日本歯科新聞 | 2019年12月10日付
診療報酬改定、診療側「プラス改定を」、支払側「マイナス改定に」
中医協の第439回総会が6日、東京•永田町の全国都市会館で開かれ、令和2年度診療報酬改定について、支払側から「マイナス改定とすべき」、診療側から「プラス改定とするべき」との意見書が提出された。今後、医療経済実態調査と次期診療報酬改定に関する双方の見解や薬価調査の結果を踏まえて、公益委員が厚労大臣に対する意見の総論を作成し、総会での議論を経て、中医協から大臣に提出する予定。
国民医療を守るための総決起大会に1千人
日本歯科医師会や日本医師会など医療関係団体で構成される国民医療推進協議会は、「国民医療を守るための総決起大会」を6日に東京都千代田区の憲政記念館で開いた。約1千人の医療関係者や国会議員らが集まり、持続可能な社会保障制度の確立のために適切な財源の確保を求める決議を採択した。
薬価調査で歯科用薬剤のみ“逆ザヤ”
厚労省は、医薬品価格調査(薬価調査)の速報値を4日の中医協総会で報告した。薬価と市場での取引価格との開きを表す平均乖離率は約8.0%だったが、歯科用薬剤はマイナス4.6%となっている。歯科用薬剤の乖離率のみマイナスな状況を受けて日本歯科医師会常務理事の林正純委員は改定での対応を求めた。なお、今回の薬価調査では、適正な市場実勢価格を把握する観点から、談合疑惑が報じられた医薬品卸売大手の4社のデータは除外している旨の報告があった。
また、厚労省は、特定保険医療材料価格調査(材料価格本調査)の速報値で平均乖離率が約5.8%だったと報告した。
口腔•咽頭等がんの死亡数は7,576人
口唇や口腔および咽頭のがんで2018年に死亡した人は7,576人だった。厚労省が11月28日に公表した2018年人口動態統計(確定数)によるもの。
死亡数は戦後最多の136万2,470人(男69万9,138人、女66万3,332人)で、死因別では、「悪性新生物」が37万3,584人で最も多く、次いで「心疾患」20万8,221人、「老衰」10万9,605人、「脳血管疾患」10万8,186人、「肺炎」9万4,661人、「不慮の事故」4万1,238人、「誤嚥性肺炎」3万8,460人と続く。
人口の自然増減、12年連続で減少
2018年人口動態統計(確定数)によると、出生数は過去最少の91万8,400人で、自然増減数は44万4,070人減と、12年連続で減少している。
健康な女性の17.4%が食後の歯磨きを重視
厚労省は、同じ集団に対して13年前から毎年継続して行っている第14回「中高年者縦断調査」の結果を11月27日に公表した。第1回調査から14回まで健康状態が「よい」と回答している人が心掛けていることで、女性の17.4%が「食後の歯磨き」と回答している。
同調査は、2005年10月末に50~59歳だった全国の中高年者世代の男女を対象に、家族や健康、就業の状況などを継続的に把握し、高齢者対策などの厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的としている。
令和元年9月の歯科診療所数は6万8,511施設
厚労省の施設動態調査による令和元年9月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,511施設で、前月より11減少した。
開設者別歯科診療所数の個人は544減、医療法人は439増となっている。
保団連•医療経済実態調査受け「抜本的プラス改定を」
全国保険医団体連合会は、第22回医療経済実態調査の結果を受けて、「医療機関全体で経営状況変わらず~診療報酬の抜本的プラス改定を強く求める~」と題する談話を11月27日に発表した。
介護サービス受給者は年間517万9千人
厚労省が発表した平成30年度「介護給付費等実態統計」で、介護予防サービスの年間受給者は101万9,100人、介護サービスは517万9,200人で、重複を除くと計597万3,500人がいずれかのサービスを受けていることが分かった。
介護予防サービスで、歯科医師や歯科衛生士も携わる「介護予防居宅療養管理指導」の累計受給者は63万5,200人。
病院団体協が入院基本料の増額など要望
16の病院団体からなる日本病院団体協議会(長瀬輝諠議長)は11月22日、入院基本料の増額や医師事務作業補助加算の対象拡大などを求める「令和2年度診療報酬改定に係る要望書(緊急)」を厚労省保険局長宛に発出した。
要望書では、地域医療構想や地域包括システムの推進、医師の働き方改革や医師偏在の解消への対応等の課題が山積している中で、医療経済実態調査や他の病院経営調査から病院経営が厳しい局面を迎えていると指摘。
育児でブランク9年「ママ技工士」の挑戦
11月17日、東京・両国のKFCビルで開催された東京都歯科技工士会の若手講師リレーセミナーで、「子育て9年、技工ブランク9年主婦の挑戦~子育てと仕事の両立を目指して」と題した講演があった。演者は埼玉県越谷市で2018年4月にデンタルラボアメティスタを開業した立澤玲奈氏。総務省が17年に発表した調査によると、第1子の妊娠出産を機に約4割の女性が退職しているという。
立澤氏は2000年に日本歯科大学附属専門学校歯科技工士科を、02年に同校専攻科のポーセレン科を卒業。歯科技工士所や院内ラボに勤務した。 自宅開業を選んだ理由として、「母親、妻として笑顔でいられるのが一番と考えた。それでも育児、家事、仕事をこなしていく上で、悩むことは多い。働きに出ていく人はなおのこと」と述べ、参加しているラボ経営者に職場の環境改善を求めるとともに「『ありがとう』の一言で感謝の気持ちを伝えてほしい」と訴えた。
令和元年7月の歯科医療費 社保・件数は9.9%、点数は9.5%増
社会保険診療報酬支払基金による令和元年7月診療分の総計確定件数は9,856万5千件、点数1,576億8,563万6千点で前年同月に比べ件数は8.2%、点数は8.4%それぞれ増加した。
歯科は1,356万4千件、160億5,159万9千点で、前年同月に比べ件数は9.9%、点数は9.5%増加した。
令和元年7月の歯科医療費 国保•市町村の金額は2.4%増加
国保中央会がまとめた令和元年7月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆3,936億円で、うち後期高齢者分は1兆4,546億円だった。
歯科医療費は市町村が634億円で、対前年同月比で2.4%増加。組合は50億円で6.0%増。後期高齢者は569億円で11.5%増。
AMDDが「単回使用医療機器」の再製造を解説
米国医療機器•IVD工業会(AMDD、加藤幸輔会長)は3日、東京都千代田区のトラストシティカンファレンス丸の内で、単回使用医療機器の再使用、再製造に関するメディア向け講演会を開いた。
感染予防の観点から ディスポでの使用が要求されている医療機器が年々増加する傾向にあり、医療費圧迫要因となるだけでなく、プラスチック系の廃棄物の原因ともなっており、各国で対策が求められている。厚生労働省では、使用済みの単回使用医療機器(SUD)を医療機器製造販売業者が回収、分解、洗浄、部品交換、再組み立て、滅菌などの処理を行い、再び「新品」として流通することを認めており、8月には、再製造ラッソー(日本ストライカー)の申請を承認した。このような再製造品をR-SUDと呼び、今後、普及させていくことを検討している。
第10回高機能素材Week 歯科関係の商品も展示
材料・加工機械の総合展「第10回高機能素材Week」が4~6の3日間、千葉市の幕張メッセで開かれた。フィルム•プラスチック•金属•セラミックスなどの素材、加工技術、製造装置、検査関連技術を一堂に展示。歯科分野に関する製品等も紹介された。各業界の研究者•開発•製造担当者等の関係者らが来場した。主催はリード エグジビション ジャパン。