日本歯科新聞 | 2020年1月14日付
令和2年度の歯科保健課の予算案、「災害時用の器材整備補助」に4億7000万円
厚労省医政局歯科保健課は昨年12月20日、令和2年度歯科保健課予算(案)の概要を発表した。新規事業としては
- ①「歯科口腔保健医療情報収集•分析等推進事業」に7,247万9,000円
- ②「歯周病予防に関する実証事業」に9,624万9,000円
- ③「ICTを活用した医科歯科連携の検証事業」に3,106万4,000円
- ④「歯科技工士の人材確保対策事業」に1,511万6,000円
また概算要求時になかった「災害時歯科保健医療提供体制整備事業」4億7,000万円が加わり、「脳卒中患者に対する口腔機能管理モデル事業」(要求3,005万円)等がなくなっている。 強い台風や豪雨、そして頻発する地震などによる大規模災害時に、被災地の避難所での支援体制を強化する「災害用ポータブル歯科ユニット等配備のための予算」4億7000万円が、2019年12月20日に閣議決定した。
全世代型社会保障検討会議の中間報告に「歯科の文言」
人生100年時代の到来を見据え、高齢者だけでなく、子供から現役世代まで広く安心を支えていくため、年金、労働、医療、介護など、社会保障全般にわたる持続可能な改革を検討してきた全世代型社会保障検討会議が中間報告を取りまとめた。「医療提供体制の改革」の項目では、「看護師•歯科衛生士等の復職支援•定着の推進」や「医師•歯科医師等の働き方改革」などで地域に必要な医療を確保すると記載。「在宅医療•歯科医療の更なる深化と推進」「地域における医科歯科連携を含む歯科医療機関の強化」「『かかりつけ医』•『かかりつけ歯科医』•『かかりつけ薬剤師』を通じた、また保険者を通じた社会保障教育の充実」が必要など、歯科に関わる文言も多く見られる。
共用試験の公的化など日歯が加藤厚労相に申し入れ
日本歯科医師会の堀 憲郎会長と柳川忠廣副会長は昨年12月26日、歯科大学•歯学部で行われる共用試験の公的化や、診療参加型臨床実習に参加する学生の医療行為を法的に担保するための「Student Dentist」の資格化などの政策提言を加藤勝信厚労相に対して申し入れた。同日、日歯が発表したプレスリリースによるもの。
厚労省予算•総額は1兆円増の32兆9,861億円に
厚労省は、総額32兆9,861億円の令和2年度—般会計予算案を2019年12月20日に発表した。前年度当初予算に比べて1兆220億円の増加。社会保障関係費は3.3%増の32兆6,323億円で、内訳は年金12兆4,615億円、医療12兆2,674億円、介護3兆4,038億円、福祉等4兆4,517億円、雇用480億円。
中医協総会、診療報酬改定の個別議論に向け意見書
第443回中医協総会が2019年12月20日、東京都千代田区の厚労省内で開かれた。大臣折衝で決定した改定率を踏まえて、今後の診療報酬改定の個別議論に向け、支払側委員と診療側委員がそれぞれ意見書を提出した。診療側の歯科に関連する意見では、かかりつけ歯科医機能のさらなる充実•推進のために、「歯科疾患管理料を全口腔疾患に対象拡大し、長期管理のさらなる評価を検討すること」「口腔機能低下への取り組みや舌圧測定、咀嚼能力検査、咬合圧検査等の評価の見直し、小児口腔機能発達不全症への新たな検査項目の保険収載を検討すること」「妊産婦への対応で、医科歯科連携の評価や管理•指導の評価を検討すること」「デイサービスに歯科訪問診療が可能となる方策の検討」などを求めている。
歯科医療費、社保の件数は5.9%、点数3.9%増
社会保険診療報酬支払基金による令和元年8月診療分の総計確定件数は9,123万2,000件、点数1,509億893万9,000点で前年同月に比べ件数は5.1%、点数は4.1%それぞれ増加した。
歯科は1,289万2千件、146億1,327万5,000点で、前年同月に比べ件数は5.9%、点数は3.9%増加した。
国保、市町村の金額5.3%減少
国保中央会がまとめた令和元年8月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,804億円で、うち後期高齢者分は1兆3,978億円だった。歯科医療費は市町村が530億円で、対前年同月比で5.3%減。組合は44億円で0.2%減。後期高齢者は478億円で3.3%増。
12歳児のむし歯等数0.70本
12歳児1人当たりの永久歯の平均むし歯等数が0.70本となった。令和元年度学校保健統計調査の速報値によるもので、前年より0.04本減った。昭和59年度の調査開始以降、ほぼ毎年減少し、過去最低となっている。
指導•監査での返還金は2億3822万円
日本医療経営実践協会(吉原健二代表理事)は、昨年12月1日に実施した「第7回医療経営士1級資格認定試験」の第二次試験の結果を12月24日に発表した。昨年9月に行われた第—次試験の合格者29人を対象にしたもので、23人が合格した。
指導•監査で平成30年度に歯科医療機関が国に返還した金額は2億3,822万4,000円で、前年度より1億9,435万4,000円少なかった。厚労省の「保険医療機関等の指導•監査等の実施状況」によるもの。