイナス4.9%の153億円だった。
令和元年7月の歯科診療所 6万8,506施設
厚労省の施設動態調査による令和元年7月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,506施設で、前月より8減少した。
令和元年5月の歯科医療費•社保 件数は3.9%、点数は微増
社会保険診療報酬支払基金による令和元年5月診療分の総計確定件数は9,346万6千件、点数1,458億6,109万2千点で前年同月に比べ件数は2.2%、点数は2.7%それぞれ増加した。
歯科は1,199万件、135億6,535万9千点で、前年同月に比べ件数は3.9%、点数は0.002%増加した。
令和元年5月の歯科医療費•国保 市町村の金額5.7%減少
国保中央会がまとめた令和元年5月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,827億円で、うち後期高齢者分は1兆3,943億円だった。
歯科医療費は市町村が582億円で、対前年同月比で5.7%減少。組合は44億円で3.1%減。後期高齢者は530億円で2.4%増加した。
PhRMA在日執行委員長にフウリガン氏が就任
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は9月26日、在日執行委員会の委員長に、ヤンセンファーマ日本法人の代表取締役社長、クリス•フウリガン氏が同日付で就任したと発表した。任期は2020年12月末まで。